走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

短絡的な考え

2021年04月26日 | 仕事
最近取り掛かっていた事。シンポジウムのビデオの編集です。5月には発売できるようになれるかな〜と作業を進めています。楽しみに待っていてくださいね。

で、その編集中に忘れていた事を思い出したので、追加の意見を。

パネルディスカッションの最後のFire up Questionsで出てきた質問。

大学の教授に臨床経験を義務化させるべきか?

ひええええええええー海外では出てこないだろうの質問。しかしこの質問が出てくる理由はわかる気がする。それは日本でよく聞く「臨床と教育現場のずれ」。それを治すためにはこの解決策だと思う人がいるからでしょう。しかし何とも職業訓練校的発想、、、、。

私の意見は「反対」。だって大学という場所は学問を探求する場所。看護学を技術だけで語るのには大反対の私だから。大学教授は研究家でありスカラーと呼ばれる人たち。世界レベルの最先端の看護の研究に精通し、更なる研究を進め、世界の舞台で発表し看護学を発展させていく人。

え?日本の大学では研究費も微々たるもので、研究する時間もなく、生徒を教える事に奔走している状態?看護学に限らず日本の学問軽視の発想は今の日本(世界から色々な面で置いてけぼりをされている)の諸悪の根源。よって、政府と国民の理解が得れるように他の分野のスカラーと共に継続的に働きかけていくことが重要だと思います。

で、臨床と現場のズレについてAPNの視点から私もシンポジウムの講演の中で少し触れました。

以前に書いたズレについての広義の記事は

看護師の不断の努力
勘違いされた???

そしてズレを語る時忘れてはならないのが
変な宗教かと思える言葉
炎上

つまり看護の教育者として不適格な人たちが今もその地位にいることが大きな影響を与えているのです。狭い視野、昔に固執し、看護理論を臨床と繋がるように教える事の出来ない人たちです。年功序列、終身雇用で作られた社会。教育の現場も???なんて悲しい現実でしょうか?

日本人は目先の事に対する短絡的な反応はできても、問題の分析が苦手なのですか?先の質問はまさに前者を表していて、後者を無視した考え。そんな質問を出した方も教育の立場を(大学でも臨床でも管理者でも)去る事を考えられた方がよろしいと思いますよ。

おまけ 
カナダの看護実習

冒頭写真: ご近所さんの林檎の花


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