メカニック日記

メカニックです。仕事ネタから感じた事思った事など気まぐれに更新していきます…

最近の作業…35

2020-07-09 21:45:00 | 整備
しばらくブログをサボっていました。

写真は撮り溜めていましたが更新する程の余裕は無く、相変わらず仕事に追われています…
ウチは8月が決算なので来月は色んな意味で大変になると予想してます…

早いところホームページも完成させて求人も出さなければ…
今年中にはメカニックを1人増員させたいと考えています。




少し前の作業になりますが…

エルフやデュトロに搭載されているいすゞ製の6速ミッション…

ギヤオイルに5W-30トランスアクスルオイルを使用するタイプのミッションです。


ミッションからのオイル漏れが酷いという事でオーバーホールでお預かりです…



クラッチハウジング内はミッションオイルでベタベタ…


フロントシールからの漏れですね…

とりあえずミッション立てて分解の準備に入ります…



リヤケース分解…





6速ギヤやカウンターギヤの取り外し…
5速仕様に比べるとこの辺りの分解が追加で必要で、通常のミッションなら5速と6速は隣合わせがセオリーですがこのミッションは5速仕様と6速仕様の共通部品を多くするためか6速だけリヤエンドに後付けされたような構造になっています。


スピードメーターギヤに6速ギヤ…
更には6速カウンターギヤなどの取り外し。





で、メインケースの取り外し…



更にシャフトの取り外し…


クラッチハウジングやメインケースは洗浄…










今回はオイル漏れ修理でのオーバーホール依頼なのでシンクロやギヤ類も問題なければ再使用します。
問診時にも特定のギヤに入り難い事は無いとの事なので再使用出来る部分は極力再使用していきます…

とはいえ6速のニードルベアリングだけは少しカジり痕があったので交換しますが。



シール関係は問答無用で交換します…



ココにはグリスたっぷり塗ります…
初期なじみは重要ですからね…

後からグリスが足らなかったなんてのが一番困ります。
ましてやこのミッションは通常のギヤオイル粘度より遥かに低粘度指定なので当然漏れやすいですから…


で、掃除&シール関係の交換が終わったらシャフト類を組んでいくんですが…
このミッション…5速のカウンターギヤがシザースギヤになってるんです…


そのため、戻し状態でロックしておかないとシャフトを組む時にギヤを破損させちゃう可能性があるんですが…


その辺りの注意書きが整備書に記載されてないんですよね…
重要な事だと思うんですけど。
今回は適当なサイズのロックピンが無くて少々苦労しましたが…



で、更にシフトフォークを組み付け。






キレイに掃除したメインケースも組み付け…
フランジ面はオイルストーンで修正済みです。



ピンボケですが、ケースを組んで更にベアリングの圧入。


で、ベアリング類の圧入も終わったらカウンターシャフトのプレロード調整…



通常この辺りはスナップリングで調整するミッションが多いですが、このミッションはシムで調整するタイプ。
ケース端面からベアリングまでのクリアランスを測定…


数カ所測定からの平均値を出し、それに見合うサイズのシムを選定します…





今回使用するシムは2.41mm…



で、リテーナを組み付けて規定トルクで締め付け。



6速ギヤにカウンターギヤ、スピードメーター用のギヤも組み付け。





リヤケースも組み付け。





PTOやらシフトコントロールやら…





ミッションを横置きにして…





パレットに固定…






これにて作業も完了…
後は引取り待ちです。




お次は排気漏れ修理で入庫したプロフィア…
ターボとエキマニを繋ぐフランジからの漏れなんですが…
よく見るとまたボンドが塗ってある…



最近エキゾースト関係にボンド塗るの流行ってるの⁉︎



通常ガスケットが入る部分にボンドが塗ってある時点で嫌な予感しかしませんけど…
ターボを取り外すと…


ガスケット割れてるし…


オイル経路にも本来ならカーボンG/Kが入る所にボンド…




スタッドボルトもガタガタで全然固定されてない…
ボンドが塗ってあるって事はその時点で漏れるかもしれないという認識があったのは間違いないでしょう。


こんなやり方じゃそりゃあ漏れるって…


エキマニ側のネジ山が広がってしまっており、スタッドが締めきれない状態でした。
ネジ山もなんか修正した跡はあるけど、穴が広がっちゃってるのでまるで効いてない…


新品を入れてみるもガタガタだし斜めに喰っていくし…


こんなところから排気漏れなんて通常はあんまり無いですから…
それなのに漏れるというのは前回整備した時の方法に問題がある事が多いですね。

つまり人災。

とにかくこれではターボも固定出来ないし穴が広がっている為ネジ山も修正不可能なのでヘリサート加工で対応する事に。

ドリルでガタガタのネジ山は切り落とし…





新たに挿入するヘリサートに合わせたネジ山を切り直し…


ヘリサートを挿入…




新品のスタッドボルトがキチンと固定出来る事を確認して…



これでようやく正常な状態に戻りましたが、これは故障じゃなくて整備ミスの後処理作業…
後は元通りに組み付けて漏れが止まった事を確認して完了です。



他にもDPFの洗浄依頼も定期的に入ってきます。
こちらはお預かりしましたが…




残念ながら内部溶損の為、洗浄不可でした。
パッと見は分からないけど、よく見るとセルの中が埋まってます。


とりあえず洗浄は出来ないので交換ですね…。




こちらはプロフィアのDPF…
洗浄と再生修理の依頼。
接続面のよく腐るフランジリング…
固定をほどき、切り落とし。



新品のフランジリングを真っ二つにカットし挟み込み、仮に固定します…


位置決め…


で、溶接。


リング自体も本体に溶接固定。



再生完了。


あとは洗浄したDPFを組み付けて完了です。


それから関東からわざわざ寄って頂き、更に手土産まで頂いてしまいましたが…
やはり前向きな方との話は非常に有意義です…
T自動車様、ありがとうございました。
もっこすラーメン美味しく頂きました…
めちゃウマでした…笑




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低品質な整備…2

2020-05-31 07:56:00 | 整備
久々の低品質な整備シリーズ…

そんなシリーズあったのか?って話ですが。
過去にも少し記事にした事があるので 今回は第2弾にしてみました…笑

読んで字のごとく最近経験した低品質整備事例をご紹介します…


乗用車や外車をメインでやられている整備工場さんからのご依頼でアクセルを開けるとヒュルヒュルと異音がするという事で修理の依頼を受けたダイナ…

キャブを上げて目を疑いましたよ…

コレ。


分かります?





あろうことか4番のエキマニスタッドが折れ込んで、それを誤魔化す?ためにボンドで埋めてあるという暴挙…
(ちなみに依頼主さんの整備工場での仕事ではありません…)

コレやった奴は車触んない方が社会のためですよ。本当に。
もし整備士だったとしたら今すぐ辞めて頂きたい。


結論、異音の原因は4番マニホールドからの排気漏れでした…

イヤ、そりゃあどう考えたって締まってないんだから漏れるよな…

逆にコレをやった奴はボンドで排圧を止めきれると思ったのか?

いつどこで誰がやったのかは分かりませんし知りたくもないですけどね…


依頼主さんに説明すると予定を止めてもらうから直ぐに修理にかかってくれ…と。
(そりゃそうだよなぁ…)

部品を手配しつつ分解していくと他にも低品質な整備があちこちにあり…

まずベルト調整用のオルタの取り付けボルトは無くなってるし、ターボ上部のウォーターパイプのユニオンボルトはガスケットが3枚(通常は2枚)入ってるし…





ターボ外してエキマニも外すとガスケットも向きが全然違うし…




エキマニガスケットの向きが1番以外は全部ハズレ。




こんなところまで低品質な整備の手が回っているので正直嫌な予感しかしない。


で、問題の4番…


スタッドが折れた理由は分かりませんがそれを誤魔化すためにボンドって…

塗りたくられたボンドを除去すると上側の折れこんだボルトにはポンチの跡が残っており…
と、いうことは折れ込んだボルトを抜こうとしたという事。
ポンチの位置はセンターから全然ズレてるけどね…


ここまでやって続きをやらなかった事には疑問が残るけど…(ちなみにこの後その理由も判明する…笑)

とりあえずポンチ打ち直して下穴開けてまずはエキストラクターで挑戦…






すると上はすんなり抜けました…



そのまま下側のボルトにかかると、お気に入りの月光ドリルでも下穴が一向に開かない…

アレ?おかしいな…と思い表面をよく調べてみると、まさかの折れたエキストラクター?もしくはドリルが内部で折れ込んでる…





そりゃ穴も開かないはずだわ…

恐らく…
何らかの理由でスタッドが折れ、それを修理する為にターボ、エキマニを外して折れ込んだスタッドボルトの抜き取りにチャレンジするもエキストラクターもしくはドリルがスタッド内部で折れ込んでしまった為に諦めて破茶滅茶な組み方で戻してボンドを大量に塗りたくって誤魔化した…というとこでしょう。

ていうか折れ込ませたスタッドの中に更に余計なモンを折れ込ませてんじゃねぇよ…笑


どちらにしてもエキストラクターでの抜き取りが不可能なのでTIGでボルトに肉盛りして抜きとる事に…

肉盛りして…



適当なボルトを溶接して…



カジらないようにグリグリ慎重に抜き取り…



無事に摘出…






タップを立てて…



どちらのネジ山も問題なしでとりあえずひと安心…




他のスタッドボルトも全交換…



エキマニは当然と言えば当然なんですが歪んでおりました…





本当はエキマニも換えたいところですが、今回は依頼主さんの意向もあって歪みを可能な限り修正して再利用していきます…
鋳物なんであんまりプレスし過ぎちゃうと割れちゃうので注意が必要ですが…


当然ガスケットは新品に交換して…





組み付け…





冷却水も交換して修理も完了です…





今回はこんな低レベルな整備を目の当たりにしてあまりにも腹が立ってしまったので記事にしてみました…

この車両DPF付きだし、一歩間違えば車両火災になる可能性だって十分あった訳です…


お客さんはこんな低品質な整備がされているとも知らずにお金を払っている訳で…
逆に言うとお金払って車を壊されてるんです…

今までどこに修理を出していたのかはお客さんが1番分かっている事だと思いますので、今回の車の状態はありのままを説明させて頂きました。
初めはこの修理を行った所にクレームで持って行こうか…という話も出たのですが、こんな作業をする所がまともな修理が出来るとは思えませんからね…


理由はどうあれボルトを折ってしまった事は仕方ないとしてその時点でお客さんに説明して時間を貰ってでもキチンと修理するべきで…
ボルトの折れ込みなんてこの仕事では日常茶飯事なんだから説明するだけなんですよ…
お客さんに怒られようが何だろうが折れちゃったもんはしょうがないし謝るしかないんだから。

ただそれだけの話なのに自分のミスを隠そうとしてこんなクソ整備をしてる事に腹が立つ…


以上、低品質な整備事例でした…


あ、それからやっとアベちゃんマスク届いた…!!

しかも会社に…笑












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最近の作業…34

2020-05-25 22:22:00 | 整備
緊急事態宣言も多くの地域で解除されましたが…


ウチにはまだアベノマスクは届いておりません…


最近ではマスクの供給もだいぶ追いついてきているのか私の住んでいる地域ではそこそこ普通に買えるようになってきています…


なので…

今更…マスク要る⁇
しかも2枚だけとか…笑

ほとんどの方は使わずに放置されるような気がします…






今年のゴールデンウィークは1日だけ休みがありましたが、過剰自粛ムードの中どこにも行けないので朝から家で子供とゴロゴロして夕方にスーパーにちょっと買出しに行く程度で、それ以外は何もせずダラダラと過ごしました…
今年に入ってからは休み無しで仕事してきたので、まあそんな日もたまにはいいでしょう…笑


これは休み前の作業で…

SCR触媒交換で入庫したプロフィア …
差圧過剰のコードを検出しており、もう排気音からして明らかにおかしかったんですがNOxセンサーの取付ボスから中を覗き込むとスリップ触媒が割れているのが確認出来ました…



で、SCR触媒を交換するために取り外すと…

おぉ…



しかも飛び出してる…



更に取り外すと…
溶損ではなく破損…









この白い塊は尿素水がマフラー内で化学変化を起こす事で生成されるシアヌル酸という物質で、これは尿素水に含まれるトリウレットという不純物が原因です…

よく勘違いしている方がいますがこのシアヌル酸は尿素水がこぼれた時に出来る結晶とは全くの別物です。

この破損の原理も調べていくと生成されたシアヌル酸によって起きている可能性が高い事も分かり…
色々な分野のプロフェッショナルな方々に話を聞くと面白い程に点と点が線で繋がってきます…
その情報を整備の現場にフィードバックしたメンテナンスを行い…
その経過や結果を見ながらより効果の高い予防整備方法を模索、確立している段階です…

まあもちろん全てが想定通りの結果になる事は稀ですし、その過程でまた新たな別の問題が発覚する事も多々あります。

まあ、こんな事言うのもおかしいですが、だからこそ追求のし甲斐があるんですけどね…
簡単に直ったらなんの経験にもならないですから。

エンジンオイルもそう…
鉱物からフルシンセティックに変えた事で一部のエンジンでは別の問題も発生しています…
これは今色々と対策を実験、検証中なのでその結果を楽しみにしています。




で、新品を組み付けてデータをリセットして完了。







お次はマフラーカバーのステーが腐食で脱落したプロフィア の修理。







正攻法でいけばDPRユニットASSYでの交換になるんでしょうが、この年式にその修理代は割に合わないのでステーを製作してカバーを取り付ける事に…


適当なステーを製作。


仮付けしてボルト穴の位置を合わせながら…


位置が決まったら本溶接…



裏側にナットも溶接して…




カバーは取り付け穴が4箇所ありこのカバーの取り付け穴とナットの位置合わせが地味に大変です……

で、気休めの耐熱塗装を施し…



新品のカバーを取り付け…





完了です…




それからフォワードのDPFリビルトの依頼…
単品での持ち込みです。


内部はアッシュに加え軽油の混入も見られたのでこのDPFを搭載していた車両はインジェクターの交換も早めに行った方がいいですね。







分解して洗浄して組み付けて補修塗装まで行い完了…





更に車検で入庫したトラクタとトレーラのセット。


トラクタの方はベローズが危険領域なので交換…











問題はトレーラ…
車両引取り回送時にトレーラーABSのチェックランプが点灯しており…



WABCOのバリオCという古いシステムなんですが、自己診断をかけると…




コンピュータ異常のコード…
消去不可能で検出し続けるので恐らく本当にダメでしょう…

どちらにしてもこのままでは車検NGなので車検と平行して修理をする事に。

といっても、バリオCのコンピュータなんてもうとっくの昔に廃盤になっているのでまだ供給のあるVCS2にシステムごと載せ換え…
PCVやホイールセンサは再利用が可能なのでコンピュータとそれに関係する配線を引き直していきます…





まずは古いコンピュータを撤去して新しいコンピュータの位置決めから…






ここから配線を接続して各センサやアクチュエータ、電源、診断用コネクタを振り分けていくんですが…


とにかく配線が長い…笑








組んず解れつの配線を各所に無理な無いように這わせていきます…



外部診断用のコネクタも新設する必要があります…


現車がタンクローリーなのでタンクやフレーム、サイドバンパー、更にはアウトリガまでもがアルミ…


溶接で取り付け可能な場所が無いので既存の穴を利用して共締めで取り付け。





電源コネクタも当然交換です。



更にcautionラベルも…



で、試運転にて無事にチェックランプが消灯する事を確認して後は車検持込へ…





壊れたコンピュータを開けてみると見事に湿気にやられておりました。









それから少し時間が空いたのでACマシーンの使い方に慣れるためにも自社の足車のエアコン配管のフラッシングをする事に…

3万で買ってきたタントちゃん…



まずはガスを回収してパイプを切り離しフラッシングキットを接続します。


で、標準的な設定で内部フラッシングを開始…
この間は当然自動なので放ったらかしも可能です。


サイトグラスを流れるオイルや不純物を見ながら…



フラッシングも完了…


後は通常の真空引きからガスチャージを行います…



ついでにエアコンの効率をアップする添加剤を注入…


コレ、実際にデモを見せてもらい思ったのはコンプレッサーのフリクションロスは間違いなく減るでしょうね…



で、作業完了…



ビフォーを撮り忘れましたがバッチリ冷えているのでオッケーに。





DPFのチェックランプが点灯するという事で入庫したプロフィア…



洗浄前の差圧はご覧の通り…



DPFを洗浄後の差圧測定は劇的に改善しました…



なにせ大量のアッシュが取れましたからね…





最近面白いのはDPFから出てきたアッシュの状態を見て使用しているエンジンオイルの銘柄がなんとなく分かるようになってきたこと…笑

もちろん全部が全部分かる訳ではありませんがある特定の銘柄のエンジンオイルは出てくるアッシュにも特徴がある事が分かりました…

これは非常に興味深い。


しかし調べれば調べるほどエンジンオイルって奥が深いですねぇ…




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最近の作業…33

2020-04-30 12:28:00 | 整備
今のところコロナの影響はほとんどなく忙しくさせて頂いてますが、インバウンドに頼りきっていた会社はコロナの影響を直で受けて非常に深刻な状況になってますね…
まあそれは仕方ないとして…

それより深刻なのは外出自粛の動きが強まってインバウンドに頼っていたわけではない街の様々な業種にも影響が出ている事…
これはマスコミが過剰に不安を煽ってる事が大きいと思います…
マスコミが煽って国民が不安を抱き、世論と支持率を考えた政権が後手後手で対策に乗り出す…といった構図にしか見えません。

感染予防対策は必要ですが何でもかんでも自粛ムードを強めすぎると経済的なダメージの方が深刻になりかねません…
終息した後に不景気をズルズルと引きずらない為にもある程度の経済活動継続は必要なんですけどねぇ…

まあこれ以上言うと止まらなくなるのでやめておきます…笑




最近の作業…

まずはプロフィア …
当初はDPF洗浄の依頼で入庫した車両でしたが洗浄のためにバラすと時すでに遅し…




フィルター後部が劣化して抜けています…
コレは再生制御が必要以上に繰り返された結果です。
アッシュは金属なので強制再生でどれだけ温度を上げようが燃焼は不可能です。
差圧が改善されないからといって何度も強制再生をするケースをよく聞きますが、基本的には再生温度がキチンと上がり、再生が終了したのに差圧が大して改善されていない場合は煤ではなくアッシュが堆積していると思った方がいいです。

短期間に何度も再生をする事によって今回のようにフィルターにダメージを与えてしまっては元も子もありませんからね…

現状アッシュに関しては物理的に取り除く以外に除去する方法はありません。



このようにフィルターが抜けてしまうと交換の選択肢しか無くなります…




別の車両でDPFとSCR交換のプロフィア …
ごっそり降ろして…





ごっそり交換…


あとは車両に取り付けてデータを確認して完了。







クオンのエア漏れ修理…
ABSモジュレータからの漏れですが、UDさんはASSYの十数万円の部品しか設定がありません…
モジュレータのメーカーであるWABCOさんからはリペアキットの設定があるのに間にUDさんが入ると何故かリペアキットの設定がなくなるんですよ…

不思議ですよねぇ…





ま、結局WABCOさんのリペアキットを使ってオーバーホールするんですけどね…
オイルが回ってゴテゴテに…
そりゃ劣化するわな…


もっと言うと某メーカーさんを介して買うWABCOさんのリペアキットから更にキット内容が良いのでウチはそちらを使っています…




他にもA/Tソレノイド交換のバス…
オイルパン外して…



シフトソレノイド単品での設定があるだけでも非常にありがたいですね…




ソレノイドの交換…







ストレーナは掃除だけしてガスケットのみ交換…


取り付けて規定トルクで締め付け…



あとはオイルパンを組んでATFを入れて完了。
あートルコン太郎が欲しい…笑


車検のタンクトレーラー
特に内容無いです…




連番で別のタンクトレーラー
こちらも車検。



こちらはシューの交換と…



リターンスプリングの折れたマキシチャンバーの交換。




組み付ける前の段階でスプリングを圧縮…
専用のコネクタを作ってあるので接続してエアを繋ぐだけ。
手で圧縮するより圧倒的に早いし楽です。





他にもお世話になっている方のレクサスLS600hにコーティングの施工…
もちろんこれは当社ではなくプロの業者さんにやってもらったんですが流石プロという仕上がり…


今流行り?のガラスとセラミックのハイブリッドコーティングというものを施工して頂きました。

いや、この輝きはスゴイっす。
満足度は非常に高いと思います…


一段と存在感が増しました。




他にもヘッドガスケットからオイル漏れのJ08エンジンのレンジャー。


ヘッド降ろしてガスケットを点検すると見事に圧縮抜けした跡がありました…


赤マルの部分、圧縮が抜けてOリングを変形させてます。




ヘッドガスケット交換して組み付け…
ブロック、ヘッド共に歪みは問題なし。









他にもエア漏れ修理のSSプロフィア …
トレコンからの漏れです…





リペアキットによるオーバーホールで対応。




漏れる原因は案の定スリーブの劣化…
先ほどのクオンのモジュレータと同じです。


交換…




ピストンも新品に…


このリリーフ?は再使用…
っていうかここもキットにしてくれればいいのに。


専用グリスを指定の箇所に…





ピストンも組み付けて…



カバーを取り付けて規定トルクで締め付け。





交換した部品…



もちろんエア漏れはきっちり止まりました。



4月もあっという間に終わりもう5月…


早くコロナも終息すると良いですね…









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最近の作業…32

2020-04-03 08:28:00 | 整備
久しぶりの更新です…

最近は写真は撮りためていたんですが、記事を書こうと思うほど気持ちに余裕はありませんでした…

もうとっくに終わってる作業ばかりになりますが…
まずは前回の続きのJ05のヘッドO/H…
加工に出していたヘッドはやはり歪んでおりました…


結果的に0.06mm研磨して歪みゼロ…

基本的にJ型エンジンは整備書ではバックラッシュの関係から研磨禁止となっていますが、削れない事はありません…
実際には研磨量0.1mm位までならバックラッシュも基準値に収まります…
仮にそれ以上歪みがあってもギヤ側残しで斜めに削って歪みとバックラッシュを基準値に収める事も不可能ではありません。
まあそのあたりはエンジン屋さんの加工精度次第…というところではあります。
削りすぎるとバックラッシュ云々ではなくオーバーレブさせた時に4番のバルブとピストンが当たっちゃう可能性が出てくるので注意が必要ですけどね…


戻ってきたヘッドにステムシールの交換にラッピングやバルブ関係の組み付け…







キレイなヘッドは気持ちがいいですね…

ヘッドのアッセンブリーが終われば後は車載してどんどん組み付けていきます。







ドッキングしてボルトの締め付け…
J05はヘッドボルトの長さに種類があるので締め付けトルク、角度共に長さ毎の基準があります。

締め付けたらカムアイドルギヤのバックラッシュ測定。


無事に基準値に収まっておりました…

そこからどんどん組み付け。


メタルは交換…


カムシャフトの洗浄&点検。










冷却水を入れてオイルを回したらエンジン始動…
下の画像にも写っているファンネルは最近使っている物で非常に使いやすくて気に入ってます…




前の会社で使っていたファンネルは黄色で透明性がなかったので水面を確認するには上から覗き込まないと分からなかったんですが、このライルのファンネルは半透明で遠くからでも水面と気泡の確認が簡単に出来ます。
細かい事なんですけどね…
非常に使い勝手がいいです。

無事に吹き返しも無くなり修理完了。


で、このJ05が終わる前にエンジン不調で入庫したJ07エンジンのレンジャー…
調べるとインジェクター不良で交換の予定だったんですが…

実際にインジェクターを交換する為に取り外そうとするも1番のインジェクターだけが何をやっても抜けず…
とにかく固着が酷く全く抜ける気配というか手応えすらないんです…
こんなケースは初めてで色々な所に聞いてみるも稀にインジェクター抜き取り時にノズルチューブが一緒に抜けてくる事はあるものの皆口を揃えて抜けなかった事はない…と。

インジェクターが抜けないなんてそんなアホな…って思うでしょ⁉︎

いや、マジで抜けなかったんですよ!

ウチでは通常インジェクターを抜く時はステンレスの針金を輪っかにしてインジェクターに引っかけた上でスライドハンマーで抜き取るんですが…


たまに固いやつでも輪っかは1重で十分抜けるのに今回は1重はあっけなく切れて…
それなら2重という事で試すもやっぱり切れ…

最終的に3重で、更にスライドハンマーを天井クレーンで引っ張りテンションを掛けながらスラハンでチャレンジするも…



抜けない…

結果的にスラハンに取り付けていたアイボルトが変形するほど…




とにかく固くて抜けないので…

諦めてシリンダーヘッドを降ろす事にしました(;´д`)

当初はインジェクター交換の1日で終わると思っていた修理が予想外のヘッドO/H作業に変わり…
J05が出て行ったと思ったら今度はJ07をバラす事に…

とにかくヘッドを降ろさないと次に進まないので急いで降ろす段取り…



ただバラしていく段階でNGな部分がちょいちょい出てくる…
下の画像はEGRクーラを取り外した直後のエキマニ内部…
完全に水回ってますよね…


1番のインジェクターは抜けないのでそのままバラしてエンジン屋さんで抜いてもらう事に…









ゴソゴソしてヘッドを降ろして…



バルブ関係を取り外して加工に出します…



で、エンジン屋さんには『最悪、インジェクターは潰してもいいけどヘッドだけはなんとか無事に…』とお願いして…


数日後無事にヘッドが戻ってきました。

まずインジェクターは無事に抜けたようですが、案の定インジェクターとノズルチューブが一緒に抜けてきたようで、インジェクターとチューブのカーボン固着が酷かったとの事…
更に水圧テストは1番3番のノズルチューブとエキマニスタッドから漏れがあったようで…
それを聞いて結果的にヘッド降ろして良かったな…と。
仮に固着していたインジェクターが抜けたとしてインジェクターだけの交換で修理を完了していたら遅かれ早かれ必ず再入庫していたことでしょう…

これが問題の抜けなかったインジェクター…


インジェクターとチューブを分離させるのに相当な力がかかった事を物語っています…



インジェクターボディは腐食しておりました…
これは燃焼ガスによる腐食なのかな…
ここまで酷いのは初めて見ました。







エキマニスタッドも漏れがあるために全数交換…





抜いて…



エキマニから水漏れ⁇と思うかもしれませんが、J型エンジンはエキマニのスタッド穴がシリンダーヘッドのウォータージャケットと貫通してるんです…





新品のスタッドボルトを取り付け…
当然、シール剤付きスタッドボルトです。



更にバルブも組み付け…







あとはエキマニ、インマニ、アイドルギヤを取り付けて…



ブロック側を綺麗にして…





ガスケットを乗せたら…


ドッキング…



こちらもバックラッシュの測定…


バックラッシュは0.17mm…



カムシャフトフレームを組み付けて…



あとはどんどん組み付けていくだけ…

















あと、バラす段階で発見した詰まった燃料添加弁は交換…
これエキパイ途中にある添加弁の接続部なんですが…


完全にススで詰まってます…


こんな状態ではDPFの再生も上手くいっていなかったでしょうね…

ハウジングは掃除して…



添加インジェクターは新品に交換…






全てを組み付けたらエンジン始動…





お客様には大変お待たせしてしまいましたが、無事に修理も完了して納車。


更にエンジンオイル漏れのプロフィア…

リヤのクランクシールとエアコンプレッサーの取り付け部から漏れており…

リヤクランクシールとコンプレッサーOリングの交換…



夜な夜なミッション降ろして



クランクシールの交換…



パイロットベアリングも交換して…






新品のクラッチを組み付けてミッション側は完了…







クランクシールの交換が済んだら次はコンプレッサー…
コンプレッサーを外してOリングの交換。










こちらもなんだかんだで終了。


それから最近取引を始めた板金屋さんからの依頼で入庫したタクシー…

どうやらコンプレッサーが回らずエアコンが効かないのでコンプレッサーを交換してほしいとのご依頼。

とりあえず簡易的にマグネットクラッチを点検すると、まず電気が来ていない…

ヒューズも切れてない…

ガスも入ってる…

リレーも問題なし…


これはコンプレッサーを交換して改善される気がしないので…

他の仕事に追われ診断している時間もないので、電気屋さんにお願いする事に…


で、電気屋さんが調べた結果…

どうやらオートドアハンドル部に付いているスイッチが悪さをしてるようで…

初め聞いた時はなんのこっちゃ⁉︎と思ったんですがモノを確認してみると…



どうやらこのオートドアはエンジンの負圧を利用して開閉しているようで後部ドア開閉時にエンジンがストールするのを防ぐためにコンプレッサーの電源を一時的に遮断するスイッチが付いているようです…

昔、小型をやってる時にタクシーはよく触りましたがその時のオートドアってロッド式でしたからね…
最近のタクシーは負圧を利用してるんですねぇ…

知らんかった…


で、そのオートドアのノブのロッドがバカになりスイッチを押す為のカムがズレていたためスイッチが押せずにコンプレッサーに電気が行かなかったようです…





ただねぇ…

これは設計が悪いと思うけど…

本来なら回っちゃいけないロッドがクルクル回っちゃうわけですよ…
もちろん使い方が関係するんだろうけど、登録から2〜3年で走行8万キロで壊れちゃうんだから。

おまけに通常はここだけ部品が出ないようで、それはさすがにヒドイじゃないか…という事で部品商さんが交渉してくれて単品で取れる事になりましたが…

納期が1ヶ月だって…


さすがにそんなに停めておけないようで、なんとかエアコンが使える状態にしてくれないか…という事になり…



なんとかこのノブがクルクル回らないように色々と考えたんですが…



結果的にこのノブを固定するのではなく、スイッチ側のカムがズレないようにガイドを付ける事にしました…

加工したプレートを溶接。





たったこれだけの事なんですが、試行錯誤の末に辿り着きました。




で、無事にコンプレッサーも回るようになりとりあえず応急修理は完了…

部品が入ったきたら交換する予定ですけどね。





気付いたら3月も終わってましたが…
認証を取得し本格的に営業を開始してからはや5ヶ月…
これから夏に向けて仕事の量は格段に増えていきます…
そろそろメカニックの増員を本気で考えなくてはならない時期になってきました。

現在ホームページを作成する準備も進めておりリクルート情報も載せたいと思っているんですが…
整備業界の人手不足をなんとかする為に色々とアイデアが必要な時代です。


この整備業界を若者が目指してくれる魅力ある業界にする為にはどうしていくべきか?…という事も今後は考えていかなきゃなりませんよね…


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最近の作業…31

2020-02-07 09:20:00 | 整備
久しぶりの更新ですが…

先日、勉強会の参加予定者の方々に詳細案内を一斉送信しましたが、届きましたでしょうか⁇

当初はケータイでやり取りをしていたのですが、一斉送信する人数が多いためにパソコンから送りましたが…
ちゃんと全員に送れたのかが不安です…笑

もし届いていない方がいればご一報下さい。



で、最近の作業です…
今年に入ってからは、とにかく息をつく暇もないと感じるくらい忙しくさせて頂いておりますが…
いかんせん人数が少ないので上手く予定を組んで捌く必要があります…

そんなこんなで今年に入ってからは家に帰るのは日付が変わる頃という日が続いております。

世間では働き方改革が騒がれる中、大好きな仕事を目一杯やらせて頂いております…笑
(もちろん従業員は基本的に定時で上がってもらいますよ…)

でもまあ不思議と苦じゃないんですよね…
仕事を依頼してくれる方々には本当に感謝しております。

つくづく仕事は人との繋がりが大切だな…と思います。


まずはリーフ折れ修理のトレーラ…






交換して完了…






こちらのクオンはドージングモジュールの交換…








お次はDPF洗浄のプロフィア…その1









出てきた大量のアッシュ…





取り付けて完了…




別の車両でDPF洗浄とSCR触媒交換のプロフィア …
ゴッソリ降ろして…









SCR触媒は結晶化した尿素水で埋まりかけ…





何も詰まるのはDPFだけじゃありません…
SCR触媒の閉塞トラブルも非常に多いトラブルの1つです。
これも使用する尿素水によって起きるトラブルですが詳しい事は今度の勉強会で。



こちらもDPF洗浄のプロフィア…その2



スタッドボルトは安定の折れ込み具合ですね…





どこかで一度修理を試みてるようですが、かなり無理矢理感が否めませんので、この機会にちゃんと修理します…


カバーを切開して中を見ると案の定、無理矢理ナットが溶接してある…





ウチならこんな汚い溶接ではお金は貰えません…笑

全てのナットを切り落とし…






新品のスタッドボルトを仮に取り付けて…


ステンレスのナットを…


溶接します…



前後合わせて合計16本全て交換…
ウチでは取り付けるスタッドボルトには焼き付きやカジリ防止のため、必ずスレッドコンパウンドを塗ります…


切開したカバーを…



断熱材を巻いたDPFに…



元の位置に巻きつけて溶接します…



カバーが薄いのでパルスを上手く使いながら溶接する必要があります。



元どおりに溶接したら…



耐熱シルバーを塗って完了…



納品です。





他にもターボ交換のリエッセ…
一見やり難そうですがサービスホールが意外にも大きいのでそこまでストレスは無いですね…













こちらはクラッチフルコースのレンジャー…
ミッション降ろして…


ダンパー破損…







パイロットベアリング交換…



エンジン回転センサーに…


クラッチハウジング内で破損したダンパーの破片が暴れてセンサーにヒットしてますが…



とりあえずエラーは出ていないのでそのままです…

クラッチブースターの交換に…





レリーズベアリングの交換…



更にはマスターシリンダーも交換。








あとはクラッチオイルの交換&エア抜きをして完了。



次はフォワードのオイル漏れ修理…
リヤシールから漏れているという事でこちらもミッションを降ろして…


クラッチディスクも減ってるのでバラしたついでに交換ですね…



フライホイールも外して…



オイルが漏れてベタベタのフライホイールハウジング内…



SSTでオイルシールを圧入…





で、パイロットベアリングを交換…



新品のクラッチを組み付けてリヤシールの交換は完了。











更にオイルパンからのオイル漏れもあるのでこちらも修理…


いすゞさん特有の謎の構造…
オイルパンのスタッド穴が1箇所だけクランクケース内と貫通してるんですよ…
その為1本だけシール剤付きのスタッドボルトになります。



なんで1箇所だけこんな構造にするんでしょうね…
知らずに作業すればオイル漏れが直らない…なんてオチに繋がります。


他にもレンジャーのDPRのリビルト作業依頼。
洗浄、スタッド交換、塗装などを行います…
スタッドボルトが折れて廃棄寸前だったモノをお預かりして、新品同様にしてお返しします…





塗装して納品。





同じお客様でフォワードのDPFも同時に依頼頂きました。





分解、洗浄、ボルトやガスケットを交換して塗装まで。




それから吹き返しがあるJ05EのヘッドO/H作業…











どうやら3番に何かしらの問題が起きているのは間違いなさそうです…





3番だけ所々軽くサビが発生しております…
これは水分がシリンダー内に混入して、ある一定の時間が経過している証拠です。
つまり…バラした段階で入った冷却水ではなく、バラす前から入っていた水分と言えます。
ガスケットかノズルチューブかは判断出来ませんが…
とりあえずヘッドは水圧、平研の為にバルブ関係を取り外してエンジン屋さんに出します。






バルブスタンドをもう一度作らねば…



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2020年…

2020-01-02 09:50:00 | 整備
あけましておめでとうございます…


年末にブログを更新しようと時間が空いた時に少しずつ記事を書いていたのですが…

気付いたら2019年が終わっていました。


2019年の仕事納めは31日で…
2020年は元日から仕事始めです…笑

もちろん会社は休みですが、残った事務仕事や正月休み中に修理しなければならない車両などもあり、今年の正月は休み無しです。


まあその内1台はウチのミスで手直しが必要な仕事なんですけどね…

納車前に確認しておけば防げたトラブルですが、全ての作業を私が確認する事は現実的に難しいです…
なので今後はこの辺りの対策も考えていく必要がありますね…


車検時にマーカーが車幅を超えていた為にマーカーステーを交換したんですが、取り付け位置が悪く走行中の振動でエアタンクに接触していました。



タンクとステーのクリアランスがない為…




振動で擦れて削れたアルミタンク…



更にマーカーの配線が擦れてしまいショート…ヒューズが飛び、トレーラー側のスモール系統が全不灯になった事で運転手さんが気付いてくれました。
気付いてくれたからよかったものの、このまま気付かなかったら最悪、エアタンクに穴が空き、走行不能になった可能性もあります。
そうならなかった事は不幸中の幸い…いや、こちら側のミスなので不幸でもなんでもないですが…
とにかく今後はこういうくだらないトラブルはあってはなりません。


まず、削れたアルミタンクの補修…

高圧容器なのでなるべく熱は加えたくないので、溶接による肉盛りはやめてアルミのリペアペーストで補修する事に。

補修部分を脱脂&酸化被膜の除去。


ペーストを硬化剤と練合わせ補修部分に詰めて…



5分程で硬化するのでペーパーで成形して完了。



マーカーステーを少し加工してどこにも干渉しないクリアランスが確保出来る位置に変更…




元の取付穴を使用すれば早いのは分かりますが、結果的にトラブルを起こしては何の意味もありません…
たかがマーカー、されどマーカーです。
ひと手間かける事でこういうトラブルは防げるんです…





他にはインジェクター交換&DPF洗浄のプロフィア 。








この年式のE13はジェイクブレーキを取り外さないとインジェクター交換が出来ませんでしたが、これ以降のE13はインジェクター単体での交換が可能になってます…
日野さんはこういう所をキチンと改善していってくれますね…

更にDPFの洗浄…





汚い…







魔法の粉で処理…






コレ、黄色がかっているのは軽油に使用されている着色料です…
つまり、それだけ燃料がマフラー側に流れてしまっているという証拠で、エンジン側の燃調不良などで発生した未燃焼ガスがDPFやSCR触媒にまで流れていきます。

まあ今回はインジェクターも交換するので問題ないですが、こんな状態の場合はDPFの洗浄だけでは根本的な解決にはなりません。

DPFが詰まったりトラブルを起こすのはあくまでも"結果"であって、原因ではありません…
多くはインジェクター不調によるものですが、そのインジェクターが不調になる原因となっているのが燃料やエンジンオイルという訳で、燃料(軽油に含まれる添加剤)はインジェクターの内部に、エンジンオイルはインジェクターの外部に付着する事により噴霧不良を起こします…



別のプロフィアはDPの洗浄とSCR触媒の交換作業など…



ごっそり降ろして…





SCR触媒の分解…



溶損してしまったSCR触媒…





現在色々と調べていますが、周りの鉄部分が変形している理由は今のところ不明です…
落とした訳でも無く、過去に分解した様子も見受けられないので…





触媒が溶損するのは先程にも書いたようにマフラー内に入り込んだ未燃焼ガス…つまり燃料である軽油が大きく関係しています。


新品のSCR触媒…



DPFも洗浄して組み付け…








車両にドッキングして完成…


他にも水漏れ修理のダイナ…



ラジエータを交換して完了…






それからマツダのディーラーさんから持ち込まれたDPFなんですが…



一見問題なさそうに見えますが…


入口側…




残念ながら手遅れ状態で洗浄は不可能でした…
フィルターが飛び出してしまっています。


ただ飛び出しているだけならまだなんとかなりますが…
残念ながら光透過検査でも結果はNG…



片側から強力な光を当て、反対から見た時に光が見えるという事は内部破損や溶損しているという事になります。
↓は光が抜けてしまっている状態。


これでは交換しか選択肢がなくなってしまいます…
こういった事を防ぐためには適切なメンテナンスが何より重要です。



そんなこんなで今年はバタバタして正月らしい気持ちは一切ありませんが、せめてものお正月感を出すために鏡餅としめ縄…




今年も色々とやりたい事や計画している事もあるので、それはまた別で書きたいと思いますが…


まずは皆様本年もどうぞよろしくお願い致しますm(_ _)m

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続・最近の作業…30

2019-12-01 19:37:00 | 整備
前回の続き…

2台連続のデッキ板張替え…








剥がすとアレもコレも換えたほうがいいよな…となり、結局のところ全部張替えたほうが良かったんじゃ…笑

まあ全部張替えるだけの枚数は頼んでいなかったので結果的に中途半端にはなっちゃいましたが…

思っていたより腰への負担は無かったです…



その理由として前回の張替え時に使ったドリルの質があまりに悪かったんじゃないかと…
どこのメーカー品とは言いませんがよく聞く某大手メーカーのドリル。

とにかく数回開けたら切れ味が悪くなり数回で折れる事も。
結局前回張替えた時には1台で9本もドリルを使いました…

流石に1本800円もするドリルがポンポン折れてはウチみたいな零細企業では困るという事で、今回はドリルを変えてみることに…



結論から言うと…


これからはウチでは月光ドリルを使う事にしました…笑



スゲー切れ味!

正直びっくりしました…

某大手メーカーのドリルとは比べ物にならないくらいの切れ味で早くしかも楽に穴が開きます。
2台目のデッキ張替えは前回より多い枚数を張り替えましたが、使ったドリルはたったの1本…

しかも乾式タイプで一度も切削油を使っていません…
(前回使ったドリルは焼けないようにマメに切削油をかけながら使いましたがダメでした…)

あまりの切れ味で完全にGEKKOU信者になりました。笑



お次は冷却系統にオイルが混入したスーパーグレート。





エンジンは6M70。

オイルクーラーをオーバーホール…





インジェクションパイプが緩まずやむなくヘッドカバーまで脱着する事に…



取り外して分解…





何故かここのOリングだけにボンドが塗られていましたが…
どこかで一度バラしてるのかな…



コアは単体で気密テスト…




リークもなく問題無し。


緩まなかった為に切断して外した4番6番のインジェクションパイプは新品に交換。


ゴソゴソして外した補機類を取り付けて完了…




それからフラッと立ち寄って頂いた⁉︎方からクラッチオーバーホールの依頼。



全くの初めましての方でしたが、初回現金でのお支払いを了承して頂いたので引き受ける事に…

ミッション降ろして…






クラッチも取り外し…



ベアリング類を交換して…





クラッチを交換して完了…





こちらは腐食が酷かったバンパーの製作交換作業…


色塗って…


取り付けて完了…



ウチの足車として取引先の板金屋さんから格安で買ったネイキッド…



車検切れの為、これから整備して名変&車検を受ける予定…






それから高速道路で前を走っていたフォードGT40…



めちゃカッコいい!!






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最近の作業…30

2019-11-22 12:55:00 | 整備


認証を取得したのでやっと本格的な営業が開始出来るようになりました…

認証授与式も終わり、認証看板も届きました。


全部認証を取ったので基本的には出来ない作業はありませんが…
まだまだウチの設備的な問題で出来ない作業は多々あります…笑
今後は状況を見て設備投資はしていきたいです。
この辺りはやはり品質の向上&メカニックの負担を出来るだけ軽減出来るような設備を優先的に入れていくつもりです…


11月からは車検整備の受け入れも可能になり、ありがたい事に早速ご依頼頂きました…
FNプロフィア 。


指定工場とは違い陸運局に持ち込む手間はどうしても必要ですが、基本的に大型でも2日で仕上げる予定で組んでいます…
まあ、車検整備に関しては部品さえ揃っていれば1日あれば整備は終わりますから…
翌日に陸運局に持ち込んで合格後に納車という流れ。


こちらも車検のSHプロフィア …






カートリッジのオーバーホール…



オイリー。



バルブユニット側…
こちらはそんなに酷くないですね…



カートリッジのみオーバーホール。



乾燥剤上部は良さそうに見えますが…



中段になると…



更に下段は定番のキャビアルックです…





オーバーホールして完了。

更にエンジンオイルは蒸発しないハイグレードなものに交換します…




このオイルはグループ3のシンセティックオイルなので、グループ1の鉱物油ベースのオイルに比べると当然ながら単価は少々上がります。
多くの方が単価が上がる事に抵抗があると思うんですが、このオイルの交換サイクルは大型で9万キロとロングインターバル設計になっています…

仮に年間約10万キロ走るトラックで考えた場合…
安いオイルを年3回交換するより、良いオイルを年1回交換した方がトータル的にコストが下がる事は言うまでもないですよね。




更にこちらも車検のギガ…





いすゞ車も多く入ってくるので、高いけど渋々買いました↓




更にGK5クオン…
GHエンジンのベルト交換ってこんなに面倒なんですね…
ファンを外せば外れてくると思ったけどファン駆動のベアリングユニットまで外さないとベルトが抜けてこない…




前の会社ではGHエンジン積んだ管理車両は極端に少なかったから、こんなに面倒だとは知りませんでした。




こちらも車検のFP54スーパーグレート…



燃料フィルターが汚い…




更にドライヤーも酷い状態…





こちらはSCR異常のクオン…






ブザーが鳴ってうるさいのなんの…
こちらはドージングモジュールがご臨終。




とりあえず見積りです…



車検の合間にDPF洗浄もやってます…
SSプロフィア のDPF洗浄や…




こちらはEXD77ギガ…




DOC表面はそんなたいした事ないじゃん…と思うかもしれませんが…



このギガは最近、再生要求の頻度が増えた…との事。
手動再生はキチンとやっているのにすぐ堆積メータが溜まるのはDPF内部にアッシュが溜まっているからです…

洗浄するとウジ虫のように次から次へと出てきます…






白いツブツブがアッシュです。



こんなのが次から次へと出てきます。
ある程度アッシュが出なくなるまで予備洗浄をしたら洗浄機と洗剤による洗浄を行います。

出てきたアッシュの一部。





かなりの量のアッシュが出てきました。
これもDH2規格のオイルを使っておけば安心とメーカーや多くの方は考えているんですが、それは大きな間違いです。
確かにDH2規格はエンジンオイル中に含まれるアッシュ成分は通常のディーゼル用エンジンオイルに比べると圧倒的に少なく設計されてますがゼロでは無い訳で…
オイル自体が使用過程で蒸発するため、その蒸発したオイルが燃焼してアッシュが生成されDPF内部に少しずつ堆積していきます。

それを出来る限り防ぐには蒸発性を抑えたエンジンオイルを選定、使用、管理する事が重要なんです…

また蒸発性の高いエンジンオイルは交換直後の新しいオイルから一斉に蒸発する事が分かっています。
なのでエンジンオイルは安くても早めに交換しておけば安心という昔ながらの考えはクリーンディーゼルエンジンには全く通用しません…
蒸発しやすいエンジンオイルの場合、新油から蒸発してある程度走行後、ようやく蒸発性が落ち着いてきた頃に交換サイクルとなりオイル交換をするのでまた振り出しに戻り新油から一斉に蒸発…という悪循環を繰り返す事になります。



洗浄後の差圧はアイドリングで0.06kPa…


2000rpm時でも0.64kPa…



せっかく洗浄したのでエンジンオイルも蒸発しないタイプに交換して完了。



他にも洗うのはDPFだけじゃなく、実はEGRバルブも洗浄出来ます。
もちろんアクチュエータが正常な場合に限りますが…

これは依頼のあったエルフのEGRバルブ。









そんなに酷くはないですがお客様が自社在庫として持っておきたいとの事だったので洗浄。

で、コレが洗浄後。









その他にも荷台の床板の張替え作業なんかもやってます…
ボロボロで穴の開いた床板…








古い床板を剥がし…



剥がすのが地味に大変…

で、新品の床板を寸法を測りながらカットして張り替えていきます。






今回は全張替えではなく部分張替えですが…
何が大変ってビスを打ち込む本数が半端ないので腰に負担がかかるんですよね…

で、完成…



この他にももう一台あるんだよな…



腰持つかな…




それから9月に工場を借りてから事務所の時計は家から持ってきたものがあったんですが、工場の時計は無かったんです…

工場に時計が無いと不便なものの、また今度でいいか…と後回しにしていたんですが…
ある日送られてきた荷物を開けたら中に壁掛け時計が入っていたんです!!
なんと以前勉強会に来て頂いた方からの開業祝いとして時計を頂きました…

ちょうど欲しかったのですごい偶然…笑


◯◯自動車工業所様…

改めて本当にありがとうございますm(_ _)m

早速、使わせて頂いてます!



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最近の作業…29

2019-07-26 20:16:00 | 整備
いや…しかし最近は暑いですね。笑

出張作業が基本なのですが、屋根がある所ならまだしも青空の下で作業してると汗の量がハンパないです…

水分や塩分を適度に取りながらでないとぶっ倒れます…笑

皆さまもお気をつけ下さいね…


まずはFP54スーパーグレート。






ワイパーが動かない時があるらしく、モーターに衝撃を与えると動きだすとの事。






私が見た時は正常に動いてましたが…モーターに衝撃を与えて動くという事なら、リレーよりも恐らくモーターの可能性が高いだろうという事でモーターの交換をする事に。

部品は近くのふそうさんに在庫があったので、車が戻ってくるタイミングを見て出張で作業。

ゴソゴソしてワイパーモーターを取り外し…






新品のモーター





またまたゴソゴソして取り付け。




作業完了!


お次はプロフィア…

修理でもなんでもないのですが、運転席は手動式のウィンドウで助手席だけパワーウィンドウ…




こんな仕様があるんですね…笑

初めて見ました…

てか、助手席パワーウィンドウなら運転席もパワーウィンドウでいいじゃん!って思いますけどねー。






それからまたまたFP54スーパーグレート。

間違えてレーダーアライメントをリセットしてしまいAMBと車間距離のエラー表示が出てしまったとの事で出張作業。

マルチインフォメーションには確かに機能していませんよ!の表示が。




AMB側の故障コードにはC1081レーダー異常にレーダー側の故障コードにはB1259、B1236、B1251とレーダー系のコードがズラリと…





写真を撮り忘れましたがデータ上の数字を見てもレーダーのアライメント値がとんでもない数値を示しており…

恐らくレーダーが正しい位置を認識出来ていないんだろうという事は容易に想像できます。

そんな訳でレーダーのアライメントを学習させる事に。
整備書にはレーダーのアライメント学習には2通りの方法があり、実際に走行して学習するモードと停止状態でターゲットを車両前方に置いて学習する方法があるらしく…

走行学習の方がより正確なアライメントになると記載されていたので走行学習を行う事に。

ところが、実際に作業サポートから走行学習を選択し、走行を始めるとエラー表示が出て学習出来ないというメッセージが…

その後何度チャレンジしても途中で強制終了状態…

なんじゃコレ⁉︎

これは車両側の不具合なのか診断機側の不具合なのか判断出来なかったので…
開発元のツールプラネットさんに問い合わせ。

すると、『まだレーダーの作業サポート自体には対応していないはずです…』との事。

え⁉︎
いやいや、実際に項目はありますよ⁇という事で詳しく調べてもらう事に…
こちらは後日返事を頂けるとの事。


とはいえ学習出来ないんじゃ困っちゃうので、走行テストがダメならターゲットを置いた停止状態での学習を試してみる事に。

ただメーカーの指定するターゲットなんてあるはずもなく…

お客様の会社の倉庫に転がっていた適当なアルミ板を拾ってきて、なんちゃってターゲットをセットしてみる事に…




こんなんで出来たら笑っちゃうよな…なんて思いながら試してみると…










出来ちゃいました。笑




おおぉぉ…

やってみるもんですねぇ…笑


その後データ上の停止状態でのアライメント数値はそれっぽい数字になりましたが、走行アライメントが⁇な数値だったので、走行アライメントも学習させてみると、先程はすぐに強制終了だった学習がこちらも無事に終了…




あらら、出来ちゃったよ…笑

整備書にはそんな事書いてなかったと思うけど、もしかしたら先に停止状態のアライメントを学習してからじゃないと走行アライメント学習が出来ないんでしょうかね…

まあとにかく無事に学習も出来てエラー表示も消えて…





故障コードも消え、全て正常に戻ったので…


これにて完了。




それから仕事の合間に慣れないパワーポイントを使って勉強会の資料作り…笑



嫁さんが買ってきてくれたパワーポイントの本が役に立った…笑

今回が初開催の勉強会ですが、ありがたい事に全国各地から勉強会に参加する為に整備関係者さんや運送会社関係者さんが集まってくださります。

皆さまそれだけ最近のディーゼルエンジンのトラブルに問題意識を持っておられるという事ですね…

今回の勉強会は私だけではなく、昨今のディーゼルエンジントラブルの原因を突き止めた会社さんにも詳しいご説明をして頂きます。

これは今後のディーゼルエンジンのメンテナンスに間違いなく役に立つ情報だと自信を持って言えます…

正しい知識で整備をする事がどれほど重要かを理解して頂けると思います。



また参加枠が残り僅かとなっているので、現在連絡が取れている方でも参加の可否をご連絡頂いた方から優先となります。
(参加の可否を連絡していただかないと席は押さえられないのでご注意下さい)

参加を希望されている方は早めのご連絡をお願いします。


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