【書き込みを読んで5】
<Unknown (KI):2014-07-18 23:36
ニイニイゼミは生息してませんか?>
もちろん盛んに鳴いています。脱け殻を計測したら体長18ミリ、体幅10ミリで、ずんぐりした体をしていました。図鑑を見直したら大きさは頭端から翅端までの長さのみが書いてあったのを、この頃「クモ図鑑」(胴体長が書いてある)をよく見るもので、見落としていました。
ニイニイゼミの体長はオス・メスともに20~26ミリと図鑑にあり、羽化前幼生はその8かけとして、16~21ミリになり、サイズも体形もほぼ一致すると思います。やはりニイニイゼミの脱け殻と考えるのが妥当でしょうが、芝生の葉に掴まって羽化していたのでつい別種かと思ってしまいました。
ご教示ありがとうございました。
それにしても「脱け殻からわかるセミの図鑑」というような本があると便利だと思いました。昆虫やクモの同定というのは、病理の鑑別診断と同じで、最初に鑑別すべき虫名(病名)が列挙できなければ「絞り込み」ができません。初学病理医が「病理組織学図譜」を繰って行くように、私もしばしば「昆虫図鑑」を最初からめくってそれらしい虫を見つけるという、手間のかかる作業をくり返しています。
良い本がありましたら、ぜひご紹介下さい。
<早稲田の対応 (Unknown1):2014-07-19 03:10
難波先生は早稲田大学の対応についてどうお考えですか?>
<Unknown (Unknown2):2014-07-19 09:42
小保方さんの事もあって今は早稲田大学が叩かれていますが、問題が有るのは早稲田だけでしょうか。>
「Unknown」が2人あるので便宜的に1と2にわけます。
Unknown2さんの議論はスピード違反で捕まったときに「他の人もやっている」というのと同じで、それで可罰性が消失若しくは軽減されるものではありません。早稲田が叩かれているのは、あまりにもお粗末な人材を「博士」として育て、世に送り出した「罪(法律的なクライムでなく道徳的なシン)」に対してです。罪は見つかった時点で罰していかなければなりません。兵庫県議会の大泣きした議員と同様です。
Unkown1さんの意見には基本的に賛成です。早稲田が小保方の学位を撤回できない理由が私には理解できません。このまま行けば「早稲田博士」の値打ちが地に落ちるだけでなく、日本の「理学博士、工学博士」価値も同様に下落するでしょう。2Ch「生物板」には以下のような辛辣な比較があります。
<126 名前:名無しゲノムのクローンさん :2014/07/20(日) 07:42:32.60 .net
■世界の三大不正事件
1位、小保方晴子(早稲田大卒):博士号剥奪せず(by鎌田薫)+事件発覚後も研究継続・VIPタクシー通勤 (by野依)
2位、ヘンドリック・シェーン(コンスタンツ大卒):即日懲戒解雇+博士号剥奪
3位、ファン・ウソク(ソウル大卒):懲戒解雇+逮捕 >
早稲田調査委は報告書で、
<早大は19日、調査委員会の報告書全文をホームページで公開した。博士号の取り消し要件に該当しないと判断した理由について「(博士号を前提とする就職など)生活および社会的関係の多くを基礎から破壊することになる」と指摘。要件に該当するかどうかは、この点に配慮し「厳格に行われなければならない」と説明している。>
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014071900337
ということだが、原本はここに公開されている。
http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_report.pdf
この小林英明という委員長(弁護士)は実際には小保方の代理人ではないか。もちろん調査委員全員を早稲田のOBで固めているのだろう。「世間様」と「ネット集合知」をずいぶん甘く見たものだ。
小保方は武田邦彦教授が雇えばすむことだろう。武田氏は「言行一致」を示すべきだ。
<350 :名無しゲノムのクローンさん:2014/07/20(日) 10:23:22.60 .net
STAPがないということになると、関係者の生活が破壊されるため、あるかもしれないという現状を維持すべきである >
野依理事長以下、理研関係者は「早稲田報告書」でずいぶん力づけられたことだろう。
米国の場合、M.D.は「医学部卒業・国試合格」の時点で与えられるので、卒論を書く必要がないから、ほとんどの医系研究者は「医学博士」号を持っていない。日本の「医学博士」は英訳すると「ドクター・オブ・メディカル・サイエンス」で、米国のPh.D.に相当する。日本のシステムはドイツを模倣したもので、ドイツでは博士論文を書いたら、「公開審査」があり聴衆の前で講演し、厳しい質問に答えなければいけない。パスしたら著書として公刊しなければならない。
日本では1991年の「大学院生倍増計画」以来、学位制度の形骸化が生じている。
学位に関して「学位売買事件」は戦前からあった。昭和9(1934)年には有名な「長医科大学学位売買」事件が発生している。東大閥と京大閥の対立を背景にして起こった事件で、贈賄側は医学博士を看板にかけて医業の繁昌に役立てたい開業医、おもな収賄側は京大系の産婦人科の教授と東大系の法医学の教授だった。(この元陸軍軍医の開業医が法医学教室でまとめた学位論文が「血液型と性格」をテーマにしていたので、事件そのものを調べたことがある。)
戦後、新制大学に移行し、医師国家試験(戦前は今の教員免許と同じで、卒業したら医師になれた)とインターン制度の導入により、医師のレベルアップが図られ、同時に「医療法」により診療科目以外の広告が禁じられたので、医学博士は名刺に刷り込める程度で、広告に使えなくなった。
だから医者の世界では学位は「足の裏のメシ粒だ」といわれる。そのこころは、「とらないと気持ちが悪いが、とっても食えない」である。
ところが研究者とか大学など高等教育機関の教員になるときは、「博士号」が要求される。私が米国NIHの「国際奨学生」になるとき、学位を要求されてあわてた話は前に書いた。行って見ると、正規の研究職員にもM.D.の学位だけの人が沢山いた。ヴァカンティもM.D.だけしかないが、マサチューセッツ医大教授からハーヴァードの「ブリガム婦人病院(BWH)」教授に異動している。
ある時、NCI病理部にノース・カロライナ大医学部の卒業生で、Ph.D.の学位をもつレジデントが来たので、「ハーヴァード卒のM.D.だけの人とノース・カロライナ卒のM.D., Ph.D.とどっちが上なん?」と聞いたら、答えられなかったのでハーヴァードが上だと察した。
つまり同じ学位でもハーヴァードが出す学位とノース・カロライナ大が出す学位は、同等なレベルとはアメリカ社会では考えられていない。同じことは日本の学位についてもいえるだろう。
早稲田大は小保方学位を軽く扱うと、「早稲田学位」そのものの信用性失墜につながることを自覚すべきだ。博士が足りない時代ならともかく、今は余っている。30歳になってやっと(一時的に)定職にありつけた小保方のケースはそれを象徴しているだろう。
余談だが、寺田寅彦は「学位について」(「改造」昭和9年4月号)という論文を発表して、長崎医大事件を論じている。彼は東京帝大理学部の教授だったから、「浅田擁護派」である。
「学位などは惜しまず授与すればそれだけでもいくらかは学術奨励のたしになるであろう。学位のねうちは下がるほど国家の慶事である。紙屑のような論文でも沢山に出るうちにはたまにはいいものも出るであろうと思われる。」と論じている。(事件の際、東大医学部法医学教室の次期教授と目されていた長崎医大法医学教授浅田一は収賄容疑で起訴猶予となり辞職し、東大教授の目がなくなった。代わりに教授となったのが金沢医大の古畑種基教授で、法医学の大ボスとなった。人の運命はわからない。)
寅彦の議論は、こと自然科学に関してはいまでも刮目すべき点が多々あるが、政治とか社会に関してはごく平凡な見識しかなかったと私は思う。事件当時の文部大臣鳩山一郎は鳩山由起夫、邦夫兄弟の祖父で、京大の「滝川事件」を起こしている。
<Unknown (KI):2014-07-18 23:36
ニイニイゼミは生息してませんか?>
もちろん盛んに鳴いています。脱け殻を計測したら体長18ミリ、体幅10ミリで、ずんぐりした体をしていました。図鑑を見直したら大きさは頭端から翅端までの長さのみが書いてあったのを、この頃「クモ図鑑」(胴体長が書いてある)をよく見るもので、見落としていました。
ニイニイゼミの体長はオス・メスともに20~26ミリと図鑑にあり、羽化前幼生はその8かけとして、16~21ミリになり、サイズも体形もほぼ一致すると思います。やはりニイニイゼミの脱け殻と考えるのが妥当でしょうが、芝生の葉に掴まって羽化していたのでつい別種かと思ってしまいました。
ご教示ありがとうございました。
それにしても「脱け殻からわかるセミの図鑑」というような本があると便利だと思いました。昆虫やクモの同定というのは、病理の鑑別診断と同じで、最初に鑑別すべき虫名(病名)が列挙できなければ「絞り込み」ができません。初学病理医が「病理組織学図譜」を繰って行くように、私もしばしば「昆虫図鑑」を最初からめくってそれらしい虫を見つけるという、手間のかかる作業をくり返しています。
良い本がありましたら、ぜひご紹介下さい。
<早稲田の対応 (Unknown1):2014-07-19 03:10
難波先生は早稲田大学の対応についてどうお考えですか?>
<Unknown (Unknown2):2014-07-19 09:42
小保方さんの事もあって今は早稲田大学が叩かれていますが、問題が有るのは早稲田だけでしょうか。>
「Unknown」が2人あるので便宜的に1と2にわけます。
Unknown2さんの議論はスピード違反で捕まったときに「他の人もやっている」というのと同じで、それで可罰性が消失若しくは軽減されるものではありません。早稲田が叩かれているのは、あまりにもお粗末な人材を「博士」として育て、世に送り出した「罪(法律的なクライムでなく道徳的なシン)」に対してです。罪は見つかった時点で罰していかなければなりません。兵庫県議会の大泣きした議員と同様です。
Unkown1さんの意見には基本的に賛成です。早稲田が小保方の学位を撤回できない理由が私には理解できません。このまま行けば「早稲田博士」の値打ちが地に落ちるだけでなく、日本の「理学博士、工学博士」価値も同様に下落するでしょう。2Ch「生物板」には以下のような辛辣な比較があります。
<126 名前:名無しゲノムのクローンさん :2014/07/20(日) 07:42:32.60 .net
■世界の三大不正事件
1位、小保方晴子(早稲田大卒):博士号剥奪せず(by鎌田薫)+事件発覚後も研究継続・VIPタクシー通勤 (by野依)
2位、ヘンドリック・シェーン(コンスタンツ大卒):即日懲戒解雇+博士号剥奪
3位、ファン・ウソク(ソウル大卒):懲戒解雇+逮捕 >
早稲田調査委は報告書で、
<早大は19日、調査委員会の報告書全文をホームページで公開した。博士号の取り消し要件に該当しないと判断した理由について「(博士号を前提とする就職など)生活および社会的関係の多くを基礎から破壊することになる」と指摘。要件に該当するかどうかは、この点に配慮し「厳格に行われなければならない」と説明している。>
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2014071900337
ということだが、原本はここに公開されている。
http://www.waseda.jp/jp/news14/data/140717_committee_report.pdf
この小林英明という委員長(弁護士)は実際には小保方の代理人ではないか。もちろん調査委員全員を早稲田のOBで固めているのだろう。「世間様」と「ネット集合知」をずいぶん甘く見たものだ。
小保方は武田邦彦教授が雇えばすむことだろう。武田氏は「言行一致」を示すべきだ。
<350 :名無しゲノムのクローンさん:2014/07/20(日) 10:23:22.60 .net
STAPがないということになると、関係者の生活が破壊されるため、あるかもしれないという現状を維持すべきである >
野依理事長以下、理研関係者は「早稲田報告書」でずいぶん力づけられたことだろう。
米国の場合、M.D.は「医学部卒業・国試合格」の時点で与えられるので、卒論を書く必要がないから、ほとんどの医系研究者は「医学博士」号を持っていない。日本の「医学博士」は英訳すると「ドクター・オブ・メディカル・サイエンス」で、米国のPh.D.に相当する。日本のシステムはドイツを模倣したもので、ドイツでは博士論文を書いたら、「公開審査」があり聴衆の前で講演し、厳しい質問に答えなければいけない。パスしたら著書として公刊しなければならない。
日本では1991年の「大学院生倍増計画」以来、学位制度の形骸化が生じている。
学位に関して「学位売買事件」は戦前からあった。昭和9(1934)年には有名な「長医科大学学位売買」事件が発生している。東大閥と京大閥の対立を背景にして起こった事件で、贈賄側は医学博士を看板にかけて医業の繁昌に役立てたい開業医、おもな収賄側は京大系の産婦人科の教授と東大系の法医学の教授だった。(この元陸軍軍医の開業医が法医学教室でまとめた学位論文が「血液型と性格」をテーマにしていたので、事件そのものを調べたことがある。)
戦後、新制大学に移行し、医師国家試験(戦前は今の教員免許と同じで、卒業したら医師になれた)とインターン制度の導入により、医師のレベルアップが図られ、同時に「医療法」により診療科目以外の広告が禁じられたので、医学博士は名刺に刷り込める程度で、広告に使えなくなった。
だから医者の世界では学位は「足の裏のメシ粒だ」といわれる。そのこころは、「とらないと気持ちが悪いが、とっても食えない」である。
ところが研究者とか大学など高等教育機関の教員になるときは、「博士号」が要求される。私が米国NIHの「国際奨学生」になるとき、学位を要求されてあわてた話は前に書いた。行って見ると、正規の研究職員にもM.D.の学位だけの人が沢山いた。ヴァカンティもM.D.だけしかないが、マサチューセッツ医大教授からハーヴァードの「ブリガム婦人病院(BWH)」教授に異動している。
ある時、NCI病理部にノース・カロライナ大医学部の卒業生で、Ph.D.の学位をもつレジデントが来たので、「ハーヴァード卒のM.D.だけの人とノース・カロライナ卒のM.D., Ph.D.とどっちが上なん?」と聞いたら、答えられなかったのでハーヴァードが上だと察した。
つまり同じ学位でもハーヴァードが出す学位とノース・カロライナ大が出す学位は、同等なレベルとはアメリカ社会では考えられていない。同じことは日本の学位についてもいえるだろう。
早稲田大は小保方学位を軽く扱うと、「早稲田学位」そのものの信用性失墜につながることを自覚すべきだ。博士が足りない時代ならともかく、今は余っている。30歳になってやっと(一時的に)定職にありつけた小保方のケースはそれを象徴しているだろう。
余談だが、寺田寅彦は「学位について」(「改造」昭和9年4月号)という論文を発表して、長崎医大事件を論じている。彼は東京帝大理学部の教授だったから、「浅田擁護派」である。
「学位などは惜しまず授与すればそれだけでもいくらかは学術奨励のたしになるであろう。学位のねうちは下がるほど国家の慶事である。紙屑のような論文でも沢山に出るうちにはたまにはいいものも出るであろうと思われる。」と論じている。(事件の際、東大医学部法医学教室の次期教授と目されていた長崎医大法医学教授浅田一は収賄容疑で起訴猶予となり辞職し、東大教授の目がなくなった。代わりに教授となったのが金沢医大の古畑種基教授で、法医学の大ボスとなった。人の運命はわからない。)
寅彦の議論は、こと自然科学に関してはいまでも刮目すべき点が多々あるが、政治とか社会に関してはごく平凡な見識しかなかったと私は思う。事件当時の文部大臣鳩山一郎は鳩山由起夫、邦夫兄弟の祖父で、京大の「滝川事件」を起こしている。
> 日本の「理学博士、工学博士」価値も同様に下落するでしょう。
これは放っておけない問題だと思っています。何か自分でも働きかけをしたいところですが、署名サイトくらいしか思いつきません。
話は変わりますが、ネット検索でセミの抜け殻の分類表を見つけました。よかったらどうぞ。
http://www4.city.kanazawa.lg.jp/data/open/cnt/3/15978/1/kensakuzu.pdf
早稲田大学理工学部の授業料は高額らしいです。しかし学生に対する教員の数が少なく、所謂コピペも普通に行われていると、ネット上に有りました。大学生になれば勉強は自分でするものです。けれど大学は何もしなくていいという訳では有りません。大学の価値は「引き出し」の多さに有ると思います。その「引き出し」を開けるかどうかは学生の問題ですが。早稲田にどの位の「引き出し」が有ったか、大学側はどうだったのでしょう。
今回の博士号騒動についても、早稲田だけではないでしょう。
これは、他人がやっているから自分もしていいという論理では無く、人の事を言う前に自分の所も確かめるべきですし、早稲田の事を「他山の石」とし、研鑽されれば良いでしょう。早稲田が下した結論に不満で、早稲田がおかしいと思われ進言されるのも良いでしょう。
広島大学の件も「他山の石」と他の医学部も考えて頂きたいものです。
難波先生も学歴は関係ないと書かれておられます。何処の大学で博士号を取ったという事が重要ではないのに、学歴だけで判断して、例えば企業の採用でも失敗するということはよくあることでしょう。
お金と時間が有れば誰でも取れる博士号ですから。
これが当てはまるのは、早稲田大だけであると声を大にして言いたい(早稲田に在籍中の方や卒業者には申し訳ないですが)。
難波先生も書いておられますが、医学の世界に限らず日本での博士号は「足の裏の飯粒」です。とっても腹の足しになりませんし、「~大の博士号を持っている」というだけで就職に有利になるほど世の中甘くありません。
でも、博士号をとるのは非常に大変な事です。持っている人はそれなりに思い入れがあるのは当然の事です。
因みに、欧米ではPh.D.を持っていることはしっかりと評価されます。採用の際に重視されるのはもちろんの事、「Dr. xxx」と名乗っただけで待遇が変わったりするそうです。
日本も、もっと博士課程の教育を充実させ、質の高い博士を育てる事によって、社会が博士を大切にする時代が来るといいなと思います。「末は博士か大臣か」という言葉がありますが、博士も大臣も信用を失っている現状は憂慮すべきことです。
中には苦労しても取得できない人もいるのに、「金と時間があれば誰でも」とは大変失礼な言明だと思います。上記Unknownさんは、博士号を持っていないのでしょうね。