走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

お助けマン

2021年05月18日 | 仕事
シリーズ4日目。最終回。

この新人NPについてもう一つした事。それはリードへのEメール。リードに対して彼女の職場環境をどうにかしろ!と言う要望ではない。私からのオファー。7月と8月に週1日のペースで応援に行けると言うオファー。

コロナ禍で多くのホームレスの人々に一時的な「家」が与えられた。詳しいことは明日に書きます。そのおかげで私の仕事は「暇」になりつつある。屋外でストレスの高い生活を送らなくてよい人々は通年に比べて健康という現れなのだ。特にホームレスシェルターは閑古鳥で、そのシェルターでの診察を週に1.25日割いているけど、患者数はとても少ない。そして週に0.5日を割いている高校のクリニックは夏休み。例年なら、冬の超過勤務時間をここで消化するのだが、それも全く必要ない。よって、週に1日この新人NPクリニックへ応援に行っても私の患者が困るわけではない。

問題は彼女のプログラムと私のプログラムは違う事。同じ雇用主なのにプログラム毎に予算が組まれているので、プログラムを跨ぐことをとても嫌う雇用主。よって色々なところで許可をもらわなければならない。時間もかかるだろうから、早めにリードにEメールを送ったのだ。

わざわざ忙しい状況に身を置くなんてバカだよね〜と自分の馬鹿さ加減に呆れるけれど、困っている人を見るとお助けマン根性が湧き出る。それに暇すぎると自分のスキルに錆が出てしまうような感覚がある、この一年。このままズルズルいきたくないのも理由。リードに好印象を与えるのも間違いなし。そんな邪な理由もありか?!確かに速攻で賞賛のメールが返ってきた。

コロナの状況はワクチン接種率の向上により改善しつつある。ホームレスに家を与える特別予算がこのままいつまで続くかもわからない。私の仕事が通常に戻る可能性だってある。その場合はその時点で元に戻れば良い、と安全策もある。

このようにあれやこれや策を考えられるのも、自分の職場環境をずっと数字化してきたおかげ。過去のデータがあるから未来を予測でき、新しい企画を加えることも引くこともできる。数字は偉大だ、と改めて思うのであった。

シリーズ終わり。


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