走るナースプラクティショナー ~診断も治療もできる資格を持ち診療所の他に診療移動車に乗って街を走り診療しています~

カナダ、BC州でメンタルヘルス、薬物依存、ホームレス、貧困層の方々を診療しています。登場人物は全て仮名です。

人間の醜さの表れ

2021年02月28日 | 仕事
コロナワクチンキャンペーンがフェイズ2に入りました。

ワクチンの効果は目に見えます。数字となって現れています。高齢者の死亡者が減り、高齢者の感染者が減り、アウトブレイクの施設の数も減っています。

しかし陽性率はジリジリと上がり、若年層の感染数もまた上昇。感染率の高い変異種のせいだと言われています。よって今まで通り、マスクや同居の家族以外の接触を行わない事を続けていかなければなりません。

で、先日の記者会見。なんとも悔しいというか、ボニー博士に心からエールを送りたい気持ちになった。

質問はマスク反対派からの攻撃は悪化しているのか改善しているのか?の質問だった。ボニー博士だけではなくどこの州でも同じことが起こっていて、お互いにサポートし合っていると話す彼女。声が震えていた。アメリカでは次々辞める人が多いとか。パブリックからの嫌がらせ、SNSを利用したアンチコメント、脅迫状、ボディーガードが必要なほどの状況は医療者の心を病む。

州総理は追って声明ビデオを流した。言論の自由を超えた嫌がらせについて。「誰もがこの一年辛いことに耐えてきた。このコロナの感染を起こしたのは公衆衛生局ではない。私は州総理として州民から苦情や要求を聞くことが仕事の一部だが、医療者である公衆衛生局のチームは医療者だ。言いたいことがあるなら私のところに来なさい!」と。気持ちがスッキリするような内容だった。

世界中で我慢を強要されているこの一年。仕事を失ったのも、収入が減ったのも、恋愛関係が上手くいかなかったのもあなただけではないのです。州民を導いて被害を最小限に食い止めている公衆衛生局に対して感謝の言葉しかない。自分しか見えていない心の狭い大人たちに潰されないでいて欲しい、と記者会見の博士を見て思ったのだった。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。