人間国宝の太夫、住太夫、嶋太夫さんが引退、源太夫さんが死亡、
切場語りだった十九太夫が不祥事で引退。
若手(といっても中堅ですが)にチャンスが巡ってきました。
「妹背山婦女庭訓」の妹山背山の段の切場といえば人間国宝か切場語りが勤めるのが普通だったのが、
四月公演ではどちらでもない千歳太夫(56歳)と呂勢太夫(50歳)が勤めることになりました。
同年代の自分はお二人に頑張ってほしい。
なぜ二人が同じ段の切場を語るのか。
一度ご覧になるとわかるのですが、
舞台の上手、下手に義太夫・三味線の舞台である「床」がしつらえられていて、
上手側に背山、下手側に妹山。
なので上手側に千歳太夫(大判事)と文字久太夫(久我之助)、三味線の藤蔵(前)と富助(後)
下手側に呂世太夫(定家)と咲甫太夫(雛鳥)、三味線の清介(前)と清治(後)
となります。
つまり二人切場語りが要るんですよね。
ちなみに購入したDVD-BOXでこの段は平成6年の国立劇場小劇場での舞台で、
背山は織太夫(この前亡くなった源太夫) 、呂太夫、清介、清治
妹山は住太夫、嶋太夫、錦弥(現錦糸)、燕三(先代の五代目)
そして「妹背山婦女庭訓」は奈良県が舞台ということで、
玉男さんと清治さんが春日大社にいらしたそうです。
まだどの日も空席がありますし、
全部観るのは辛い、というなら、当日発売の幕見席というのもあります。
一部なら三段目、二部だと四段目がお勧めです。