危険を承知の上で

男性が性交中にクライマックスに達しなかったり勃起が継続できなくなったりする事があります。

理由は色々。そもそも勃起とは末梢神経からの刺激、目や匂い、音など感覚器官からの刺激。それらが脳と言う中枢神経に伝わり、性器への循環が増加し勃起が始まります。そしてそれが継続しクライマックスへ。

なので神経や循環系統に障害があると性交に障害が出てくるのです。代表的なのは喫煙。タバコは血液循環を悪くし血管内へも影響を与えます。なので抹消の血管は徐々にダメージを受けます。糖尿病も。糖尿病は血流系統への影響、慢性的な組織への栄養不足は末梢神経を殺してしまいます。もちろん循環のポンプの役目を果たしている心臓の病気。そして抹消や中枢神経に働く薬剤の影響。ざっとあげてみました。

日本でも処方されているバイアグラ。これは血流を増加させ勃起を継続させる薬です。カナダでも保険適応薬ではなく高い薬です。

私の患者層は治療薬の影響や興奮系の薬物依存で心臓肥大になるためこの種類の薬を希望する人がいます。薬価が高くても処方を求める人は大勢います。

彼もその一人。心臓の機能はたった18％しか残っていません(正常は60%以上)。その彼がバイアグラを願います。危険すぎます。使用中に突然死をする可能性もあるし、心臓の状態を悪化させるのは必須です。

長い説明をしました。しかし彼の気持ちは変わりません。なので一筆書いてもらいました。リスクを理解した上でQOLのため服用することを。それだけではなく州の心肺蘇生拒否の書類にもサインをしてもらいました。

Live at risk

危険を承知で、あえてその行為を行うのも自由の権利に基づいています。って言うのは簡単なんだよな〜


デスバレー国立公園北部にある火山口。