走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

深刻な状況

2021年04月27日 | 仕事
ラジオから流れてくるニュースは日に日に深刻さを増しています。オンタリオ州では軍の援軍が急性期病院へ入るようになりました。他の州でも感染率が上昇し、次々に規制を強めています。BC州では初めてのコロナによる医療職の死亡者がありました。急性期病院で働く看護師でした。

そしてオンタリオ州では13歳の少女が亡くなりました。その地区の陽性率は22%。いわゆるホットスポットと呼ばれている地域です。4人家族の長女。母親はコロナで入院。ワクチンを既に受けた父親が子供たちの世話をしていました。咳、高熱、症状の悪化のスピードが早かった事。父親は妻が入院している病院は既に満床で娘はきっと遠い場所の病院へ入院させられると思い、それが嫌で躊躇っていたとか。自宅で呼吸停止の状態で見つかり心肺蘇生の甲斐なく病院で死亡。コロナ陽性でした。

心が締めつけられるような状況です。感染率の高い地域では若年層の死亡が多くなるのも特徴と言われています。

今オンタリオ州ではホットスポットに重点を置いたワクチンキャンペーンを始めています。とにかく感染を抑えなければ負のスパイラルへ落ち込んでいく。ワクチン、マスク、ソーシャルディスタンスがそれを成し遂げてくれるのです。明日は我身のカナダの全州。ワクチンの輸入がまたもや滞っているようです。

イスラエル、イギリス、アメリカとワクチンキャンペーンの結果が目に見えている国を他所目に、そのワクチンが予定通り入荷しない事で足踏みをくらっている上に、この状況になっても感染性が理解できずソーシャルディスタンスが守れない人の存在で増え続ける感染。

少女の死にカナダの現状の深刻さを理解してくれる人はどれぐらいいるのでしょうか?

冒頭写真: 週末の地元の映画撮影の様子。爆発シーンでしょうね。ヘリコプターがあった日もありました。







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