MOONLIT STORY ~月夜の物語~

月明かりに照らされた惑星地球をテーマに星空の写真を撮り続けています。

521 金環日食に向けて Part5

2012-03-25 10:51:43 | 星の写真

下の写真のとおり、ポラリエに搭載可能なように、軽量化を目的として中判レンズを35㎜判のレンズに変更した。
焦点距離は、双方とも300㎜+2倍リアコンで600㎜である。




   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓   ↓





しかし、ここで大きな問題が一つ。

それは、中判レンズなら絞りをマニュアルに切り替えれば絞り込んだ状態で固定できるのに対し、
35㎜判の場合は、絞りをマニュアルで設定してもシャッターを切った瞬間にのみ絞り込まれるため、
それ以外は絞り開放のままであることである。

ND400+ND8の組み合わせでは、絞りで減光できないと、明らかに目に有害なレベルの太陽光がファインダーに届く。

ライブビューにしてファインダーを覗かないようにしたとしても、ピント合わせや構図調整でC-MOSセンサーに
このレベルの太陽光が長時間当たり続けたら、焼け焦げてしまいかねない。

結局、マルミ光機のND100000を購入することに。


最終的に落ち着いた機材で撮影した太陽。



【撮影データ】
PENTAX K-7
SIGMA APO 70-300mm F4-5.6 DG MACRO + 2倍リアコンバータ + ND100000フィルタ
ISO400 F11(合成F22) 1/200秒




いろいろ試したけれど、気が付いたら、結局一番シンプルな組み合わせになっていました。(^_^;)



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ポラリエユーザー必見! 521 金環日食に向けて Part4 

2012-03-19 20:57:28 | 星の写真

Part3で少し触れたように、非力なポラリエに一眼レフ+望遠を搭載し、星を追尾させるには、極軸の精度以上に機材の重量バランスが大事である。

その重量バランスをとるために、CP+のビクセンブースでは、カウンターウエイトを付けられるようにしたものが参考出品されていたようだ。

しかし、その姿はドイツ式赤道義そのもので、せっかくの小型軽量が損なわれ、山登りのザックの中に忍ばせるような類のものではなくなってしまう。

そこで紹介したいのが、スライドプレートを用いた簡単バランス調整法だ。





① まず、ポラリエとレンズを平行にした状態でスライドプレートを前後し、カメラ側とレンズ側の左右のバランスをとる。





② バランスが取れたら機材の重心が軸上にあるはず。おそらく黄色い丸のあたりと思われる。





③ 目的の天体へカメラを向ける。この場合、自由雲台の首がかしぐことにより、画像左のカメラ側に重心が移動する。





④ この崩れたバランスを調整するため、カメラをレンズ側へスライドし、重心が軸上になるようにする。
  写真ではスライド量が少し不足しているが、スライドプレートのベース部分が左に偏ったままであることを考えると、
  軸上より少し右側に通り過ぎるぐらいが適正と思われる。







この要領で実際に星を撮影して検証してみた。
使用機材と撮影データは以下の通り。

PENTAX K-7 FA☆200mm F2.8→F4
ISO400 60秒露出
※極軸の設定は、素通し穴に北極星を導入





バランス調整前(輝星は赤緯46度のカペラ)





バランス調整後





ご覧のとおり、バランス調整後はガイドエラーが半減している。
等倍表示でこの程度のエラーなので、極軸を厳密に合わせれば1分以上の露出は行けそうである。
最後にM42の作例をどうぞ。



PENTAX K-7 FA☆200mm F2.8開放(フルサイズ300㎜相当)
ISO400 30秒露出






なんだか金環日食から外れたようなPart4だったが、実はレンズを中判用から35㎜判用に変えたがゆえに新たな問題が生じていた。
次回Part5は、金環日食に向けて、いよいよファイナル?のつもり。。。




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521 金環日食に向けて Part3

2012-03-18 10:40:05 | 星の写真

「金環日食に向けて Part2」で機材の組み合わせを一度は決めたものの、欲が出て、1分間隔で撮影して動画にしてみたくなった。
しかし3時間にわたって1分毎の撮影となると、方やフィルムカメラで固定撮影による多重露光も考えているので、星を追尾する赤道義なしではとてもやってられない。
そこで、以前から気になっていたビクセンのポラリエを入手した。





しかし、これを使うとなると、三脚雲台の細いネジ一本で約6㎏もの重量を支えることになり、下手をするとネジが折れてしまいかねない。
そこで、中判用の馬鹿でかいレンズはあきらめて、35㎜判の70-300㎜ズームレンズに2倍リアコンの組み合わせで軽量化を図った。
カメラとポラリエの間には、カメラのバランスをとるため、ケンコーの「New KDSマウントII」を取り付けた。

ポラリエの搭載可能重量は、約2.0kg(モーメント荷重20kg・cm:回転中心より10cmで約2.0kg)である。
この場合の搭載重量は3.3㎏ぐらいでまだ重量オーバーだが、回転軸に対してバランスさえ取れていればモーメント荷重はクリア可能なのでそれなりに追尾するはずである。





実際にベランダで月をテスト撮影してみた。
ベランダからは北極星が見えないので、ポラリエをおおよその北極星方向に向けた。
昼間で北極星が見えない金環日食のときとまさしく同じような状況である。





追尾しなければわずか2分で月1個分ずれてしまうが、21分間で月0.7個分のずれに留まっている。
これなら、30分に1回の割合で構図の修正を行えばいいので、十分実用的だ。

とはいえ、やはりKDSマウントは大きく重いうえ、ポラリエからの距離があってテコの原理で負荷がかかりすぎる。
要はバランスが取れればよいので、マウント部分をシンプルな構造に変更することにした。


手持ちのマンフロット製クイックリリースプレート577だと、スライド幅が小さくてバランス調整ができなかったため、同じマンフロット製のスライディングプレート357を入手した。
見た目は似ているが、357の方が幅広で互換性はない。





これを使えばご覧のとおりシンプルコンパクトに。搭載重量も2.1㎏に軽量化できた。





理論的には天の赤道(赤緯0度)付近の天体を狙う限りバランスの変化はないので良好に追尾するはず。
赤緯11度付近にある火星ならバランスの崩れは少ないので、ベランダからテスト撮影してみた。





24分の露出でこのとおりずれはわずか。いけそうだ。

しかし、金環日食当日の太陽の赤緯は20度。
こうなるとバランスの崩れは無視できないほど大きくなる。

次回、Part4では、バランスの調整法についての実験をレポートする。


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東日本大震災 義援金のご報告

2012-03-12 12:11:21 | Weblog

写真集「地の始まりの宙と地の果ての宙」を昨年7月7日に出版し、東日本大震災のチャリティーとして販売して参りましたが、
ご賛同いただいた皆様からの温かいご支援が数多く寄せられ、当初予想を遥かに超える販売数となりました。
この場を借りて、ご協力いただいた皆様には厚く御礼申し上げます。

そして震災から1年経過したこの日を一区切りとし、今までの「地の始まりの宙と地の果ての宙」の収益金全額および
「Once in a Blue」の中古売上金全額を日本赤十字社に義援金として振り込んで参りましたので、ご報告いたします。

☆「地の始まりの宙と地の果ての宙」(個人販売分)  419冊×462円 = 193,578円
☆「地の始まりの宙と地の果ての宙」(コニカ販売分)  269冊×262円 = 70,478円
☆「Once in a Blue」(個人販売分)              20冊×2000円= 40,000円
☆その他寄付金                                      5,000円
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   合  計      309,056円








なお、「地の始まりの宙と地の果ての宙」はあと残り78冊となりましたが、売切れるまでチャリティーを継続します。
また、「Once in a Blue」も引き続き販売します。
http://www.netlaputa.ne.jp/~ttake/Publications/Publications.htm

本当に、本当に微力ではありますが、何かできることがあれば、これからも続けていきたいと思っています。
今後ともよろしくお願い致します。



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