07年現在世界人口約66億、その半数が都市に集中し、発展途上国を中心に都市人口の急増が予想されるのに、各国に備えは不十分だと警告する2007年版世界人口白書を、国連人口基金(ニューヨーク)が27日発表した。これまで農村が主体だった世界の居住バターンが大きく転換することになる。
国連人口基金によると、08年には世界人口のほぼ半数の約33億人が都市居住者となり、その後も都市人口は増大30年にはやく49億人に膨らみ、うち80%はアジア、アフリカなどの途上国に集中するとしている。無秩序な都市化が各地でスラムの拡大や治安悪化、
環境破壊などを招いたため、都市化は主に「脅威」と受け止められてきた。これに対し白書は゜「都市化は不可避であり、利点を生かすべきだ」と肯定的な見方を強く打ち出したのが特徴で、負の影響を軽滅する対策を、各国が今から取るべきだと訴えている。白書によると、07年の世界人口は約66億千5百9十万人。
昨年より約7千5百6十万人増えた。都市化のブラス面として白書は、女性の教育や雇用機会の多さ、保健サービスの受けやすさなどをあげた。だが問題は都市化の急激さ。20世紀は2億2千万人の都市人口が28億4千万人になるのに百年かかったが、今世紀は約40年で同数の増加が起きる。
白書は都市化のスピードを抑えることが重要だとしつつ、人口増しの主な原因は農村からの流入りではなく、都市の貧困層の出産が多いことだと分析。このため安易に取られがちな移住禁止作の効果は薄く、貧困層への宅地や避妊具など家族計画手段の提供が、実は最も有効な対策だと強調している。