走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

無知と度胸

2022年09月30日 | 仕事
知らない、とはある種の強みだな、と思うことがある。

目の感染で方目を失った彼。良い年の方ですが、知的障害があるので高齢の母親は気が気ではありません。

息子が眼球を洗わない、と受診に来ます。

ガラスの目玉なんでしょ。ちゃんと毎日取り出して洗わないといけないでしょ?しないのよ、この子は身の回りのことができないから。目を覗いてみたら糸みたいなものがあったから引っこ抜いたのよ、とお母様は言います。


ええええええええ!この人は映画に出てくるようなカラスの目玉はない。確かに水晶体がある部分はなくしましたが、摘出とインプラントをしているので、眼球そのものは残っている。いわゆる外見の目玉がないだけ。

糸を引っこ抜いたって、、、おそらく手術用の糸。術後2ヶ月が経っているし、まあ、溶ける糸だろうから良いけど。

まさか手を突っ込んでガラス玉を探したんじゃないでしょうね、、、。思い込みと無知と度胸というか。凄すぎる。ワオ。




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