☆.:*:・''・:*:.☆.:* タンポポ・蒲公英 キク科☆.:*:・''・:*:.☆.:*:
≪名前の由来≫ 「タンポンポン」という音に由来する説。茎を切りとり、両端に小さな切れ込みを入れて水に入れ、少し時間がたつと、両端の切り込みがめくれて「タンポンポン タンポンポン」と鼓の様な音がするという。この説を試してみたが、音の確認は出来なかった。この時の茎の形も鼓に似ている。蕾の形を鼓に見立てという説。鼓草(鼓草)の古名に由来する説も。
英名〈dandelionダンデライオン〉葉のギザギザの切れ込みが、ライオンの歯のように見えることから
蒲公英(ほこうえい) 全草を乾燥したものは蒲公英(ほこうえい)という生薬として用いられ、解熱、発汗、健胃、利尿などの作用がある。
薬草はこちらを参照。抗がん作用も認められるとか。
≪タンポポの種類≫
セイヨウタンポポ 外総苞片(ガイソウホウヘン)と呼ばれる、花の付け根が反り返っているもの。実が赤く、葉が細の「アカミタンポポ」も、外来種。
カンサイタンポポ 外総苞片(ガイソウホウヘン)が反り返らないのが、在来種の特徴。関西地方に分布し、総苞に突起がなく、ほっそりしている。
カントウタンポポ 関東地方を中心に本州中部に分布。総苞に突起がある。
エゾタンポポ 在来種。本州中部以北に分布し、総苞が、ぷっくりと丸い。農山村に多い。
シロバナタンポポ 九州や四国の一部では「タンポポの花は白」とされている。この地域以外でも、白花の群生は見られる。同じ在来の関東タンポポ、カンサイタンポポよりたくましく育つ。総苞は、やや離れる。
トウカイタンポポ 東海地方に分布。地方により少しずつ異なり、分類は何十種にも及ぶ。
≪タンポポの生理≫
花は朝に開き、夕方閉じる。雨が降らなければ、3日間これを繰り返し、花は枯れ、茎が倒れる。数日後、この後茎はまた立ちあがり、丸いワタ毛をつける。
タンポポの開閉運動は、規則正しく「農夫の時計」「妖精の時計」を意味する名前で呼ばれる国もある。この規則は光の量と温度で決まるようである。
《なぜセイヨウタンポポが増えたか≫
1 セイヨウタンポポは一年中咲いている。虫の力を借りなくても種をつくれる。春以外も蕾をつければ、花が開かなくても種をつける。この種が風に飛ばされていろいろな場所に落下する。
2 日本の在来種は、虫の力を借りなければ、受粉できない。周りに仲間がいないと種を作ることができない。一つの花にできる種の数がセイヨウタンポポより少ない。開発などで一度消えてしまうと、その場所に再び繁殖するのは難しい。
3 在来種のタンポポがいなくなった土地に「セイヨウタンポポ」の種が飛んできて、繁殖する。
4 結果として、前から繁殖して、開発されなかった野原や山に在来種が残る。〈田中修さん「雑草の話」〉
美味しいとか、美しいとかの理由で、同じ種類のものだけを作っていると、急激な環境の変化には付いて行けず、一気に滅亡することもあるとか。
多種で交配をしていると、いろいろな性質の植物ができ、環境の変化にも耐えられる個体も生まれる。
したがってセイヨウタンポポも何らかの環境変化で激減する可能性もあるとか。
タンポポは元来たくましい植物である。成長したタンポポの根は太く長い牛蒡のような根になる。
≪食べる≫
セイヨウタンポポは、ヨーロッパの葉がサラダのメニューに。
花は茹でるか、そのままなら天ぷらに。
根はささがきにし、茹でて、きんぴら、かき揚げ。または乾燥させて炒り、粉末にしコーヒーに。
たんぽぽの ぽぽのあたりが 火事ですよ
坪内稔典さんの句 この句が大好きです。