走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

依存とメンタルヘルス

2016年09月25日 | 仕事
アルコール依存がある人の半分ぐらいに双極性障害があり、大鬱病性障害は10ー14%だと知った。

薬物依存がある人の精神病の診断は非常に難しい。薬物によって誘発された症状なのかそれとももともとあったからなのか?知らないうちに違法薬物で自己治療している人もいる。長い間症状に苦しみ、お酒だけが、覚せい剤だけが症状を和らげるから、、、という事もよく耳にする。毎回鶏と卵のどっちが先か?と考えさせられる。

正確な双極性障害の診断には家族歴を全く知らなければ、10年ぐらいかかるそうだ。それぐらい鑑別診断が難しい病気だとか。目から鱗のカンファレンスのプレゼンだった。

双極性障害には2つ型がある。はっきりとした、鬱とマニック(エネルギーに溢れ、どんな難しい事もこなしてしまえそうな活動的な期間、もしくはイライラが激しく怒りっぽい期間)の2極が出ている人は1型。人生で一度は軽いマニックな時があったけどそれ以降は主に鬱が主症状の人は2型と言う。双極性障害の2型と大鬱病性障害の鑑別は難しい。

アルコール依存がある人でやめられない人は大勢いる。薬物の性質上、アルコール依存がある人はうつ症状がある人がほとんどだ。単発の抗うつ剤でうまく治療できない、もしくはアルコールに依存して戻ってこない人もいる。これからは双極性障害を見逃していないか?鑑別診断に必ず入れるようにしようと思った。充実したカンファレンスの2日間だった。


秋晴れの清々しい日でした。会場近くのバンクーバーアートギャラリーとバンクーバーホテル。

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