走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

看護師が職場で逮捕されたニュース

2017年09月04日 | 仕事
先日ユタ州の看護師さんが職場で一時逮捕されたニュースをご存知ですか?

この看護師さんは看護師の職務であるアドボカシー(患者の代弁者、患者を守る)と言う職務を全うして逮捕されました。もちろんこれは警察側に落ち度があり、彼女は釈放、警察側は謝罪となり、職務を全うした彼女をたたえ病院も看護協会も、これからも患者のアドボカシーを続けていくことを声明しました。

で、このケースは、、、
患者は交通事故で意識不明の重症の状態で運ばれる。警察側は飲酒運転が関係していないか明確にするために血液検査を求めました。この看護師はそれを拒否したというわけです。

私も治療上薬物テストを頻回に行います。これは治療上必要な医療情報集のためで法的に使用するためではありません。薬物使用が判明しても司法への報告義務もありません。

救急で働くと法律をよく知らない警察から、患者の様子を知りたいとか、血液検査の結果を知りたいと電話が入る事があります。患者の個人的情報なので答える義務はありません。答えてしまうと守秘義務違反で罰せられてしまいます。司法側が情報を必要とする場合は法的手段(裁判所からの命令)をとって、病院側の法的窓口を通して行わなければなりません。一警官が電話で司法情報を集めることはあり得ないし、ましてや救急で指示を出す事もありません。

司法ばかりではありません。家族や友人、同僚から患者の病状を聞かれた場合も軽々しく答えてはなりません。心配している、、、と言う心情はわかりますが、本人の許可なくして情報を提供する事は守秘義務違反となります。病気になったから、余命が長くないからと急に自分の情報が公のものになるって恐ろしい社会だと思いませんか?



湖のビーチは賑わっています。

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