名前の由来 万葉集では「安治佐為」「味狭藍」「集真藍」と表記。もともと日本の原産は「額縁型」だったので、「真藍色が集まったもの」の意味で「集真藍(アズサアイ)」と言われていた。これが転訛して「アジサイ」となった。後に、中国の似た花に「紫陽花」の文字を当てていることから、「てまり咲き」のものに「紫陽花」をあてた。(唐の詩人白居易が「ライラックに充てた漢字が紫陽花)
◆「シチヘンゲ」は色が移り変わることから
山紫陽花
◆「ガクアジサイ」は「両性花」で、花房の周囲に飾り花をつける「額縁咲き型」。ガクアジサイ、タマアジサイ、ヤマアジサイ、エゾアジサイなど。
◆「アジサイ」は、半球全面が、飾り花で覆われている「てまり咲型」。「ガクアジサイ」を江戸時代に改良したもの。
◆「ヤマアジサイ」ガクアジサイに同じだが、山に自生することから区別。
◇ツルアジサイ:「ゴトウヅル」「ツルテマリ」の別名がある蔓性の「額縁咲き型」
◇「アマチャ(甘茶)」も「ヤマアジサイ」の変種の「蔓性」で、「ガクアジサイ」と同じ花が咲く。若葉をつんで甘いお茶にする。
◇「バイカアマチャ」もアジサイの仲間であるが、花は似ていない。花が梅咲き。
◇園芸品種が多く「スミダノハナビ」「カシワバ」等々、きれいに華々しく多種類ある。
乳母車 三好達治
母よ 淡くかなしきもののふるなり 紫陽花いろのもののふるなり はてしなき並樹のかげを そうそうと風のふくなり |
時はたそがれ 母よ 私の乳母車を押せ 泣きぬれる夕陽にむかつて 轔々(りんりん)と私の乳母車を押せ |
赤い総ある天鵞絨の帽子を つめたき額にかむらせよ 旅いそぐ鳥の列にも 季節は空を渡るなり |
淡くかなしきもののふる 紫陽花いろのもののふる道 母よ 私は知ってゐる この道は遠く遠くはてしない道 |
俳句の季語では紫陽花の芽は蘭春、紫陽花は初夏である。
紫陽草や 帷子時(かたびらどき)の 薄浅黄(うすあさぎ) 芭蕉
帷子は夏用の単衣。端午から色薄くしながら着る。端午の時期は「浅黄色」を着た。※この色が「浅黄色00a3af」
バイカアマチャ