安倍先生にはつい数ヶ月前にも、研究会で碁を教えていただきました。
この訃報に接して、安倍先生に初めてお会いしたのはいつだったか、
思い起こしてみると、それは入段するずっと前。
ぼくが幼稚園ぐらいのときでした。
父に連れられて、とある祭りの囲碁コーナー。
大盤に並べられた、詰碁。
大人達に囲まれて、僕は詰碁に釘付けになりました。
一回挑戦して間違えて、もう一回やって失敗して、
その都度ヒントを貰いながら、30分ぐらい経ったでしょうか。
ある手が閃きました。
その時、他の大人の方も「出来たっ」と。
でも、安倍先生はぼくにチャンスをくれて、
何度目かの挑戦で正解することが出来ました。
およそ20年ほど前の出来事なのに、
この問題(筋)とその祭りの囲碁コーナーでの出来事は
今でも脳裏に焼き付いています。
この問題が玄玄碁経の有名な問題だと知ったのは大分後の話です。
ぼくが今詰碁が好きなのも、こういう体験の積み重ねなんだな と
振り返ってみて、そんな風に思いました。
ご冥福をお祈りします。