行雲流水

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三鬼大権現の教え

2024年01月09日 | 空海 真言宗 金剛峯寺
【誰でも残虐になれる】
宮島をはじめ、広島湾周辺には三鬼大権現がまつられているお寺があります。
鬼とは自分の心の一面、怒り、欲望、憎しみの象徴なのです。
戦争は決して戦争好きな人だけが起こすわけではありません。
ふだん平和を唱えていても条件がそろえば(縁があれば)戦争に加担してしまうのです。
誰にでも残虐性があるし、縁さえあれば残虐になれるし、人殺しさえしてしまうのです。
自分は聖人君子だと思っている人、自分は善良で悪いことをしないと思っている人が危ないのです。
自分の中の残虐性、ドロドロした欲望、燃え盛る怒り、憎しみに気づくことが三鬼さんの教えなのです。
【三鬼大権現】宮島の三鬼大権現とは何か。仏教には仏凡同居(ぶつぼんどうご)という考え方があります。白隠禅師の「衆生本来仏なり」ということです。煩悩を持った人間がそのまま仏になれるのです。人間の煩悩こそ鬼としてたとえられるもので、大日如来、虚空蔵菩薩、不動明王が三つの鬼として仮りの姿になって現れたのが三鬼大権現なのです。煩悩があるからこそ人間は仏になる可能性があるのです。
ちなみに、三鬼大権現は、宮島、大聖院の他、広島市東区の松笠山、安佐北区の福王寺山、西区の三瀧寺などにもまつられていますが、広島だけの信仰のようです。


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