☆1回目のハイランドのとき、2日目にランドマンナロイガルへも立ち寄りました。ランドマンナロイガルは、ハイランドで最もメジャーな場所で、川に温泉が湧いているため、夏はそれ目当てのキャンパーで賑わいます。
9時34分の写真だが、太陽が低いため、まるで明け方のようだ。
昨日のハイランドより道がはっきりしているものの、同様に火山がうようよしている荒野の中を走りぬける。
昨夜、宵の口に雨は上がったが、ここらでは降り続き、雪へと変わったようだ。
奥地へ進むに従い、広大な風景から、山岳風景に移り変わる。
突如開けた場所になった思ったら、ランドマンナロイガルの山小屋が見えてきた。
ここからは写真にある川を2本渡らなくてはならないため、歩いて向かった。
ここが川に沸く天然の露天風呂。
この周辺は雪が解けて青々とした草が茂っている。
ただし、氷点下で入るにはぬるい。
湧き口はもう少し上流の方だから、そっちなら暖かいかも。
よく整備された快適そうなキャンプ場で、夏場の写真ではたくさんのテントの花が咲いていた。
しかしこのときは、河原を整備中の管理人以外は誰もいなかった。そして同じ道をすぐに引き返したのだが、道中誰ともすれ違うことはなかった。
いつか夏にキャンプしてみたいなぁ・・・
ハイランドとは、アイスランドの内陸部の高地を意味し、おおむね標高300m以上の地帯を指す。
そこは火山と氷河の広がる無人の荒野だ。
道路は当然舗装されておらず、整地されていないので、最低でも4WDのSUVでないと、走行は無理。
海岸近くの生活道路であっても、ひとたびメインの道路から外れると、めったに車とすれ違うことはない。
ましてやオフシーズンのハイランドともなれば、トラぶっても助けはまず期待できない。
つまり、この時季にハイランドに一人で踏み入ることは、それなりの準備と覚悟が必要なのである。
願わくばハイランドを南北に縦断するルートを走りたかったのだが、この時季と私の車でそれをすることは自殺行為に等しい。なにせ、川を何度も渡るヘビーなコースだ。もちろん橋などない。川を渡るとは川の中を走って横断するという意味。
以前、日本人の学者が渡川に失敗して流されたことがあるそうだ。
今回、グーグルアースで眺めただけでもいかにもすごそうな場所の中で、そう奥地でもないところを目指してみることにした。
もし、車を捨てる羽目になったとしても、防寒着、寝袋、3日分の食料・水を担いで歩ける登山用のバックパックも用意した。
あくまでも天候や道路状況が許す範囲で、と言い聞かせながら。
ハイランドの入口。まだ道路は舗装されているが、まったく車とすれ違わない。
いよいよ本格的なハイランドへ。
道というよりわだちに近いが、想像していたよりはっきりとした道で一安心。山肌の苔が美しい。
そこらじゅう火山だらけ。まさに月面、SFの世界のよう。
目的地まであと10kmを切ったところで、川が現れた。事前の調べて2回渡らなければならないことはわかっていた。
水深を探ってみたところ、深いところではマフラーが水に浸かってしまいそうだ。
渡れるとは思うが、潔くここであきらめた。
夜まで時間がるので、3枚目の写真の右端の山へ登ってみた。
写真では大きく見えるかもしれないが、標高差110mだった。
思った通り山頂からの景色は絶景だ。日本人初登頂かも?
遠くから雨の壁が迫ってくるのが見えたので、大急ぎで山を降りたが、途中で捕まった。
風も10m/sを超え始めた。標高600mほどのため、寒い。
こんな過酷な環境でも、けなげに可憐な花が咲いている。
この地でもっとも撮りたかった光景がここ。
しかし、この夜晴れた時は既に月が沈み、撮影不可能。
北の空がなんだか少し明るい。もしかしてオーロラ?
オーロラとの初めての出会いは、正体がはっきりしないほど淡くて、感動も何もなかった。
これでハイランドを垣間見たい欲求の方は満たせたので引き上げた。
しかし、この光景を忘れられず、3日後に再びここを訪れた。
わずか3日で景色は一変。
雪景色の絶景。快晴になってきて、見渡す限り火山が連なっているのが見渡せる。
これは期待が持てるぞとわくわくしていたのだが・・・
日が沈むと共に雲が湧き始める。
高緯度のため薄明が2時間以上あり、すぐには星の写真は撮れない。
結局、月景は撮れたものの、撮りたかった光景は失敗に終わった。
ちなみにこの夜は気温-9℃まで下がった。
そして、二日間1台の車とも出合うことはなかった。
☆レイキャビーク近郊のシングベトリル、ゲイシール、グトルフォスの3つをぐるっと周るコースをゴールデンサークルといいます。
シングべトリルは、マントル対流によって引き裂かれた大地の割れ目が走る地帯で、プレートが生まれている現場である。
割れ目に沿って断崖が続いている。
上から眺めると、広大な谷間となっている。白い建物は教会。
向かって左側が北米プレート。右側がユーラシアプレート。
年間2~3cmのスピードで拡大しており、ここで生まれたプレートが、2億年後に再び出会う場所が日本である。
次に向かったのがグトルフォス。グトル=ゴールド、フォス=フォールという意味。
その名にたがわず、ものすごい迫力!
遠くからも、その姿は見えずともすごい水しぶきが上がっているのがわかる。
上の段が落差約15m、下の段が約30mあり、その向きが120°転じているという非常にユニークな滝だ。
最後に向かったのは、ゲイシール(間欠泉)
ゲイシールという名の間欠泉が、そのまま代名詞に。英語でも間欠泉のことをゲイシールと呼ぶ。
かつては60~70mの高さに吹きあがったそうだが、現在は休眠中。
代わりに活動しているのがストロックル間欠泉。
こちらは、4~5分に一回、20~30mの高さに吹きあがる。
吹きあがる瞬間を待つ観光客
噴出の瞬間。
水面がモコッと盛り上がり、はじけ飛ぶ。
湯温は100℃あるそうだが、瞬時に冷やされるので、しぶきがかかっても人肌ぐらいで熱くはない。
ここで朝まで晴れるのを待った。
強風が吹き、相変わらずの雨模様だったが、なぜか晴れそうな気がしたからだ。
しかし、夜明け近くにようやくチラホラ星が見え始めたものの、そのまま朝を迎えた。
最後に、ゲイシールの朝シャンを記念に浴び、ここをあとにした。
この日、3日目にして初めて太陽を見た。
☆首都のレイキャビークは、高層ビルは無いに等しく、北欧らしく綺麗で美しい街並みでした。
町のあちこちで見かける彫刻とかシンプルでありながらとても個性的で惹かれるものばかり。
そのセンスが建物のデザインにも表れています。
わずか32万人しかいないのに、どうしてこんなに芸術性が高いのでしょうか。
まず最初に向かったのが、高台に建つペルトラン
地熱地帯からパイプラインで引いてきた温泉を貯留し、各家庭へ配給する建物。
内部にはゲイシール(噴泉)をイメージした噴水やちょこっとした博物展示があり、最上階は1時間で1回転する展望レストランとなっている。
ホテルの近くにあったこの建物。小さいけど迎賓館。
1986年に東西サミットが開催され、当時のレーガン大統領とゴルバチョフ大統領が会談したことで有名。
アイスランドで一番のショッピングモール「クリングラン」
「ココウォーク」より少し大きいぐらい。って、長崎の人しかわからないか…
1周した時も街を練り歩いた時も日本人をほとんど見かけなかったのに、ここに来ると1日に何人も見かける。
やはり一番の見どころは「ハトルグリムス教会」
なんと高さ70mもあり、すごい迫力!
両脇の柱状の構造は、玄武岩の柱状節理をモチーフにしたデザイン。
シンプルだけど、実に洗練された美しさがある。
正面に、アメリカ大陸を西暦1000年に西洋人で初めて発見したバイキング「レイブル・エリークソン」の像が建っている。学校では、500年前にコロンブスが発見したと習ったが、さらにその500年も前に到達していた。実は、アイスランド人の多くは、バイキングの子孫なのだ。
屋上へは500クローナ払えばエレベータで上がれ、360度街を見渡せる。
建物の一つ一つは個性があるのだけど、それでいて統一感があって、整然とした美しさを感じる。
チョルトニン湖は、市民の憩いの場となっており、カモや白鳥などの天国でもある。
海岸にあるバイキング船をモチーフとしたモニュメント。
やはりシンプルでいて個性的で美しい。
☆アイスランドは、国土面積が北海道の約1.3倍もありながら、人口わずか32万人しかおらず、その3分の2が首都のレイキャビーク周辺に住んでいます。だから、一歩首都圏の外に出ると、だ~れもいない原野が広がっているわけです。
特に今回のようなオフシーズンでは、有名どころを除くと観光地にすら滅多に人がいません。
日本からは、長崎→福岡(1泊)→成田→コペンハーゲン→ケプラビークという経路で行きました。
じつは出発前夜、娘が耳の痛みを泣きながら訴え、夜間救急へ行く騒ぎに。
そこでは異常は発見されず、翌朝別の病院で中耳炎が判明。
軽症で幼稚園を休むほどでもないとの診断だったが、喜び勇んで出発という状況ではなかった。
そして成田に着いて搭乗手続きをしたところ、コペンハーゲンまでのスカンジナビア航空便が満席だとのこと。
もちろん、「OK」と記されたEチケットを持っているわけだが、格安チケットゆえ、キャンセル待ち状態に。
同じような状況の客が10人ほどいたが、たぶん全員席を確保できたと思う。
出国前から波乱含みだったが、今回はアイスランドへ至るまでのことと、私のアイスランドでの過ごし方を中心にお届けする。
スカンジナビア空港の機内食は、ご覧の通り。
ちょっと炭水化物が多いかな。KISOと書いてあるカップは、ミネラルウォーター。
これ以外にもちょっとしたおつまみが出る。
飲み物は、サービス時と食事時のみシャンパンを除くアルコール類が無料。それ以外に頼むと有料。
12時間弱でデンマークのコペンハーゲンへ到着。
ここで一旦デンマークへ入国し、アイスランド空港へ乗り換える。
元デンマーク領だった頃の名残なのかアイスランドでは入国審査はなく、あたかも国内線のごとくアイスランドへ向かうことになる。
帰りはこの逆なので、実はパスポートにアイスランドのスタンプはない。
コペンハーゲンは欧米のハブ空港になっているためであろう、免税ショップがすごく充実していた。
かくして予定通り現地時間夜の9時ごろに到着し、国際空港とはいえ小さな空港のため早々と9時20分ごろには出口に。しかし、両替しようと思っていたが、既に閉まっていた。
ケプラビーク国際空港
次なる課題は、ネット検索を駆使して見つけた格安レンタカーの代理店を通じて予約したレンタカーの手続き。料金前払いなのだが、問い合わせてもろくな情報がもらえず、今回の旅で一番の不安要素だった部分である。
その不安が的中。空港に予約したレンタカー会社(Thrifty)の窓口が見当たらない。
他のレンタカー会社のおねえさんに聞いてみるも、「Thriftyはどこにあるか知らない。出口にカードを持って立っているかも。」とのことで、なんともあやふやな情報。
他の人に聞いてみても同じような返答。
時間が時間だけに、どこも閉まっている。
困って外に出たり入ったりしてウロウロしていたところ、カードを持った人が現れた。
よかった。ちゃんと予約されていた。
よくよく考えたら、入国手続きや荷物の受け取り、両替などしたいたら、夜の十時頃になるであろうというう読みと、レンタカー事務所が9時までだったらレンタカーをその日は確保できないという事態を避けるため、時間を10時からに指定していた。
その人が現れたのは、まさしく10時だった。
レンタカーは、ほとんど無傷で結構きれいなフォード「エスケープ」だった。
しかし、よく見るとノーマルタイヤ。
たしかにレイキャビーク周辺はまだ暖かく、しばらくは雪の心配はなさそうだ。しかし、こちらと11月3日まで滞在する。
スノータイヤに換えてくれとお願いしたところ、ここでは換えられないので、明日レイキャビークの事務所まで来てくれとのことだった。
翌日事務所を訪れると、昨夜のお兄さんが待ち構えていてくれて、20分ほどでタイヤ交換終了。
なんとスパイクタイヤだった。
後日、アイスランドはスパイクタイヤでなくては通用しないということを身にしみて感じることになる。
アイスランドでは、夜間に現在位置を把握するのは至難の業。
カーナビをオプションで付けることもできたのだが、その料金で余裕で買えてしまうので、ハンディGPSを用意した。
地図はネットでダウンロードした詳細な道路地図をインストールし、グーグルで調べた目的地の経緯度を20か所ほど予め登録してある。
これが大変役に立った。
通貨は、アイスランドクローナ。1クローナ=約0.7円。
3年前は約1.9円だったから暴落していることになるが、それでも日本より物価高に感じた。
コインは面白いことに全て海の生物が刻まれている。
もっとも、カードが発達しているため、一度も現金の必要性は感じなかった。
必要な物資はショッピングモールやガソリンスタンドで揃えた。
レイキャビークの郊外には、こんな巨大なショッピングモールがあった。
レイキャビーク周辺に限って、人口32万人とは思えないほどショッピングモールが発達している。
食事は、ほとんどガソリンスタンドで売っているサンドイッチやスーパーで買ったパンなどですませた。たまにファーストフードで食べるのが唯一の贅沢。
サンドイッチは、10種類ぐらい食べた中で中央のベーコンエッグが一番うまかった。
天気が悪くなければ、カップ麺やスープなどお湯を沸かして食べることも。
中央の大きなカップ麺はあまり美味しくなかった。
左から二番目は普通。
左端のタイ製のYamYamが一番おいしかった。
かくして、私のアイスランドの旅はスタートしたのであった。
昨夜、現地19泊18日、全行程22泊23日の旅から帰ってまいりました。
走行距離5100km。猛吹雪に遭ったり、ちょっとやばかったハプニングが2回ほどありましたが、結果的に怪我も損傷もなく無事に乗り切ることができました。
アイスランドの風景は、壮大で美麗で多彩で、何もかもが想像を上回る素晴らい世界でした。
天気は、この時季としては結構晴天に恵まれました。 昼間は・・・
昼間は快晴でも、日が傾くと雲が湧き出るパターンばかり。そして、夜明けと共に晴れ間が広がることの繰り返し。
どうやらこの時季のアイスランドは、晴天時に気温が下がると雲が発生しやすようです。
結局一晩中晴れた日は一度もありませんでした。
それでも、特に撮りたかった4地域のうち2地域でまずまずの撮影ができ、フィルムは21本撮影しました。(10または20枚撮りのフィルムで、うち3本ぐらいは昼間の風景)
1本に付き1枚ぐらいはモノになるのがあると思いますので、20枚近くは作品を残せたのではないかと期待しています。
現像とスキャニングに相当時間がかかると思いますが、それまではアイスランドの昼間の風景を中心にお届けしたいと思います。
そうそう、アイスランドでは酒を一滴も飲まず、一切贅沢をしなかったためか、体重73.6kg・体脂肪率15.3%に減っていました
今日は一旦福岡へ移動し、明日の午前中、福岡空港から成田空港へ行って飛び立ちます。
アイスランドへは、スカンジナビア航空でコペンハーゲンへ行き、アイスランド空港に乗り換えて、現地時間の14日20時55分着の予定です。
家を出て40時間後の到着ですが、パタゴニアの69時間に比べたらずっと短いです。
荷物は例によってすごいことになりました。
ウエストバッグ:4.1kg
カメラバッグ:17.9kg
ダッフルバッグ:25.6kg
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合計:47.6kg
カメラ機材が10kg以上増えたので、キャンプ用品は減ったものの、パタゴニアの時より全体で5kg増えてしまいました。
飛行機の超過料金取られないか心配です。
ポカリ新作のCMを見てピ~ンときた。
あっ!アイスランドだ!!
そしてCMの最後に思わず、「おおっ!」っと声を上げたくなるような風景が!
http://pocarisweat.jp/main.html#tvcm?1
ノーマークだったこの風景。
HPには載ってなかったけど、場所がわかりました。
見に行ってきます!
もう少し先の話ですが、10月14日~11月3日の間、アイスランドへ旅行に行ってきます。
今がんばっているダイエットは、実はそのための体力作りなのです。
アイスランドといえば、文字通り氷の国というイメージがあると思いますが、意外にも暖流の影響で真冬でも北海道より寒くならないそうです。
とはいえ、10月は早くも雪が降り始めます。
一番の楽しみは、やはり何と言っても人生初となるであろうオーロラです。
そしてアイスランドは、島自体がジオロジストにとって特別な意味を持つ場所です。
それは、海嶺が陸地になっている世界でも極めて稀な場所なんです。
そのため、大地には切り裂かれた割れ目が多数走り、ときとしてその割れ目からマグマが噴き出します。
あのヨーロッパの空路を混乱に陥れた火山の噴火は、記憶に新しいところです。
オーロラや火山以外にも、氷河、滝、フィヨルドなど、絶景の宝庫です。
天気の不安定さはパタゴニアに近いものがあるようですが、とにかく天気に恵まれることを祈るばかりです。
今日は、昨日届いたアイスランド用のブローニーフィルムを整理しました。
昼間は基本的にデジカメで撮りますが、対オーロラには短時間で何本ものフィルムを消費する可能性があるため、69本を用意しました。
そのうち、半数近くがISO400の高感度フィルムです。
現像代と合わせると10万円を超える金額になりますが、願わくばほとんど撮りきるくらい充実した旅になることを祈るばかりです。