DeepZenGoがついにやりました。
中国内モンゴル・オルドスで行われた第1回中信証券杯世界電脳囲碁オープンで見事優勝。
上位入賞である、準優勝CGI(台湾)三位絶芸FineArt(中国)は実力的に拮抗しており、人外のレベルで戦いが繰り広げられたと言って良いでしょう。
AlphaGoの背中が見えた気がしますが、すでに実力を人間が測定することは難しい領域に踏み込んでしまったようで、こればかりは実際に対戦してみなければ分かりませんね。
話題に事欠かない囲碁AIですが、AIに関連した講演などのお知らせです。
8月27日(日)ドクターフォーラムにて石山洸氏と対談講演させて頂きます。
13時~18時15分まで多数の講演があり、私は15時15分~16時まで「囲碁と介護の事例から学ぶ、医療におけるAIの活用について」というテーマでの登壇です。
お医者さん限定のイベントですが、残り席わずかとなっております。
9月14日(木)日本認知科学会第34回大会@金沢大学にて特別講演「人工知能と棋士は囲碁の深淵に迫れるか」をシモン・ピエノ氏と語り合います。
当日参加も可能のようです。
9月16日(土)人工知能社会のあるべき姿を求めてー人工知能・ロボットについて語る参加型対話イベントにて話題提供させて頂きます。
日本科学未来館にて13時~対話型のワークショップで刺激的なディスカッションにかるのではないかと思います。
最近は講演や対談などの機会を多く頂いています。
6月14日に行われた、経団連21世紀政策研究所主催の座談会では羽生先生、王銘琬先生、國吉康夫氏、中島秀之氏、松尾豊氏、作家の瀬名秀明氏という錚々たる方々ともお話できました。
AIが台頭する昨今、何か特定の分野に特化したAIは、お金をかければ作れるようになってきています。
多業種の方々とコミュニケーションを取ることで、人間にしか出来ないことが見つかるのではないかと、囲碁AIの碁を見ながら痛感する毎日です。
その映画は人類とは世界を認識する方法が異なるエイリアンとのコミュニケーションを描いたものです。
すなわち、人類は時間軸にそって、時間の流れという逐次的な手続きでしか世界を認識できないのに対し、
エイリアンは時間の流れに囚われず、過去・現在・未来を区別せず包括的に世界を認識できます。
実はこのような認識論的な齟齬のある知性とのコミュニケーションが、
囲碁棋士と囲碁AIとの間にもあるのではないでしょうか。
くだんの映画と同じように、
棋士は囲碁というゲーム世界を手の流れという、逐次的なやり方で囲碁を認識していますが、
AIはどうもそうではないようです。
映画はもちろんフィクションですが、
囲碁棋士は現実にMasterやZenがどういう意図で手を指しているのか解明したい、
つまりはAIとのコミュニケーションを図ろうとしています。
AIの登場により、認識論的齟齬のある知性とのコミュニケーションという人類史上画期的な命題の最前線に囲碁棋士はいると言っても過言ではないと思います。