ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【サイバー警察】難波先生

2012-10-11 22:36:39 | 難波紘二先生
【サイバー警察】読売が、<遠隔操作型とみられるウイルスに感染したパソコンから犯罪予告メールが送られるなどした事件で、大阪府警に威力業務妨害容疑で逮捕されたアニメ演出家北村真咲まさきさん(43)(釈放)の名が、問題のメールに記されていたことがわかった。
 自ら名乗るのは不自然として、府警は第三者が北村さんを犯人に仕立てて陥れようとした可能性も視野に入れたが、ウイルス感染に気付けないまま「第三者の関与なし」と判断していた。捜査幹部は「捜査に不備があったと言われても仕方がない」としている。>
 と報じている。http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121009-OYT1T01752.htm?from=ylist

 「情報化社会」においては虚偽情報の発信、ウイルス作成、ハッカー行為は、産業資本主義社会における「偽札作り」にも等しい。よって「情報犯罪」には、最高刑に死刑をもって臨むべし、と唱えたのは映画「2001年宇宙の旅」の(S.キューブリック監督と共に)共同原作者であるSF作家A.C.クラークである。

 私も基本的には同様の意見だが、但し私は死刑廃止論者である。この問題を解決するには、三つの側面からとり組まないといけない。
 第一は、ユーザーの側の倫理意識だが、これを改善することで廃絶できるのなら、世に警察はいらない。
 第二は、ウイルスに感染したり、他人が遠隔操作できないパソコンを普及させることである。これは「企業における他者との共有」を前提に開発されたマイクロソフトOSの致命的欠陥であることは、すでに何度も指摘した。無知なユーザーがいまだに、MS-WIN機を使い続けている。
 第三は、サイバー警察の能力向上である。これは市民の防衛だけでなく、政府や自衛隊のコンピュータを襲うハッカーからの防衛も含む。この能力には、技術的な防御・捜査能力だけでなく、「健全な推理能力」や「ソフトウェアの種類、性質についての専門的知識」も含まれる。


 「読売」が報じているのは、「犯人が本名で脅迫状を書き込む」と信じた警察のアホどもと、「遠隔操作ソフトは容易に遠隔操作型ウイルスに変えられる」という専門的知識のなさである。侵入する時には、犯人IPアドレスが相手のパソコンに残るが、再起動して後、二度目以後にそのパソコンに侵入して脅迫状を他のHPに書き込めば、発信したパソコンのIPアドレスしか残らない。
 要は今回は、第二のケースに第三のケースが合併して生じたのである。
 自分の家に戸締まりをするのは、市民の常識だ。開けっ放しで留守をして、泥棒に入られたり、放火されても、ある意味「自己責任」である。「私はバカでした」と言っているに等しい。損害保険会社だって満額は払ってくれないだろう。


 「真咲」という名に「まさき」でなく、「しんさく」という間違ったふりがながあったのに、それを警察は無視したという。「IPアドレスが北村のものである以上、他者による可能性は考えられない」という思い込みがあったからだ。


 私の卓上にはMACが二台ある。LANケーブルとWi-Fi無線の両方でつながっている。ルータは母屋に置いてある。
 片方を「スリープ」の状態で、他方の「移動」メニューを使い、これを「起こす」ことができるかやってみた。起こせない。つまりMACの場合、スリープしたパソコンには外部から侵入できない。


 今、片方にはDVD映画「コンドル」が「一時停止」の状態になっている。スリープを解除して、これをプレイできるかやってみた。できない。
 スリープを解除すると、「移動」→「ネットワーク」で、他方のパソコンの画面を立ち上げないで、すべての書類を操作できる。文書ファイルの書き換えもできる。
 他方のパソコン画面は暗いままで、手元の画面を見ながら相手のファイルを操作できる。これは「遠隔操作」と同じである。(つまり相手のパソコンから画面には情報が送られない状態)


 同じことをハッカーにやられたら、たぶん傍で他のパソコンを使っていても気づかない可能性がある。
 しかし、スリープした画面を立ち上げる、つまりDVDを「プレイ」にすることはできない。
 HD内部に侵入して「アプリ・メニュー」を開き、無理に相手のソフト(DVDプレイヤー)を立ち上げようとすると、自分のソフトが立ち上がるようになっている。
 あらかじめ「ティンブクトゥ」というソフトを双方にインストールしておけば、手元のパソコンで相手のパソコン・ソフトも操作できるから、IPアドレスを変えて、メールを発信したり、ネット画面に書き込みをしたりすることができる。(私は自宅で大学のパソコンを操作して、必要な書類を印刷するように指示を出してから出勤していた。)


 つまりMACの場合は、「ファインダー」画面の「環境設定」で「スリープまでの時間」をちゃんと設定しておけば、仮に電源入れっぱなし、停止忘れになっても、外部から他人が侵入することは考えられないのである。今どき「ネットに常時接続」は当たり前だろう。それで侵入されるのは、マシンが悪い、ユーザーが無知、としかいいようがない。


 「産経」は神戸大の森井という教授のコメント「ウィルスに感染してしまうと、ハッカーにとってネットに常時接続しているパソコンかどうかわかる」を引用しているが、G-MAILを使っていれば、このメルマガ読者の誰がいまネット接続しているか、リアルタイムでわかる。(接続時間が一番長いのは癌研のT先生である。)
 だからチャットやSKYPEができるのであり、ハッカーとは関係ない。この教授のコメントは恐ろしく旧時代的である。


 「中国」は警察が「第三者がパソコンを遠隔操作できるか再現実験をする」と報じている。MACの場合、「ゲスト来訪可」の設定にしてあれば、第三者がそこまで訪れファイルをコピーしたり、ファイルをおいて行くことができる。「パブリック・フォルダー」に入れた書類は、誰でもアクセスできる。ネット社会ではすべてのパソコンが「サーバー」として機能するのであり、それが常識ではないか。
 そんな「再現実験」を必要とするようでは、警察の無知をさらすようなものだ。


 ただ書類(ファイル)とプログラム(ソフトウェア)は違う。
 記事を書いている記者も、ファイル、プログラム、ソフトウェア、ウイルスのちがいが、よくわかっていないようだ。
 よくわからん警察が発表した情報を、よくわからん記者が記事に書いているので、読者はさっぱりわからない。


 要するにこの事件は、ユーザーの無知と、サイバー警察の無能力が複合して起こったものだと思われる。
 警察の無能を指摘したこの記事を見ると、ダウンロードしたファイルには拡張子「iesys.exe」がついていたようで、WINDOWS用のファイルだったことが確定した。
 http://exdroid.jp/d/46059/
 安物のWINDOWSパソコンを使うかぎり、悲劇はさらに繰り返されるだろう。
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