みなさんこんにちは。
AlphaGo、DeepZenGo、絶芸。
現在囲碁AIといえば、これら三つが有名ですが、DolBaramという韓国の囲碁AIをご存知でしょうか。
ドルバラムと読み「ドル」は李世ドル九段のドルで意味は石。「バラム」は風で石風という意味になり、
その名の通り力強い棋風です。
アルファ碁登場以前から強豪として知られていましたが、
アルファ碁以後、ディープラーニングを取り入れるまでに時間がかかり、目立った活躍が少なくなっていました。
ところが、こちらをご覧ください。
ところが、最近再びパワーアップし力強いDolBaramが帰ってきました。
2017年11月5日 黒DolBaram
1図 ブラックホール
これは張栩九段や蘇耀国九段が一時期打っていたブラックホールですね。
2017年11月19日 黒DolBaram
2図 7-5から三々入り
空中戦法が得意かと思ったらアルファ碁の三々入りとも組み合わせて使うという柔軟さも持っているようです
201711月9日 白DolBaram
3図 極めつき
一体これは・・・
私も1、2図のような空中戦法は好きですが、さすがに3図白2、4の発想はなかった。
いくら何でもこれは白悪そうですが・・・・
今ここで紹介した3局はいずれもDolBaramの勝ち。
この時期はこのような空中戦法で連戦連勝でした。
しかし11月中旬になり、ネットから姿を消し・・・・
2か月間経った2018年1月。再び現れたDolBaram。
2018年1月26日 白DolBaram
4図 あれ!普通に打ってる
と思ったら、これは久しぶりに黒、人間の勝ち。
3図と4図の黒は同じ対局相手で、韓国の若手でランキング上位の棋士なのですが
3図で白が勝ち4図で黒が勝つとは、囲碁の常識とは一体なんだったのでしょうか・・・
現在、棋士の碁でもアルファ碁の影響で三々入りが大流行中です。
しかし、DolBaramのようなアルファ碁とも違う独特の棋風を持ちながら強くなった囲碁AIが出てきたことは
囲碁の世界を豊かにする意味で、嬉しいですね
ぜひともこの路線でこれからも強くなってほしいです
さてここで、一つお知らせです。
昨年7月に出版した「囲碁AI時代の新布石法」が増刷となりました。
ありがとうございます。
囲碁AIの登場を、発想を豊かにするキッカケとして捉えて、
ブラックホールのような空中戦法や
一時期話題となったGodMovesの天元戦法を解説しています。
「よくわかる囲碁AI大全」とは違うテイストですが、ともどもよろしくお願い致しますm(_ _)m