日航機の接触炎上について報道しているのは日本のメディアだけではなく、海外も。その差と海外のエキスパートからの懸念の声を聞き、全く学べない日本に落胆する。
事故後48時間以内に原因の可能性が発表される。
警察が業務上過失致死で捜査を開始する予定。
この2点は欧米では起こらない。以前も書いてきたが改めて書きたい。
航空機事故の原因は複数の原因が折り重なって起こるケースが殆ど。それには人間のミスも含まれる。
日本では「ミスを犯してはならない」がしきたりで社会から期待されることですが、航空業界は「人間はミスを犯してしまうことが前提」で、そのミスを防ぐためのシステム構築に重きをおく。事故が起きた時はその原因を追求して、さらに安全なシステム作りのための改善に利用する。そして刑事責任は追及されない。よって警察が捜査を開始したりしない。
警察が動くことによる害は事実が隠蔽される(刑罰を受けるのは避けたいこと)可能性が上がり、事実がわからなければシステム改善は行われない。つまり防げるはずのシステム構築が阻害される。
それに警察は航空業界のエキスパートではない。プロの概念、システムがない日本で起こる特殊な現象。それは業務上過失致死がハイレベルなプロ集団に属する職業人に行使される。
ではこんな大事故の場合、何が起こるのか?
原因追及調査は様々な角度で行われて、それを総合して判断が行われる。よって原因の報告書が作成されるまでには1ヶ月とかそれ以上かかることも。
被害者の方への感情とこの作業は別に扱われる。とにかく2度とこのような事故を起こさないことに矛先は向いている。
日本はこのプロセスがすっぽ抜けて、悪者を作り上げて血祭りにあげてお終い。だから余計真実を話さない人が増え、安全なシステムは構築されない。何故日本はこのポイントがわからないのだろうか?
海外のエキスパートは警察が動くことに対して懸念を示している。プロの自律が確立されている国からすると理解できない、害がある行動にしか思えないから。
今回はエアバスのフランス。エンジンのロールスロイスのイギリス。小型機が作られたカナダも事故調査に独自に入っている。日本による調査だけではないので、それはせめてもの救いだと思う。日本流の自己処理が許されませんから。
航空業界だけではなく、医療界も学んでくださいませ。自分がプロだと思うのなら。
冒頭写真: あー楽しかったスキー旅行。末娘を大学の寮まで送ってロッキー山脈を越えてBC州へ戻ります。