走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

検診

2015年05月22日 | 仕事
日本では人間ドッグがあるのにカナダではないとよく聞く。
はい、ありません。その代わりガイドラインはしっかり作られているので患者が希望すれば必要な検査を受けることはできます。

ガンのスクリーニング プログラム(家族歴が高くない一般人)を例にすると
子宮頸がん (初めての性行為から3年後か21歳)からの定期的検診
乳がん40歳以上の女性
大腸ガン男女共50歳以上が勧められています。

家族歴があるなどハイリスクの人たちの糖尿病や高血圧のスクリーニングは40歳以上。

他にもいろいろあります。

なぜ頭部や腹部のCTを定期的にしないか?
それは利益と損益のバランスです。
ガンが発見される確率とCTによる放射能の影響を天秤にかけると、損益の方が大きいから。
なぜ定期的に前立腺癌の血液検査をしないか?
誤診の確率(マーカーが高くても細胞診がネガティブ)が高く、検査や手術の副作用と前立腺癌による死亡率を天秤にかけた時、損益の方が大きいから。症状がある場合のみに検査する、もしくは一回だけの結果だけではなくマーカーのトレンドを考慮し細胞診に進む。
最近は乳がんの触診による自己検診や医療者による触診もエビデンスがない(有益性が低い)とガイドラインから外され、40代の乳がん検診の有益率も討論中。今のスタンスは患者にインフォームドコンセントをした上で、、、となっている。

と検診もエビデンスに支えられ日々変化している。なので定期的にかかりつけの医療者にかかるようにしましょう。


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