物事を考え行うときに
あらゆる事柄に
過ぎたるは及ばざるがごとき
というような結果に陥ることが往々にしておこる。
たとえば、ある一人の人に
これこれのことを実行してほしいと
ある仕事を要請するとする。
首尾よく彼はそれを無難に成し遂げてくれた。
それができるなら、
これこれのこともできるに違いないと
次の任務を行うことを指示した。
それも何とかやり遂げることが出来た。
彼はもう疲れ果てていた。
しかし、
彼に指示すれば何でもできるし、
多額の利益を得ることが出来るため
次々に新たな要求を突きつけた。
彼はとうとう力尽きて
重い病気になってなくなってしまった。
ところが
彼の業績は
誰でもできる仕事ではなかったために
彼がいなくなるともうその種の仕事は
誰もできるものはいなくなってしまった。
そのため、
彼に指示した主人は
すべてを失ってしまった。
おはなし
「過ぎたるは及ばざるがごとし」とは
こういうような出来事ではなかろうか?
また、
違った表現の仕方の逸話もある。
それは「銀の斧、金の斧のお話」も
類似した内容を持っている。
池に仕事をしているときに、
鉄の斧を池に落としてしまった。
嘆き悲しんでいると
”池の精”が
まず銀の斧を
池の底からとってきてくれる。
正直な樵は
「いいえ違います」と断る。
次に金の斧を
池の底から持ってきてくれる。
それも否定する。
池の精は
正直な樵に感心して、
金、銀の斧を褒美にあげた。
それを聞いたよくばりの樵が
真似をして、
すべてを失ってしまった。
これは
自分の力以上のものを
強欲から得ようとすれば
すべてを失ってしまう話だが
これらに類する話が
身近にも、社会現象としても
よく目を凝らしてみると
頻繁に観察できる現象では
ないだろうか!。