走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

何が原因?

2017年11月18日 | 仕事
問診って簡単?それとも難しい?診断の95%が問診で決まるのだから重要でスキルが必要とされる。

慢性の腰痛で毎月受診の彼女。3年前は高容量の処方麻薬に頼っていました。少しずつ減量し以前の1/4まで減量しました。

で、今月はどうですか?と聞くと痛くて痛くて眠れない夜が続く、と言う。???先月は減量していない。何か他の因子が影響しているかそれとも腰の病態の変化か?

何が影響していたと思いますか?

何とベッド。

彼女は貧困層で毎月ギリギリの生活をしています。ベッドが古くなっても新しいものが買えず、母親から譲り受けたリクライニング チェアー (1人用のソファーが飛行機や長距離バスの座席ののようにベッドに近い形になる)で眠っていた。それがついに壊れてしまい、リビングの古いソファーでこの1ヶ月眠っていると。

彼女に必要なのは痛み止めの増量ではなく寝心地よいベッド。もちろんベッドの事をすぐ話してくれたわけではありません。他を全部問診しても、身体所見からも腰痛が悪化したと思えるものが見つからず、掘り下げてみたらわかりました。

こんな驚き発見があるからやめられませんこの仕事。



金の鉱山。4年で閉鉱山となった。


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