花の名前・木の名前・名前の由来

草花や木についている名前の由来。誰が付けたか分からないけど、知って納得のもの、「?」のもの、いろいろあって、面白い。

ネジバナ(捩花) ・モジズリ( 捩摺り)・モジズリソウ ・ヒネリバナ・ナワバナ・ヒダリマキ

2007年07月26日 | 草花・植物

ネジバナ(捩子花) ・モジズリ( 捩摺り)・モジズリソウ ・ヒネリバナ・ナワバナ・ヒダリマキ ラン科ネジバナ属  

公園の芝生や空き地の草地にたくさん見られる。最も身近な野性蘭。下から咲きあがり、淡紅色のほか白花もある。根は浅く、芝生や草地の方が良く育つ。左ねじりだけでなく右ねじり、途中から方向変えるねじり、ほとんどねじらないものもある。
花期  梅雨から夏
≪名前の由来≫
ネジバナ  花の上のほう1/2~1/3に、らせん状にねじれた穂状花序の形。花を見
        れば一目瞭然。誰でも納得の花の名前。
モジズリ   花序が、「信夫もじずり」という織物の捩じれた模様に似ている。

2007/7.15庭

【近い種類】
小町蘭 : 葉に斑が入る園芸品種が多数あり、それらは「小町蘭」と総称される。
ヤクシマモジズリ : 矮性種。草丈が10センチ程度。
アメリカモジズリ : 北アメリカ原産で白花を咲かせる。。
ミヤマモジズリ : 別属の高山性植物。花がらせん状に付く。


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空き地のあちこちに、ピンクの花を乱立させてます。育てるのは意外と難しく、ここまで育てるのに数年を要しました。

《文学に見るしのぶ草》
花の魅力もさることながら、百人一首で知られる、源融(河原左大臣)の歌と共にある花です。

「みちのくの しのぶもじずり誰ゆえに 乱れそめにし 我ならなくに」

乱れても美しい花姿は、
「忍ぶれど色にいでにけり 我が恋は ものやおもうと 人に問うまで」
も合う歌の気がしてます。

この同じ歌が古今和歌集では
「みだれておもう 我ならなくに」になってます。  巻14 724

この歌を本歌として、「伊勢物語」に
 春日野の若紫の摺り衣 しのぶのみだれ かぎり知られず 1段
 しのぶ山 しのびて通す道もがな 人の心の奥も見るべし  15段

奥の細道
 草苗とる 手もとや昔 しのぶ摺り  (しのぶの里の章)

芭蕉の心にも、「みちのくの……」が浮かんだはずです。季語は夏です。

 

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信夫もじずりについて

 


「信夫」は地名。古代奥州(みちのく)信夫郡。昭和43年、合併により現在の福島県福島市。
「信夫もじずり」は絹織物のこと。その模様が、もじれて(もつれて)乱れたようであるところから「信夫捩摺(もじずり)」(忍摺)と都でよばれた。
その染め方は、みだれ模様のある巨石の上に白絹を置き、忍草(しぼくさ)を摺って、模様をうつし出し、緑に染めたたといわれる。
忍草(しぼくさ)は、「ノキシノブノ」のこと。他に露草、藍の葉なども染料として、使われたらしい。
大変高価な絹織物で、京の都で「もじずり絹布」としてもてはやされたが、江戸時代初期に姿を消してしまった。
「古代草木染め」のやわらかい風合いの色を想像する。現在見られないのは残念。

忍草を捩ったとされる石臼が、『文知摺石』として「福島市・山口町字文知摺」の地に柵囲いされ残っています。 
  手にしている反物が、「信夫摺(しのぶずり)」。福島県立博物館
    

           
        20077.24仙台市「庭」                      2007.12.17「庭」 
                                                  


ドクダミ(毒痛み)・ジュウヤク(十薬)シュウソウ(しゅう草)

2007年07月21日 | 草花・植物

 

ドクダミ・ジュウヤク(十薬)・シュウソウ(しゅう草)   ドクダミ科ドクダミ属  

シュウは草冠に右が口に下に耳左が戈を書きます。この字でシュウ・ドクダミとよませるようです。草冠の下部分だけだとシュウ・オサメルと読みます。

花期  梅雨の頃から咲きだす。季語は夏

≪名前の由来 ≫ 
十薬   : 「大和本草」の「馬医これを馬に用いると、十種の薬の効能(利尿・腫れ  
        物など)から。
ドクダミ :「毒痛み」(どくだみ)で、毒にも痛みにも効く薬草という説。
       あまりの臭気に、毒が留まっている(毒溜め)という説。

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湿地や日陰に群生する。踏みつけたり、折ったりたりすると、
嫌な匂いがする。

八重ドクダミ2007.6.25


乾燥させてお茶にしたものは、嫌な匂いが消え、香ばしくなる。
白い苞(ほう)は、十字に見える。花弁がなくおしべとめしべのみ。
繁殖力は旺盛で一度植えたら、根絶に苦労する。

薬草としてのドクダミ(化膿止め・緩下薬・利尿薬・高血圧の予防その他)


全草を、生または乾燥させてお茶として用いる。
花の咲いている時期に採るのが良い。

2007.7.21

数々の薬効があり、古くから万能薬として使用されている。
臭気の素のデカノイルアルセトアルデハイドなどには抗菌性があり、中耳炎、慢性鼻炎、蓄膿症、腫れ物湿疹、皮膚病に効く。
葉に含まれるクエルチドリンと、花に含まれるイソクエルチトリンには、毛細血管を強化し、弾力性を取り戻す効果があり、血圧の降下や、動脈硬化の予防に効く。
化粧水を作っている人もいる
薬草はこちらを参照してくださいhttp://www.e-yakusou.com/yakusou/450.htm
山菜としてのドクダミ
おひたし、・和え物・汁のみ天ぷら、根はきんぴら、酢のもの。
高温で処理すると臭みは消える。

身近な人の話
☆☆尿道に管を入れており、定期的に交換するが、医師から「普通の人よりずっときれいです」と言われる。この人は、「ドクダミ茶のおかげではないかと思う」と発言。
☆☆冬の初めに血圧が上がり始めるが、「ドクダミ茶」を飲み始めると、まもなく落ち着く。「ドクダミ茶のお陰で、薬を飲まなくても済んでいる。
☆☆ 県立「薬草園」の方も「昔から良く使われている薬草」と紹介。

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私はこの花の清楚さが好きです。
清楚な花の代表はこの「ドクダミ」と、「露草」ではないかと思ってます。部屋に飾ると、消臭効果や、空気清浄効果もあるという方もいます。
大分前、林の中の大群落を見たことがありますが、不気味なほどの美しさでした。

 

 2007.6.25庭