
2月16日に行われたJANAのシンポジウムの感想シリーズです。
その1 たかが言葉されど言葉
その2 患者が最も興味を持つのは
その3 興味のない人に理解してもらう難しさ
その4 スタンダードやレギュレーションの必要性
その5 サクセスストーリーを重ねていく
その6 学歴に見合った給与と雇用環境で本領発揮を
その7 大学教育の限界
その8 技術だけの教育
その9 医師の業務の多さ
その10 特定行為とAPN
その11 安全性
その12 複雑性が招く弊害
その13 病院中心の医療
長いシリーズでした。毎回思うのですが、計画や事業と言うものは、問題解析、介入/計画、結果、そして考察(次の策を練ること)のくりかえしです。これがなくてはものごとは前に進まないと思います。私が日本のNP構想やAPN教育に首を突っ込み出して7年となりましたが、この計画というものを聞いたことは一度もありません。
耳に入ってくるものは、今回のようなシンポジウム、3団体会議、推進委員会、、、で折り合いがなかなかつかない会議の状況。それなのに、それぞれが信じる形の診療看護師(NP)、JANPU-NP、大学院卒の特定行為看護師、そしてCNSと続々と輩出している状況。そのような中でこのシンポジウムはどんな目的で誰の為に開催されているのでしょうか?NPやAPNを推進したいという気持ちだけが先走りしているが、誰も運転席には座りたくないと言っているような印象を受けます。
計画を立てたくても、国家資格がないし、合意を得られず、、、の言い訳もあるでしょう。それならば合意を得るための計画を立ててはいかがでしょうか?合意に至らない状況分析から始めてはいかがですか?下調べもない会議やシンポジウムを何度開いても、合意に至らないし厚労省という大きな壁をよじ登る(崩す)ことはできないでしょう。
私が心を痛めるのは、こんな混沌とした状況なのに、APNは輩出され続けている。そしてその人たちが現場で難渋していることです。上手くいかないのは個人のせいではなくて、必要な教育を作る(サバイバルできるだけのツールを修得せず、技術的なことを学んで卒業する)こともできない、卒後のキーとなるレギュレーションもない、職能団体が効果的に機能していないシステムなのに新職種を作って満足している団体の存在です。
現存のパイプを壊すことができれば良いのに、と私は思います。その7で書いたように、大学教育の限界を認めるべきです。厚労省と文科省の看護教育の二層システムも廃止へ。教育者より現場の実践家が職能団体を形成しましょう。会議へ出席しましょう。声をあげましょう。
声をあげるで思い出した。このシンポジウムのQAが参加者と共有されていないことも解せませんでした。このような機会こそ、現場の声を吸い上げて本当のディスカッションのできる良いチャンスです。このようなことも現場にいるAPNのエンパワメントに繋がると思います。それこそ第一歩となるでしょう。
シリーズ終わり
冒頭写真: 仕事を終えて空港へ直行。おでかけです。