走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

伝えたい気持ち

2014年12月03日 | 仕事
今の仕事をするまではホスピス緩和ケアが専門だった。ホスピス緩和時代のブログはこちらから。
ホスピス緩和ケア、カナダ編1
ホスピス緩和ケア覚書、カナダ編2

コンサルテーションチームの一員だったので、悪いニュースに関わっていた。

しかしながらコンサルタントとしては既に誰かが悪いニュース(がんの診断や化学療法が効かなくなったなど)をした後にフォローとしてはいることが多かった。ほとんどの人が防御作用で言われたことを覚えておらず、解釈できるように説明しなおしたりしてきた。なので悪いニュースを伝えるのは得意と言っても過言で無いほど慣れていた。

しかし、今回は違う。私が癌の診断をしてそれを伝えるのだ。73歳のゴードに肺癌を伝えなければならなかった。妻と嫁が一緒に来た。問診、診察を済ませ、CTの結果を話す。緊張した。初めてだったから。

そしてこれからの選択肢の説明。ゴードは昨年心筋梗塞でバイパス術をしている。入院中に双極性障害を診断された。なので治療の選択肢は狭まる可能性がある。細胞診断のあとガン専門医への紹介となるが、どんな治療を勧められるか全くわからない。しかしゴードは細胞診断をして治療選択を知りたい。それからするかしないか決めると、彼の意思は明らかだった。

うまく行ってよかった。どんな反応をされるか心配だったがクリア出来た。伝えたい熱意は必ず伝わる。これに限る。



今日も冬晴れの気持ちいい日でした。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。