回顧
わが尊師・故内山老師のお言葉から ・・・
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この 「 死を怖れる 」 ということは
なにも今
癌だと告知され はじめて問題とすべきことではありません。
実は われわれ人間 動物として
いつも死を回避し生きようとする本能をもっているわけですが
それに反し 他方一切の生あるものは
遅かれ早かれ 誰でも死なねばならぬことに運命付けられているのですから
一体これをどう受け取るべきか
誰でも彼でもみな決着しておかなければならない問題です。
それなのに
「 死を怖れる 」 ことを自己の問題として取り上げたこともなく
口を開けばいつも
金 金 金というだけで 浮かれている今の世の中は
まさに 「 生存呆け 」 ・・・ という一語に尽きます。
今あなたは せっかく癌に病まれて
自分の死を真正面から問題として取り上げたのですから
これを ・・・ ただ怖れるだけでなく
むしろ これを機会に 積極的に本当の自己のいのちをみつめ
明らめ 深めていく契機とされることをお勧め致します。
大体 死ぬとは
このように 「 死ぬのは怖い 」
「 何とか生きていたい 」
「 今は死んでも死に切れない 」 などという思いそのものが
・・・ 死んでいく時なのです。
「 生はよし 死はわるし 」 と分別するコンピューター的判断そのものが
・・・ 絶する時です。
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