行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

負けるが勝ち

2013年04月16日 | 禅の心
柔道では投げる練習よりも上手に投げられる練習をする事が、怪我をしないためには大切です。
同じようにスキーも滑る練習をする前に上手に転ぶ練習をしておくことが大切です。
人が挫折を感じて自ら命を断ったり、反社会的な行動に走ったりすることは昔からあることです。
特に生まれてから順風満帆な人生を送って来た人が大きな壁にぶつかると、その衝撃は大きいようです。
徳川家康は若い頃、かなりの臆病だったようでした。家康が三方ヶ原の戦いで武田信玄に敗れ、浜松に逃げ帰る時にあまりの恐怖に失禁、脱糞してしまったという逸話があります。本来、情けなくて忘れてしまいたい出来事だったのでしょうけど、家康は、この時の自分の様子を絵に描かせています。家康が床几(しょうぎ)にこしかけ、左足を揚げて、左手を頬に当てて苦虫を噛み潰したような顔をしている絵です。家康はこの絵を自分自身の戒めにしたとのことです。家康が江戸幕府260年の礎を築いたのもこの失敗があったからかもしれません。
また、塙保己一も出版元の奉公人に馬鹿にされた事に発奮して偉業を成し遂げたお話をかつてしました。
負けたことや失敗したことにこそ学ぶべきものは多いのかもしれません。

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