子供の頃海から数十キロも登った水の冷たい小川に、夕方釣り針にえさを付けて小川に漬けておき、朝早く引き上げに行くと何匹かは針にかかつている。それが楽しくて、よく針を漬けに行った、朝あまり小さいウナギが掛かっているとがっかりしたものだが、今思うとあの小さな身で何千キロの旅をして私たちの命を支えてくれた事に改めて感謝したい。
ウナギの生態には、分かっていないことが多いらしい。天然の卵や産卵中の親ウナギは、まだ確認されていない。東大海洋研究所が昨年、日本ウナギの産卵場を日本の南二千キロにあるスルガ海山とほぼ特定し、注目された。そこから海流に乗り、日本までやってくる
日本では古くから食用とされ、江戸時代に、蒲焼き料理が始まって、有名になった。明治初期の県内の新聞にもウナギ料理専門店が紹介され、人気だつたとある。そんなウナギが今後は口に入りにくくなりそうだ。
「欧州連合」農漁業相理事会で、ヨーロッパウナギの稚魚(シラス)の漁獲量を2013年までに六割減らす規制策が決まった。ヨーロッパウナギとはいうものの、中国にシラスが輸出され、そこで養殖して、蒲焼き状態で日本に出荷される。これが日本ウナギの半分以上をしめる。
ウナギ料理は欧州などでも人気が上昇。乱獲が進み、ここ20年で個体数が2%にまで激滅した。マグロの漁獲消滅に加え今度はウナギ。魚中心の日本食がブームとなり、世界で水産資源を奪い合う状態、ところが2006年度水産白書によると、日本の漁業は衰退し、食卓では、魚離れが止まらない。家庭の魚購入量は近く肉類と逆転しそう、