走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

刻々と変わる

2020年03月17日 | 仕事
先週COVID19疑いが主訴の患者の診察をしました。と言っても電話でした。

なぜ電話だったかと言うと、この患者は前日に救急室で診察をしてもらっていたからです。先週から私の診療所では風邪症状のある人は待合室には入れません。自分の車の中で待つ(駐車場)という事です。MOA(メディカル オフィス アシスタント)は既に防護服を私のために用意してくれていました。しかし私は患者の携帯電話に電話を入れ、駐車場の車の中で待っている患者に電話をしました。診察が必要かどうかまずは問診を。問診は電話でもできます。救急室で診察を受けてから症状に変化がないし、むしろ軽快傾向なので身体所見も検体採取もしない事に決めました。患者は家族が不安がっているので検査をして欲しいと言います。しかし州の検査採取のガイドラインには当てはまらないし、検査をしたとしても自宅隔離は変わらない。つまり検査をしてもしなくても(検査結果が陽性でも陰性でも)自宅隔離は変わらないので、検査はしない、と言うと理論になるのです。念のためサポートの医師とも相談しましたが、彼も賛成してくれました。患者には丁寧に説明し、わかってもらえました。自宅隔離の方法について書かれているサイトも紹介しました。

週が明けて、今週から不必要な診察は避けるように通達が出ました。電話診察や、承諾書にサインをしてアクセスがある人はビデオ診察となりました(ビデオなどのデジタル通信はハッキングされ、個人情報が漏れる可能性があるので、承諾書が必要)。不必要な外出を防ぐためです。さらに新しい検体採取の対象者のガイドラインも出ました。刻々と医療システムも変わっていっています。私がとった行動はトレンドの先取りだったようです(蛇足)。

本日は自宅隔離している首相から国境の閉鎖のアナウンスもありました。現在海外にいるカナダ人へのサポートについても発表がありました。株価の暴落も起こりました。そして明後日から行く予定だったスキー旅行先のリゾートも閉山が決まりました(カナダ中のスキー場の閉鎖)。楽しみにしていた春スキーが中止となりショックは隠せませんが、踏ん張り時ですから仕方のない事。職場も緊急事態対応で休暇キャンセルになる可能性も高いし、諦めましょう(心の中で泣く私)。

皆さんも不必要な外出を避け、手洗いを励行し、パニックを起こさず、乗り越えていきましょう。






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