走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

犯罪は増えるか?減るか?

2018年05月20日 | 仕事
昨日の続き。

住民が反対する理由は治安が悪くなる、家の価値が下がるでした。それは本当なのでしょうか? 私が働く街に住むホームレスの数は200人と言われています。ホームレスシェルターはありますが、それは一時的な場所なので、朝になると皆出ていかなければなりません。行くところがない彼らは近所をうろつきます。しかしこの施設は自分の住処になるので追い出される事もありません。シェルターの周りにたむろするホームレスのような状況にはなる可能性は大変低いのです。

シェルターに行かないホームレスもいます。そう言う人達は外でキャンプしているわけなので、椅子が必要であれば庭から盗みます。ホームレス増加に伴いこんな犯罪が増えています。しかし、施設ができれば自分の家具があるのでよその家から盗む必要はありません。

今の街の現場は、ホームレスが野放しです。施設ができれば24時間在住のスタッフ管理下となるのです。さあ、犯罪は増えるのでしょうか?減るのでしょうか?

施設の重要性は理解できる、しかしなぜ住宅地の近くなのだ?人里離れた場所に隔離して建設してくれと言う人もいました。施設の目的は自立に向かった援助です。ある程度の期間練習を繰り返し、いつかは社会に戻るという事です。隔離された環境で自立に向かった訓練はできるのでしょうか?地域に根付いた場所で訓練する方が現実的で、効果的です。

今の候補地は街の中心地であるにも関わらず、ビジネスエリアに隣接し、住宅地は6車線道路をまたいだ向こう側という高立件です。しかし住人はそれでも近すぎる、と言います。ビジネスエリアのオーナーたちは建設に賛成しています。何故なら今の犯罪率が下がり、ビジネス周辺にウロウロする人の数が減る利点を理解しているからです。

住人もその辺を理解できるようになって欲しいと思います。


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