シリーズ6日目
弁護士のプレゼンから看護協会からのプレゼン、そして現場からのリポートとして3人のプレゼンがありました。
今回の意見交換会では三団体協議としての発表、今まで誰も口にしなかった絶対的医行為と看護師の診療の補助についての発表。よって間違えのない入念な準備が重要だと思います。英語ではfine-tooth comb と言い細部までに目を配りリサーチを含む事前準備をしてメッセージの一貫性を狙います。そうしなければ新しいコンセプトを売込むような機会では誤解を招き失敗するからです。
で、この視点で今回の意見交換会を評価すると、不合格をつけなければなりません。昨日書いたようにタイムリー理論ではNP(仮称)の必要性に説得性を欠けていました。そして追い討ちをかけるように現場からのリポートです。ここでもまた出てきたのが訪問看護師と医師のコミニュケーション問題です。
「現場からのレポートの講演ですが、NPが必要と言うよりも看護師と医師のコミュニケーション方法に問題があるように感じました。これはNPを作っても解消されません。よってNP(仮称)導入の理由に使うと説得力が低下すると思います。」
「日本は在宅医療の後発国なので仕方ないかもしれませんが、在宅領域のストラクチャーや業務内容のストリーム化がされておらず、効率化が難しく、事業所数も少ないのが問題であって、これもまたNP(仮称)を作ったから解決する問題ではないと思います。」
「野口さんの講演で、NP(仮称)に訪問看護師のロールモデルになってほしい、とありましたが、私が働くカナダでは看護師とNPは違う次元のプラクティスのため、NPが看護師のロールモデルにはなりません。こう言う発言が誤解を招くのではないでしょうか?確かに日本の看護師教育は見直しの時期に来ていると思います。医療の高度化に伴い解剖生理、病態生理の知識は重要ですが、NPが行う臨床推論は診断と治療をするために不可欠なもので、看護師がするものではありません。つまり絶対的医行為をするものにとって必要なもので相対的医行為には必要ないのです。そして看護師のロールモデルはあくまで看護師です。この辺りもよく明確化された方が良いのではないでしょうか?そしてやはり看護師のスコープも明確化する必要があると思います。」
3つのリポートは今の日本の看護師の問題の発表であり、NP(仮称)の必要性の説得性に欠けるものでした。その上レポートのおかげで現在の診療看護師とNP(仮称)の違いが、かえってわからなくった人は多いはず。今回の意見交換会(と名前がついていても短時間の質疑応答以外は一方的な情報提供)に参加して、方向性は良いと思いました。しかし会を行った意味に消化不良の感が残ります。
看護協会の目的はなんだったのか?
ONE VOICE 看護師全体の総意としてのNP(仮称)と言う言葉も聞きました。以前は三団体の総意を得ることが出来なかった。だから生まれた特定行為。2019年にようやく三団体が協働することが決まり、2020年、夏の発表。そして今回。今までバラバラだった三団体がまとまったから、その声明?活動内容の中間報告?それとも現在の診療看護師への警告?
んんんんんん、わからない。
もう一つ
「全体を通して、病院業務に特化していた特定行為とは対照的に在宅医療へシフトした構想と理解しました。あまりの振り子の大きさに少し危惧を感じます。NPを必要とされるエリアや分野は世界的にも様々(同じ国や地域の中でも)なのであまり的を絞り過ぎると応用が効かない結果を招くことになると思います。感想です。」
どうぞ、三団体は私が理解できない、とても大きなビジョンと計画を持っている上で今回の意見交換会に至った、と思いたい。そうでなければ迷走はこれからも続き、今回の発表で活動制限がかかった診療看護師によって今よりややこしい状況になるのは目に見えていますから。是非リーダーシップを見せてONE VOICE を実現し、患者のための医療形成に活躍できる看護師界を牽引してもらいたいと思います。
シリーズ終わり。
弁護士のプレゼンから看護協会からのプレゼン、そして現場からのリポートとして3人のプレゼンがありました。
今回の意見交換会では三団体協議としての発表、今まで誰も口にしなかった絶対的医行為と看護師の診療の補助についての発表。よって間違えのない入念な準備が重要だと思います。英語ではfine-tooth comb と言い細部までに目を配りリサーチを含む事前準備をしてメッセージの一貫性を狙います。そうしなければ新しいコンセプトを売込むような機会では誤解を招き失敗するからです。
で、この視点で今回の意見交換会を評価すると、不合格をつけなければなりません。昨日書いたようにタイムリー理論ではNP(仮称)の必要性に説得性を欠けていました。そして追い討ちをかけるように現場からのリポートです。ここでもまた出てきたのが訪問看護師と医師のコミニュケーション問題です。
「現場からのレポートの講演ですが、NPが必要と言うよりも看護師と医師のコミュニケーション方法に問題があるように感じました。これはNPを作っても解消されません。よってNP(仮称)導入の理由に使うと説得力が低下すると思います。」
「日本は在宅医療の後発国なので仕方ないかもしれませんが、在宅領域のストラクチャーや業務内容のストリーム化がされておらず、効率化が難しく、事業所数も少ないのが問題であって、これもまたNP(仮称)を作ったから解決する問題ではないと思います。」
「野口さんの講演で、NP(仮称)に訪問看護師のロールモデルになってほしい、とありましたが、私が働くカナダでは看護師とNPは違う次元のプラクティスのため、NPが看護師のロールモデルにはなりません。こう言う発言が誤解を招くのではないでしょうか?確かに日本の看護師教育は見直しの時期に来ていると思います。医療の高度化に伴い解剖生理、病態生理の知識は重要ですが、NPが行う臨床推論は診断と治療をするために不可欠なもので、看護師がするものではありません。つまり絶対的医行為をするものにとって必要なもので相対的医行為には必要ないのです。そして看護師のロールモデルはあくまで看護師です。この辺りもよく明確化された方が良いのではないでしょうか?そしてやはり看護師のスコープも明確化する必要があると思います。」
3つのリポートは今の日本の看護師の問題の発表であり、NP(仮称)の必要性の説得性に欠けるものでした。その上レポートのおかげで現在の診療看護師とNP(仮称)の違いが、かえってわからなくった人は多いはず。今回の意見交換会(と名前がついていても短時間の質疑応答以外は一方的な情報提供)に参加して、方向性は良いと思いました。しかし会を行った意味に消化不良の感が残ります。
看護協会の目的はなんだったのか?
ONE VOICE 看護師全体の総意としてのNP(仮称)と言う言葉も聞きました。以前は三団体の総意を得ることが出来なかった。だから生まれた特定行為。2019年にようやく三団体が協働することが決まり、2020年、夏の発表。そして今回。今までバラバラだった三団体がまとまったから、その声明?活動内容の中間報告?それとも現在の診療看護師への警告?
んんんんんん、わからない。
もう一つ
「全体を通して、病院業務に特化していた特定行為とは対照的に在宅医療へシフトした構想と理解しました。あまりの振り子の大きさに少し危惧を感じます。NPを必要とされるエリアや分野は世界的にも様々(同じ国や地域の中でも)なのであまり的を絞り過ぎると応用が効かない結果を招くことになると思います。感想です。」
どうぞ、三団体は私が理解できない、とても大きなビジョンと計画を持っている上で今回の意見交換会に至った、と思いたい。そうでなければ迷走はこれからも続き、今回の発表で活動制限がかかった診療看護師によって今よりややこしい状況になるのは目に見えていますから。是非リーダーシップを見せてONE VOICE を実現し、患者のための医療形成に活躍できる看護師界を牽引してもらいたいと思います。
シリーズ終わり。