走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

モチベーション

2015年03月27日 | 仕事
アンディは40代。12年間国外で過ごし成功した人生を送っていた、帰国後就職できず離婚。やけっぱちになり貯金を2ヶ月で使い切り死ぬ覚悟をしたが死ねなかった。幸い母親の家に転がり込み住む場所はあるが収入はゼロ。

アンディを鬱と診断し治療を始めた。本人はADHDだと思うから抗鬱剤ではなくADHDの治療薬をくれと言う。刺激が欲しいんだと。そんな彼を説得し鬱の治療を開始。

2種類目の抗鬱剤で彼の症状は上向きになった。しかし生きている意味がわからない、楽しみも何もないと。中学中退をしている彼にとって再就職は非常に難しい。再就職のプログラムや再教育のプログラムを勧めた。グループセラピーも勧めたし、DVDのセラピーも勧めた。ヨガも散歩も。しかし全く興味を示さない。投げやりで、早く母親が死ねばお金には困らないのにと言う。一日中インターネットの前で過ごすのが彼の日課だ。友達付き合いも近所付き合いもない。兄弟とも長い間連絡もしていない。生きているだけで何も楽しみがない、、、、その通りだと思う。そしてコカインを始めようと思うと言う。そんなことでもしないとやってられないと。

モチベーションの低さも鬱の症状だ。解っているのにブチ切れそうになった。何もしないで救世主が現れて、面白く刺激的な生活を運んでくれるのを待ってるのか!ふざけんなよ!!!!と。

深呼吸、、、、。

コカインと鬱の関係について話し、私としては勧めない。今日、薬を増量したからその結果を知りたいからまた診察に来てください。それから前に勧めたことを前向きにご検討を、、、、。忍耐忍耐。



昨日に続きアンテロープキャニオン

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