走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

アスリートのメンタルヘルス

2021年07月29日 | 仕事

女子体操選手のシモーン バイルス選手のチーム選手権の突然の棄権についてどう思いますか?


棄権後もなおインタビューに答え、記者会見にも出てきちんと自分の気持ちやメンタルヘルスの重要さを話すことができる。なんと強い人なんだ!と感動しました。そして彼女の言動に世界中のアスリート、そして不安症に苦しむ人に勇気を与えたことか。そして不安症についての世の考え方に大きな影響を与える言葉だったか、と思う。


精神科系の疾患はタブーで忌み嫌われ、疾病者は治療を受けたがらない、治療を受けなければ悪化する悪循環が起こっていた。他の疾患のように口に出して良いことなんだ、の理解が広まることが第一歩。治療者として彼女へ言いたい、ありがとう。


プレッシャーに押しつぶされそうになる。芸術家、作家、スポーツ選手、会社経営者に多く聞かれる言葉だ。


リオオリンッピクで複数のメダルを獲得し、今回も同様を期待されているカナダ水泳選手のペニー選手も同じことを言っていた。オリンピックメダリストと紹介されるのが嫌で、、どう今回の大会に臨むか悩んだと。アメリカのフィリップ マイケルに連絡をして話をして、自分の気持ちを整えてきた、と話していた。


ストレスが長くかかりすぎると慢性的なストレスに対して体が反応していく(身体症状が出てくる)。それに早く気づき、必要な治療を始める。対策を立てる。とても大切なことだ。バイルス選手はそれに気づいて大会中であろうと棄権を決意した。


セルフケア。


第一線のアスリートであっても私たちと同じ。時間をかけて回復して欲しいと思う。



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