行雲流水

仏教をテーマとした記事を掲載しています。

ありのまま派と自己啓発派

2018年06月12日 | 仏の心
私は物事を二つの対立的に考えるのはあまり好みませんが、仏教はどちらかというと、現実を肯定的に考える「ありのまま派」で、キリスト教は現実を改善しようとする「自己啓発派」です。
仏教の中でも、念仏は「ありのまま派」で、禅には「自己啓発派」の側面もあります。禅の祖である達磨大師から六代目の後継者である慧能は「ありのまま派」でしたが、そのライバルであった神秀はどちらかというと「自己啓発派」でした。京都の臨済禅はどちらかというと「ありのまま派」ですが、鎌倉の臨済禅は「自己啓発派」の方もいらっしゃいます。
修行とか自己啓発に重きを置いて、易行やありのままでいいという考え方を軽蔑する人はいますが、私は難行苦行ばかりが人を育てるとは考えません。念仏のよさは、誰でもできるところだし、霊気のような手法も誰にでもできるところがいいところだと思います。同じように、ありのままの自分を大切にしていきることも仏教思想の魅力だと思います。もちろん、自己啓発をしている人はそれで素晴らしいと思います。ただ、私は自己啓発や修行には力点を置いていないというだけなのです。

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禅はかっこわるい自分を生きること

2018年06月08日 | 仏の心
若い人に、

「禅ってかっこいいですよね。」

と、言われて、

「何が?別にカッコよくなんてないと思うけど。」

と応えます。

そのイメージがカッコいいと言います。

私は、禅というのは、

今、この瞬間を精一杯生きること

だと思っています。

毎日、自分の仕事をしっかりやり、

休むときにはしっかり休む。

自分の命をしっかりと燃え尽くすことだと

私は思っています。

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負けるが勝ち

2018年06月05日 | 仏の心
スキーではまず上手に転ぶことを学んでおかないと、転んだ時に大けがをすることがあります。つまり転ぶ(=負ける)練習が必要なのです。
五重の塔は日本人の誇るべき高層建築ですが、地震が起こった時に揺れに逆らわないようにしなやかに造られています。つまり、地震に対抗するのではなく、地震に身を委ねる構造なのです。日本人は、自然に逆らわずわざと負ける工夫をしてきたのでした。負けるが勝ちの論理なのです。
商品を値引きすることを「まける」と言いますが、実は「まける」ことによってたくさん品物を買ってもらおうというわけです。やはり負けるが勝ちです。
明治維新後、西洋的な考え方が入ってきたわけですが、これは勝ちの文化であったと言っていいでしょう。まず、列強諸国に倣って勝つための強い軍隊をつくりました。
現代も勝つ事を第一とした考え方が幅をきかせているわけですが、勝てば必ず負ける人がいるわけですし、いつか自分も負ける身になるかもしれないということを想像しなければなりません。現代人の弱さとはまさに負ける事に対する想像力が弱い点にあるのではないでしょうか。精神的にまいってしまいやすく、傷つきやすい。調子のいい時こそピンチの前兆であると考えておくことが大切なのではないでしょうか。
天女五衰と言います。天女も年をとって悩むのです。調子が良くてもピンチの時のことを考えて心の準備をしておくことが大切です。

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神様ではなくて縁だよ

2018年06月01日 | 仏の心
いい人、悪い人とは言いますが、

人間、いい人にも悪い人にもなれる種を持っています。

あるいは善人と悪人が同居しているのが人間なのかもしれません。

自分の中のいい人が表に出てくるか、悪い人が表に出てくるか。

それは縁によるものなのです。

良い人、悪い人

それは縁がつくっています。

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