行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

墓参りより大切なもの

2010年08月13日 | 禅の心
最近、若い人の中にも熱心にお墓参りや、寺社参りをする人がいて結構なことだと思います。

先祖や神仏を敬うことが大切であると考えている人は多いということです。

しかし、ある日こんなことがありました。

お盆で子どもが故郷へ帰って、年老いたお母さんとお墓参りをしていました。

息子は、熱心に水を運んだり、線香を立てたりしていました。

どうやらお母さんは、足が悪いらしく、車を降りてからなかなか墓の前まで歩いてこれないようです。

お母さんが、墓の前まで歩いてくると、息子は

「早く来いよ。ボケ」

と激しくののしります。

お母さんは、さらにゆっくりした動作で、線香をに火をつけたり、花の水を変えたりしていました。

息子はイライラしてきた様子で、

「おれがやってるんだからいいじゃないか」

と怒鳴りつけ、さらにはお母さんを叩きました」

さて、このようにご先祖様は大切にするけど、親を大切にしないという話は多いのではないでしょうか。

親は自分に一番近いご先祖様です。

遠いご先祖様より、近い肉親が大切なのではないでしょうか。

亡くなった人を偲ぶことも大切ですが、生きている人の方がもっと大切だと思うのですが。

新興宗教の中には、先祖供養をうたうけど、親孝行については触れないものもあります。

それどころか、家出して宗教団体で集団生活をしている親不孝もいました。

自分の親より教祖様のほうが大切と考えているのでしょうか。

お盆にお墓参りをすることも大切ですが、まず、親孝行をするために故郷に帰ってほしいものです。



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「青春」だけではない

2010年08月10日 | 禅の心
島根県浜田市

サミエル・ウルマン
岡田義夫 訳

松下幸之助が紹介して有名になった詩です。

しかし、私はこの詩があまり好きではありません。

人生には、青春、朱夏、白秋、玄冬の4つの時期があります。

10代、20代の春は青、30代、40代の夏は赤、50代、60代の秋は白、70代以上の冬は黒にたとえられているのですが、

青春とはあくまでも、未完成な時期なのです。

人生には、春ばかりでなく、夏も良いし、秋も良いし、冬にも味わいがあると思います。情熱を失ったとしても、それなりの楽しみ方はありますし、理想を追い求めるばかりが人生ではなく、現実に生きていくことも大切です。

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恒久平和

2010年08月06日 | 禅の心
今日は広島に原子爆弾が落とされて65年目になります。ほとんどの人は犠牲になった人々を悼み、二度と同じ悲劇が起こらないことを願っていらっしゃると思います。同じように平和を願うにしても、政治的、社会思想的にはいろいろな考え方があると思います。核武装することによって均衡を保つという考え方もあるわけです。しかし宗教的には、武器を棄てろということになるのではないでしょうか。特に仏教ではあくまでも、戦うなということを貫き通す必要があります。宗教は政治に無関心であることです。そのために釈尊は出家をされたのです。 ただ無条件にひたすら平和を願う。それが仏教の姿勢だと思います。


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曹源一滴水

2010年08月03日 | 禅の心
夏に限らず高山歩きに水は、大変貴重なものになります。飲み水はタダではなく、洗面の水すら無駄にすることは許されません。
資本主義社会はものをどんどん作って売ることを善しとしています。そしてまだ使えるものばかりか全く使っていないものまでも棄ててしまいます。
曹源一滴水の曹源は達磨から数えて六代目の祖師である慧能を源とする禅の流れです。この流れがいろんな流れに分かれていきました。つまり慧能の禅が正しく伝わったものが曹源一滴水なのです。しかし、曹源一滴水は冒頭のように一滴の水も神仏の賜物なので、大切に使おうということなのです。命に目覚めれば、一滴の水も粗末にはできません。


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