ある宇和島市議会議員のトレーニング

阪神大震災支援で動きの悪い体に気づいてトレーニングを始め、いつのまにかトライアスリートになってしまった私。

【メールから】「糖質制限食について」難波先生より

2012-10-25 12:24:12 | 難波紘二先生
【メールから】大阪の病理医N先生から「糖質制限食」の結果報告が届きました。
<当方の炭水化物ダイエットの結果を報告致します.
 それまで200前後だったトリグリが,昨年8月の検査で300を越えたため,2ヶ月ほど米とパンを断ったところ,体重が10キロ近く減少,何回かズボンのベルトを短くしました.その結果,骨格筋(特に大胸筋)の萎縮が顕著となりましたが,同時に便秘気味になったため,「これは,ダイエットにマスクされて,消化管になんぞあるな」と思って,上部・下部消化管内視鏡,腹部エコーなど受けたところ,上行結腸に low grade adenomaが見つかっただけでした(ポリペク,断端不明).担当医には「これで貴方の体内に癌があるとすれば膵くらいですが,CT/MRIやりますか?」と言われ,一旦辞退してそのままになっています.なお,小児用アスピリンは,飲んでいません.
 その後は,朝のパン食を再開,夜は1膳だけ米を食べていますが,肉体的には比較的調子よいです.>

 脂質データと血糖値が改善してよかったですね。体重もスリムになりましたね。
 糖質制限食を実施した方の報告を聞くと、1)肝機能がよくなり、トリグリセライドを中心とした脂質代謝の検査値が改善した、2)体重が10%以上減少した、3)血糖値が低下し、HbA1c値も低下した、という人が多いですね。

 肝臓は糖代謝と脂質代謝の中心臓器ですから、糖代謝の負荷が大きすぎると脂質代謝にまで手が回らなくなり、脂質関係の数値が上がるのであろうと思っています。「グルコースは肝臓毒だ」と唱えるゆえんです。

 大腸の良性腺腫など、その歳ではあって当たり前と思います。私も調べれば必ず見つかるでしょう。でもそれは「がんもどき」です。放っておいても支障はありません。私の友人で北大の癌学者だったTさんは、血便があるのに放置していて、進行性直腸癌になり50代半ばで死亡しました。症状が出たらすぐに受診すべきだったと思います。

 便秘は私の場合は昔からあり、プルセニド2錠(夕食後服用)を常用しています。理論的には植物繊維が減少するから便秘が強まるか、と思っていましたが変化なしでした。「植物繊維が便秘を防ぎ、大腸癌を予防する」という学説はウソだと思っています。
 統計的に正の相関だけ示しても意味がないので、負の相関(つまり植物繊維を取らないと、便秘しがんが増える)を示さないとダメです。
 肉しか食わない、ライオンやエスキモーに便秘や大腸癌が多発するという話は聞いたことがありません。


 「食物繊維と大腸癌」のことを言いだしたのは、バーキット・リンパ腫の発見者デニス・バーキットです。私は彼の講演を直接聞いたことがありますが、「ケニアのマサイ族は大量の便をするから大腸癌が少ない、白人は(肉食で)便の量が少ないから大腸癌が多い」という、(平均寿命を考慮しない)かなりいい加減な理論でした。
 それがいつの間にか、「大腸癌のパラダイム」になってしまった。
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