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チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第一番・アルゲリッチ(p)聴き比べ

2019-08-15 06:59:23 | 音楽夜話(クラシック)

チャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番は長年、コンドラシン/アルゲリッチに
お世話になっております。彼女の演奏は、3種類あり、それぞれの年代別で彼女の
年齢による弾きこみ方の違いはあるのか。
やらなきゃいいのに、聴き比べを無謀にもしてしまった(>_<)。

初録音 シャルル・デュトワ指揮・ロイヤル・フィル
アルゲリッチ(1970年)29歳時。デュトワと結婚後の録音。
音楽の主導権はデュトワに有ると見た。
指揮者権限というか、音楽はこう作るみたいなところは、
しっかり彼とバックのレーベル会社が握っているように
思える。ある意味音楽的だし、彼女の自由度は それほど
広くない。弾きこむところはさすがなのだけれど、枠の中に入っている様で、
それがいい悪いではないけれど、予定調和な演奏と言えば
言えなくもない。そう言うまとまりのある演奏。

2回目 キリル・コンドラシン指揮・バイエルン放送交響楽団
アルゲリッチ(1980年)39歳時。ライブ録音。
予めライブ録音をレコード化する予定で演奏を収録したのか、それとも
放送録音用だったのか。そのあたりはわからないけれど、残っていて良かった音源。
外国のフィリップスでは、当初、コンドラシンの追悼盤で出ていた。
1回目より自由度が増している。のびのびと弾きこんでいる感じが伝わるし、
自分がこう弾きたいという感じが、よりでているし音が生き生きしている。
必要最低限のサポートで、ピアノを自立させている。終楽章の合わせ技は神がかり的。
のぼりつめていくその先の感動。スポーツ観戦の緊張と弛緩と感動に似ている。
その意味ではJAZZのアドリブ合戦にも似ている。刹那のつばぜり合いに息を飲むみたいな。
この盤は長く聴いてるけど飽きない。

3回目  クラウディオ・アバド指揮・ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
アルゲリッチ(1994年)53歳時。ライブ録音。
オケ・指揮者とも相手にとって不足はない。留めの1枚。このころはソロ演奏をしていないから、
ある意味貴重な記録なのかもしれない。身体能力の衰えは全く感じられない。指は良く回るし
演奏もダイナミック。独特な音色とキラキラした音の粒立ち、手の付けようがない。
アバドも良く付き合ってると思う。
非の打ちどころのない演奏というか、音響的な演奏というところでは、右に出るものもいないかも。
それでも極めるというところでは、その域にあるのではないかと思うが、聴いていて感心するけど
演奏しすぎているのではないかと感じられてしまう。そこまで演奏しなくてもいいのではないかという
気が個人的にしてしまう。凄い演奏だという事はわかっていても・・・。


3枚を聴いて。やはり、個人的名盤はコンドラシン・バイエルンに軍配はあがる。長く聴いてきた
ことも含めれば致し方ない。個人的体験なので、それ以上は何とも言えないけれど。
やはり、アルゲリッチは天才肌の演奏家だという事はよくわかる。






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