走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

同僚に恵まれる

2018年05月03日 | 仕事
1型の糖尿病の患者さん。すでに足の指を何本かなくしている。腎不全にもなり、腎移植も受けている。その上、最近癌が見つかり化学療法も受けている。今は白血球が低いため休薬中。

その人が足底に新しい傷ができたとやってくる。数日前に見つけたと言うがすでに親指サイズの大きさ。しかし他の身体症状はない。

すぐに創傷管理の訪問看護の外来へ紹介した。私にとっての難問は抗生物質を開始するかどうか?

糖尿病患者の抹消の傷はあっという間に悪くなる。特に足の裏は薄いので骨に感染したら厄介だ。しかし全身管理が難しい人。不必要な投薬は避けたい。念のためレントゲンと血液検査へ送った。

そしてサポートの医師に相談する。予防的な抗生剤投与をするべきかどうか?レントゲンと血液検査の結果は骨感染は疑われないし、全ての感染マーカーも陰性。なので私のとった手段にサポートの医師も同意する。

しかし2週間後、傷口はあっという間に悪化して、敗血症の症状入院へ。やはり全身状態の不安定さはあっという間に悪化に繋がる。

サポートの医師に相談をしておいて良かったー。そうでなければ自分の決めた治療計画を後悔していたと思う。自分の未熟さから患者を悪化させたと。自分の考えをバウンスすることが出来る同僚がいることに感謝。



これ椿ですよね。姉宅にいっぱい咲いていて枝を何本か分けてもらいました。

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