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もじもじ猫日記

好きなこといっぱいと、ありふれない日常

無題

2010-12-05 10:30:42 | コトバ
月夜の遠吠えに

共鳴するピアノ弦

森のケモノだけに聴こえる周波数

それを微かにひろって落ち着かない

心の中のたった1g

そんな場所を持ってしまった不幸と喜び


仲間を探しに行こう
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無題

2010-11-07 22:48:33 | コトバ
港町の秋の夕暮れ

鳴っているのは鐘の音
啼いているのは名も無い小鳥
泣いているのは淋しい女

坂を下るバスは海に落ちていくような速度で
女は乗れやしないようだ
傾斜がきつくて上ることもできないようだ
それであんなに泣いているのか
坂の途中で立ち尽くして手放しで

どんどんと日が暮れるよ
暗くなったらますます動けやしないよ
山からは冷たい風と闇が吹き降りてくるし
海からは波が吼えてくるだろう
その泣き声よりも大声で
早く助けを呼びなさい

私は助けを呼べないままで
目の前に急停車した夜を走るバスに
行く先も確かめず乗り込んだの
そうしたら
運転手のいないバスは
人の目には映って消えて
幽霊船のように夜の港町を彷徨い走り続けるバスでした

今や行方不明人として口の端にものぼらなくなりました

そこで泣いている女
早く助けを呼びなさい
港町のあやかしに からめとられないうちに早く
このバスの中は
海の底より淋しいから
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パラダイスは空っぽ

2010-04-18 22:51:36 | コトバ
もしもし?
誰?
あ、あんたか。
じゃ伝言をお願い。
「パラダイスは空っぽ。わざわざ来る価値なんてない」
メモしてくれた?
もう一回言うね。
「パラダイスは空っぽ。わざわざ来る価値なんてない」

どこにいるのって、パラダイスに決まってんじゃん。
来たわいいけど帰り方がわからなくってさ、
困ってるんだよね。
『困ったらSOSをよこしな』って言われてたんだけど、
SOSってどうやるんだか解んなくてさー
狼煙とか上げると誰か助けに来てくれるの?
ん?
それは難破か、そっか。
じゃどうすりゃいいの?

どうやって来たかなんて覚えてないわよ!
だから困ってるんじゃない。
ヒールがアスファルトに刺さって、歩きにくいったらないし、
ちょっと、聞いてる?

あ、
それから
炊飯器の中にご飯が入っていたら捨ててほしいんだけど、
見てくれない?

カラだった?そうか良かった。
カビてたらどうしょうかと思ってさ、
急に思い出しちゃって気になって気になって。
カラだったか。そっか。

ところであたしは、帰れるんだろうか?
さあ?
さあってなによあんた?!無責任じゃん!
おれが頼んだことじゃないって
それは、
それはそうだけど。。。

とにかくさあ、
ここは空っぽで何もないからあこがれるなんて馬鹿げてんのよ。

で、
ひとつ聞いていい?
あたしって誰?
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窓から全部投げ捨てて

2010-03-24 22:33:38 | コトバ
どこかへ行きたいな
ここじゃないどこかへ

それは日常からの離陸ではなく
どこにもいたくないだけの逃避
行きたい場所は無く、ここにもいられない

大事にしまっておいた
写真も手紙も手帳も給与明細も古い住所録も
本もレコードもCDも窓から全部投げ捨てて
逃げ出してしまいたいが
結局
泣きながら拾い集めることだろう
身ひとつになっても どこかへ行ける訳ではないから

地団太を踏んで涙にまみれて
ここじゃない、ここじゃないとあばれてみても
それじゃどこへ?と問われるのが何よりも恐ろしく
すました顔で日々を過ごす
心の中はずぶぬれの野良猫のようなのに

他人の足場を固めてあげることは得意だが
自分の足場はぐずぐずの砂地
どうして自分をいたわれないのか
さっぱりわからない

自分の中のちっぽけな
善意や思いやりや優しさや希望やけなげさを
窓から全部投げ捨てて
何にも心を動かすことがなくなったら
少しは楽になるのか?
いいや
それを楽とは呼べない自分だから
こんなにつらくなっているのだったね

明るい春のひざしのさす場所に行きたくなれたら
投げ捨てるためにではなく窓を開けられる気がする
春になったらなったで
木の芽時の不安定がやってくるのが常ではあるが
それはまたその時のことと思うほか無い

野良猫もひなたではまどろむこともあるよ
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鈴の音

2009-10-04 21:14:54 | コトバ
しゃらんと 鈴の音 魔を払う鈴の音
あなたの足首から

月明かりだけの光に浮かぶ
床を踏むあなたの足首にまかれた
鈴のついた銀鎖

ヘッドフォンでどんな音楽を聴いているのか
ゆったりと床を踏むあなた
その足の形にみとれるわたし

銀鎖をあなたにくれたのは誰?
その鈴の音のために私は
あなたに近づけません
こんなに想っているのに

まるで六条の御息所のように
心だけがあなたの処に飛んでいっている
浅ましい女です

それをくれた彼女を
今日は部屋に呼ばないで下さい
取り殺してしまうやもしれないので

殺したいわけではないのですけれど
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探し物をしていたの

2009-09-23 21:54:30 | コトバ
ワードのファイルを整理していたら
こんなの発見。

いつ書いたのか覚えてなかったけど
案外いいのでUPします。
(おお、自画自賛)


・着ぐるみの うさぎになれば 言えるのかもね 
 あんたなんか 死んでしまえと
 
・淋しいと 手書きで書いたら リアル過ぎ  
 メールにしたら (笑)をつける

・地下鉄の 向かいに座る 女子高生 
 まぶしくないのは 遠すぎるから



さっぱり覚えてなくて、自分で読んでも新鮮だったりして。
多分 自由律の短歌 な 気がします。

短歌なんて学校の授業で詠んで以来じゃないかな。
俵万知は 読んでましたが。
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睡りかけた午後の街に、ランナーが色をつける

2009-08-30 22:17:45 | コトバ
期日前投票には、昨日出向きました。
若い人が多くて驚き。
そう。
1票いれとかないと、文句も言えないからね。

夜までのんびりして
いきつけの店の11周年にお祝いとして飲みに行く。
『贈り物より、飲んで帰りましょうぞよ』
そういうわけで帰宅午前4時。

昼近くに目覚めたら
酒が頭の中でゆっくり動いている。
二日酔い。
TVをつけたらマラソンやってて
日ハムの試合やってて
『おお、アクティブな人達が沢山!』
ぽやん としながら チャンネル変えて見る
マラソンのコースが随分と変わっていましたね。

マラソン中継は結構好きなので最後まで見てから、
ハンズメッセに行きました。

地下鉄から上がると4丁目が空いていた。
通行止めの影響があるとはいえ
めずらしいくらいの人出の少なさに
休日の午後4時に睡りかけているような街。
地方都市のようなゆったりとしたリズムに
少し違和感を感じながら歩く電車通り。

突然大通り公園側から
ゼッケンをつけたままのまさしくランナーが、
荷物を持って走り抜けていった。
『まだ走っている人がいたのか!』
後姿を見つめながら
走ることを日常としている人の肉体の強靭さが
TVサイズでしか時間を捉えていなかった自分に気がつかせてくれたこと。
『頭だけ疲れさせてもバランス悪いよ』
まったくもって、そうですねー。

友達の店でうだうだと最近トークして
「初秋見舞いかね、これからだと」
月のうさぎのポストカード購入。

選挙速報、昔は好きでしたが
今は 
長いのと当確の速さとショーアップしすぎに辟易。

「山が動きました」
土井たか子さんが笑顔で話した時とは、
違う大きなものが動いたようですが、
さて、魑魅魍魎はどんな跋扈をするのやら。
しっかり見ておかないと。
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日曜日の考え事

2009-07-12 19:00:42 | コトバ
まだ明るい日曜日の夕方
暑すぎなくて
BGMはくるりで
ビール飲みたい気分。
なんか しあわせ。

これくらいの 小さいしあわせ を
いっぱい集めて
ブルーチップみたいに
ちまちま ためる
一冊で もう少し大きい しあわせ ひとつ分

時々出して夜中に磨くのは
ツライ時にソウサイするため

ずっとずっとそうしてきた


「大きいしあわせ は コワイからいらない」
そう思い込んで生きてきたので
大きいしあわせ を
1ページにばーんと貼れる 大きい台紙が無いの
どこにいったら貰えるんだろう?

それぐらいの欲は 出してもいいんだって

欲深くなります これから わたし
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きんいろのひかり

2009-06-13 23:49:29 | コトバ
美術館の帰り路

道を渡ってからゆるい曲がり角で何気なく振り向いたら

雲で埋め尽くされた空の山の端だけ、

夕焼けの色ではなく

美しいきんいろのひかり。

ほんの一瞬のひかり

18時40分

山の向こうは

きんいろに満ちていたのかな。

とてもよいものを見た。
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ぼた雪が降る季節

2009-03-30 22:17:58 | コトバ
湿ったぼた雪
アスファルトに溶け残り
オレンジの街灯に浮かぶ

明日は冬の顔か春の顔か
彼岸も過ぎたのだね、そういえば

デパートの地下売り場に
この地では採れない竹の子が山積み
なんだか
押し付けがましく、春

うまく季節をまたげずに
今年もよろよろしている
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