走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

遺伝子薬学

2022年09月29日 | 仕事
遺伝子薬学をご存知ですか?

遺伝子検査によるテーラーメイドの治療薬と言ったらわかりやすい?

世界中の会社が取組でいますが、コンセンサスはまだありません。検査も多種あり価格にも開きがあります。判断の元になるデータバンクの厚みもそれぞれです。で、先日の学会でもこの演題を聞きました。

出身国や民族である程度の目処がたたないか? の質問がありました。講演者が一言。

無理です。私たち人間は雑種ですから。会場を湧かせた。日本は世界で珍しい単民族国家。しかしヨーロッパや北米はそうはいきません。相方はノルウェー系の父親とスコットランド系の母親。継娘が遺伝子検査を受けました。ノルウェーは12%、ダッチが、、、、とどれも20%以下の割合で多民族です。

私は何と出るだろう? といつも思います。両親は島根県出身の日本人です。しかし黒髪を持たない私は幼少時から外国人と間違えられました。髪の毛も天然パーマと呼ばれるウエービーな髪質です。絶対何か混じっていると思います。

先祖検査というのですが、民族だけではなくて色々な情報が得られるものです。娘のようにアマゾンで購入して手軽に検査を受けることができます。

こちらのビデオで実際受けた日本人の雑談が見れます。


楽しそうですよね。興味湧きますよね。検査をする側はできるだけ多くのデータを集めることに躍起になっています。なんたってデータが集まれば集まるほど、解析の情報量が増えて確実性が上がりますから。


北米では未解決事件の犯人がこれで見つかったりしています。検査を受けるとき承諾書でどこまで情報を共有してよいか本人が制限できるようにはなっているそうです。

で、継娘の話。この検査のお陰で知らない遺伝子で繋がったいとこのいとこから連絡がありました。詳しい話は伏せますが、その方は父親が誰なのか知りたくて検査を受けたらしい。そしてその願いが叶ったと言うわけです。継娘が検査をしなければ、その人の願いは叶わなかったわけで。変な世の中になって来たものです。

話は戻って薬学の話。副作用を最小限に、効果を最大限にできる技術は嬉しいですが、それが一般的になるまでには医療倫理とコンセンサス。まだまだ長い道のりです。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。