風景写真出版より、[上撰]写真集「風景遺産 富士山」が11月6日より発売されました。
http://www.fukei-shashin.co.jp/publist/shosai/mook-003-fujisan.html
白籏史郎、竹内敏信、山下茂樹らをはじめとしたプロアマ写真家による現代の富嶽写真大全です。
150点を超える作品集となっており、これほど見ごたえのある富士山の写真集は他にないのではないでしょうか。
拙作も1枚、提供させていただいています。
写真集のコーナーに置かれていることが多いようです。
現在発売中の「隔月刊『風景写真』2012年 11-12月号」の巻頭特集にも掲載させていただいているところですが、
作品選びのために提出した候補作の中に、一枚だけ富士山の写真を混ぜていました。
その写真を「風景遺産 富士山」に、というオファーも同時に頂き、掲載されることになった次第です。
散光星雲の多くは、電離した水素原子によるHII領域の赤い光(主に赤外線)を発しています。
普通のデジカメは、赤かぶりを抑えるため、CCDなどのイメージセンサーの前面にIRカットフィルタ(赤外線カットフィルタ)を配しているため、
今までフィルムで写っていた赤い散光星雲が写らなくなってしまいました。
デジカメで散光星雲を対象にした天体写真を撮るためには、非常に高価な天体用のCCDカメラを使うか、IRカットフィルタを取り除いた改造カメラを用いるしかありませんでした。
ところが、この度購入したおニューのカメラ「PENTAX K-5IIs」は、赤い散光星雲がけっこう写るとネットで評判になっています。
その実力を探るために、しし座流星群そっちのけで、久しぶりに天体写真を撮影してみました。
[共通データ]
望遠鏡:PENTAX 105SDHF(700㎜F6.7)
赤道義:Vixen SXマウント
まずは定番のM42(オリオン大星雲)から。
少しトリミングしていますので、フルサイズ1200㎜相当の画角です。
ガイドがかなり甘いので、折角のK-5IIsの高解像度を生かせていませんが、ISO1600で2分の露出です。
APS-Cクラス最高のダイナミックレンジにより、1枚撮りでありながら、中心部付近から周辺までこれほどのディティールはすごいです。
次に本命の馬頭星雲です。こちらも少しトリミングしています。
ガイドが流れて長時間露光ができないので、ISO6400に上げて露出を90秒以下に抑え、2枚コンポジットしました。
IRカットフィルタを取り除いたカメラにはかないませんが、無改造でこれだけの写りは評判通りです。
10枚くらいコンポジットすれば、馬の頭がくっきりしてくることでしょう。
最後にM45(すばる)です。こちらも少しトリミング。
ISO6400で70秒と60秒露出の2枚をコンポジット。
青い散光星雲の写りもまずまずです。
もっと露出をかけられれば、ISOを下げてよりクオリティを高められるのですが、SXマウントの追尾精度では1~2分が限界です。
最新のSXPマウントなら相当精度が高まっているようですが、40万円もするので手が出ないです。
あ、オートガイダーを使う手があった。でも結構めんどくさいんだよね。重たいバッテリーも増やさなきゃいけないし。
まずい、久しぶりに天体写真の熱が高まってきた。
ほどほどにしないと、余計なものが増えてしまう。。。(^_^;)
PENTAXのニューモデル「K-5IIs」を手に入れました!
K-7以来、3年ぶりの購入です。
同じボディーを流用しているので、見た目の違いはほとんどありませんが、技術の進歩には目覚ましいものがあります。
その中でも一番気になるのはやはり画質です。
K-7は、サムソン製の1460万画素CMOSセンサー。
方やK-5IIsは、ソニー製の1628万画素CMOSセンサー。
2年前発売のK-5とセンサーは変わっていませんが、IIsは、解像度劣化を招くローパスフィルターがなくなっていることが大きな特徴です。
というわけで、さっそく撮り比べてみました。
カスタムイメージはナチュラルで、ホワイトバランスは太陽光です。
その他すべての設定が同じになるようにして撮影しました。
左がK-7で、右がK-5IIsです。
レンズ:SMC PENTAXM☆67 300mmF4ED 開放 ISO200
「全景縮小」
「等倍切り出し」
解像度でいうとK-5IIsの圧勝です。
画素数はK-5の方がやや多い分有利ですが、画素ピッチでいうと5%程度の違いに過ぎないので、微々たるものです。
やはりローパスレスの効果が大きいようです。
発色はK-7の方が緑が濃く、ダイナミックレンジが狭い分、黒が締まってコントラストが高くなっています。
次に、もっとも重要視している高感度性能です。
レンズ:smc PENTAX-FA★ 24mmF2.0→F2.8 ISO3200
「全景縮小」
「等倍切り出し」
全景で見比べると、K-5 IIsのダイナミックレンジの広さが段違いであることがわかります。
等倍で見比べると、こちらもK-5IIsのノイズの少なさと高い解像度が一目瞭然です。
K-5IIsは、赤い星雲の写りがとてもいいというレポートもあり、この高感度特性と相まって、APS-C最強の天体カメラといっていいでしょう。
K-7は緑の発色が素晴らしいのですが、オーロラを撮ったときは、緑がやたら生えて、絵具で塗ったようにべったりとして、色彩感に欠ける仕上がりでした。
K-5IIsは赤の感度が強いので、赤いオーロラの写りに期待が持てます。
その他びっくりしたのは、暗所AF性能です。
なんと、白っぽいものなら満月の灯りでピントが合っちゃいます。
これはすごい進化です。
仕事が忙しくてまだほとんど撮影していませんが、良い買い物をしたと満足しております。
もっとも、星景写真は相変わらずフィルムオンリーですけどね。