ひろふみのブログ☆

囲碁棋士大橋拓文のオフィシャルブログです。

四方山話 無量大数の彼方へ

2016-09-23 23:34:21 | 囲碁&雑学

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こんにちは。

ついに暗号から始まってしまいましたか、このブログは。

今日は一つ打ち合わせがありまして、そこで思い出した話を一つ。

みなさん、囲碁は無限だと思いますか?それとも有限?幽玄?

人間には無限に感じられますが、盤の大きさが決まってる以上、一応は有限なのでしょう。

とはいえその数は宇宙にある原子の数より多いとか諸説ありますが・・・

囲碁の合法的に可能な局面数は

 

 

 

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だそうです

単純に考えれば、一つの交点に黒があるか白があるか何もないかの3通りが361個ですので3の361乗ですが、

ルール上合法というのは抜き後には石を置けませんし、回転形や鏡のような対称形もあり結構計算が難しそう・・・

それが上記の数字になるそうですが、無量大数より遥かに大きいのでなんて読んだら良いか分かりませんね

171桁あります。

まあこれは形が何通りかというだけで、手順を含めて何通りか考えると、これよりも更に遥かに大きな数字になりますね。

しかしもはや人間には大きすぎてどっちでもあまり変わりませんw

とはいえ何故かこれを知って感傷に浸ってる自分がいます・・・年かな・・・

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お知らせなどなど

2016-09-19 23:33:33 | 囲碁&∞

今日は夕方から用事があり、研究会を少し早く失礼して会場に向かいました。

しかし現場に到着するとまっくらけ、一人作業をしてた店員さんに尋ねると・・・

「あのー場所は合ってますがこれ来週です」

えっ なんてこった!

これは、はやくブログを更新しなさいという神の声か・・・

まあ、「先週終わってます!」じゃなくて「来週です!」

の方が100倍よいので、前向きに美味しいものを食べて

ブログ更新と相成りました。

さて、囲碁界初の攻略動画となった先日のspacemanですが・・・・

囲碁クエスト、AyaZ攻略動画はコチラ

ホッシーが緊急参戦してくれて涙腺がゆるくなったスペースマンは

感動しすぎて開始直前にくるぶしをぶつけてちょっと痛かったです。

攻略対局その1、まずはfukasiが対AyaZを裏技で攻めましたが・・・

AyaZバージョン1とバージョン2の違いが明らかになりました。

攻略対局その2ではspacemanが正攻法?で行きましたが、やはりAyaZの意表を突く手が出てきて・・・

気になる方は動画をご覧下さい。ただし、これでAyaZを攻略できる保障はありません。

しかし、AyaXも似た傾向はあるのでヒントにはなる・・・かも

さて、AlphaGo登場以来、他の囲碁AIも急速にパワーアップしていますが、

これについて講演会のお知らせです。

如水会一橋フォーラム21「AI(人工知能)の挑戦」

5回シリーズでそれぞれのスペシャリストが講演しますが、

錚々たる顔ぶれの中に自分が入っていて、自分でビックリしています

11月9日(水)18時半~20時

ご参加をお待ちしていますm(_ _)m

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名人戦第2局 感想

2016-09-16 22:23:57 | ニコ動

昨日の名人戦第2局、ニコニコ動画で解説させていただきました。

ご視聴の皆様ありがとうございました。

中盤から大変複雑な死活の勝負となりましたが、高尾挑戦者が華麗にシノギ2連勝となりました。

しかし、私が一番印象に残った場面は中盤でも死活でもなく序盤の一場面。

(黒)井山名人vs(白)高尾紳路挑戦者

1図 白1が一番衝撃的でした。黒6とつけるのではツライ気がします。白11となっては気分的には白を持ちたい形かと思いました。

下辺の形、手順を変えると・・・

2図 これと一緒ですので少し違和感がありました。

3図 自分としては黒2でコチラで打ってみたいですね。

ごくごく普通の手で、もちろん井山名人はそんなことは百も承知ですが・・・

さて明日午後3時半からはスペースマンです。

囲碁クエスト企画でAyaZを攻略します。

ディープラーニングをして、バリューネットワークを搭載したAyaは格段にパワーアップしました。

今の所、200局近く対戦して4勝3敗ペースです。

詳しくはコチラをご覧下さい。

それではまた明日~

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名人戦第2局

2016-09-14 22:22:22 | ニコ動

昨日のAlphaGoの投稿はいつにも増してたくさんの方に当ブログを訪問頂きました。

みんなで検討もしましたが、1手5秒とは思えないほどハイレベルなAlphaGoの自己対戦でした。

1、2局が1手5秒、3局目が1手1分だったようですが、思考時間が短いほど乱戦になり

長いほどじっくりするのは人間もコンピューターも変わらないようで、

不思議な感じがしました。

碁ワールドで連載中のIGOサイエンスでも取り上げる予定ですので、ご期待下さい。

80年前は後に総理となる鳩山一郎氏がドイツのデュバル博士と電報で碁を打ちました。

ベルリンに行った折にその話を聞けたのは貴重な体験でした。

約20年前、自分が子供の頃はFAXで棋譜を取り寄せていましたが、10年たつとインターネットで碁を打つようになり

更に10年たったらコンピューターの囲碁で勉強する時代が来ました。

このスピードですと後30年もすれば、宇宙人と囲碁を打っていてもおかしくないでしょう。

現代に碁を打ってる我々は歴史に試されているのです。

さてそんな今の最高峰である、二日制7番勝負の一つ、名人戦が始まりましたね。

明日第2局の二日目をニコニコ動画で解説します。

では封じ手予想です。

黒 井山裕太名人 vs 白 高尾紳路挑戦者

1図 黒1抜きです。珍しく当たる自信があります。

現在の形勢は拮抗しているように見えます。

さて明日は聞き手を兆乾二段が務めてくれます。

実は井山7冠と兆乾二段は石井先生門下の同門ですね。

丸秘話が聞けるかもしれません。

それでは明日お会いしましょう。

お楽しみに~

 

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AlphaGoの大ニュース

2016-09-13 01:50:00 | コンピューター囲碁

皆様こんばんは。

ただ今0時42分

深夜です。

もう寝ようと思ってたところ、公開されたばかりの驚愕のサイトを見つけてしまいました。

まずはコチラをご覧下さい。

AlphaGoの新しい情報サイトですが、李世ドル九段との5局の詳細な解説だけではなく、

AlphaGo vs AlphaGoの棋譜と解説が公開されています

7月にロシア・サンクトペテルブルグでも、

「AlphaGoが打ったこの手についてどう思いますか?」

と聞かれましたが・・・その手とは・・・

1図 白1ツケ

ついにその意図と総譜が明らかに

コンピューター囲碁といえば、インターネット対局サイトKGSでも

Zenがついに九段になったようです。

ヨーロッパのシステムでプロになったスロバキアのパブロ初段に対して

2図 AlphaGoの肩つきをZenも打った!と話題です。

Zen (W) vs Pavol Lisy, 1p, KGS. Computer played the famous shoulder hit of AlphaGo!

3図 デジャブー

さて、事の勢いで宣伝をさせていただきます。

9月17日土曜日15時半からのスペースマンは

囲碁クエストにパワーアップ降臨したAyaZがやってきます。

いつもどおり13路盤での対局となります。

囲碁クエストをしてる方はご存知かと思いますが、AyaZがついに2700点台に突入しました。

spacemanとAyaZは170局ほど打っています。少しだけspacemanが勝ち越していますが、ほとんど互角です。

なぜ急激にAyaが強くなったのでしょう?

どうやら、ついに!AlphaGoの強さの秘密バリューネットワークをAyaZも実装出来たようです

規模は32分の1との事ですが、それでも充分に効果を発揮しています。

例えば

李世ドル九段(黒) vs AlphaGo(白) 第1局 

4図 有名なツケヒキ

一番最新の一局 spaceman(黒) vs AyaZ(白) 13路盤

5図 デジャブーその

まさしくこれがディープラーニングの効果たる所以で、「似てるけどちょっと違う、でもこれ使えるんじゃない?」

という必殺技です。丸暗記ではなく応用出来るように学習するのです。

というわけで、9月17日のスペースマンは囲碁界初の攻略動画

なんかのゲームみたいですね

リアルタイム視聴はコチラ

現地観覧はコチラ ワンドリンク付きで1,000円となっております。

spacemanとfukasiはAyaZを攻略することが出来るのでショーか

 

 

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パンダ先生チャレンジマッチ

2016-09-02 12:47:31 | 詰碁

みなさんこんにちは。

最近ブログがとびとび更新。

来年から少しリニューアルしようかな、などど思案中。

なので今年はこれからも少しゆっくり更新になるかもしれません。

それでは、ここ数ヶ月の印象に残ったことを少しずつ書いていこうかと思います。

まずは「パンダ先生チャレンジマッチ」

7月9、10日にペア碁ワールドカップが開催されました。

そしてその前日8日ですね、パンダ先生チャレンジマッチと前夜祭がありました。

世界のトップ棋士が集結する盛大なイベントでしたが、このメンバーと詰碁AIパンダ先生の

詰碁速解き競争という世界初の大詰碁イベントでした。

何ヶ月か前にこの詰碁作成の依頼がありまして、詰碁作家冥利に尽きることでしたが、

同時にこの錚々たるトップ棋士達を悩ませる問題を作れるだろうか?とプレッシャーもありました。

河野臨九段、大場惇也七段そして私と3人で問題作りを担当しましたが、お二方とも現代を代表する名詰碁作家です。

そして自分はというといつも奇抜な形ばっかり作ってるので、ブーイングが来るんじゃないか!と内心心配してたり

全部で6問、1人2問ずつでしたので、作成にあたり、まず自分のテーマを決めました。

それは「これまでの自作詰碁を超える」ということです。

そして具体的には

「1つはなるべく実戦的で綺麗な問題。もう1つは難しい問題」

ということで作り始めました。

しかし難しさと美しさを両立させるのはとても難題でした。

そしてまず出来たのが第1問。こちらは実戦的なほうの問題です。

これは実はツケヒキ定石のバリエーションの形です。

ツケヒキ定石はAlphaGoの登場以来、急速に見直されており、この素材は今が旬かと思い料理してみた次第です。

その後ロシアのコングレスに行った折、イスラエルのアリ・ジャバリン初段ともこの詰碁の話しをしましたが

「Pretty ko」と言われて笑いました。

第5問は中国の囲碁天地でも「眼花繚乱的一題」と書かれていました。

目が回るという意味だそうで、光栄ですね

自分的にはそんなに奇抜な形を作ったつもりはないのですが、一力君には

「一目で誰の問題か分かりました」

と言われてしまいました。

結果はパンダ先生の優勝。人間の1位は呉侑珍二段 & 崔哲瀚九段ペアでした。

打ち上げの席では崔哲瀚九段と数年ぶりに話す事が出来ました。

「リベンジしたいからまた開催してほしい」

と言ってもらえて、嬉しかったです。また更にバージョンアップした問題を作れるよう頑張ります

そして今日ついに、パンダ先生チャレンジマッチの詳細解説と動画がアップされました。

会員様限定のページですが、井山7冠&謝女流5冠や柯潔九段、黒嘉嘉七段などが詰碁を解くレアシーンが見れます。

世界のトップ棋士が非常に身近に感じられると思いますのでおススメです。

解説も充実しており幻の「Pretty ko」(正解図ではないので)も登場しますのでぜひぜひご覧下さい。

 

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