この10日間、時間があれば農水省の消費安全局のプレースリリースを覗いている。前回の更新後10例の口蹄疫発生を疑う農場が現れた。これまでのプレースリリースの内容を簡単にまとめると、以下の通りである。
1例目:4月9日届出、宮崎県児湯郡都農町、繁殖牛農家、繁殖牛9頭、育成牛3頭、子牛4頭の計17頭
2例目:4月21日確認、宮崎県川南町、1例目の農場から南東へ約3km、酪農・肉用牛複合経営、搾乳牛26頭、乳牛育成牛7頭、交雑種(F1)肥育牛14頭等の計65頭
3例目:4月20日届出、宮崎県児湯郡川南町、2例目の農場から北へ約400m、肉用牛肥育農場、和牛83頭、交雑種(F1)35頭の計118頭
4例目:4月21日届出、宮崎県児湯郡川南町、2例目の農場から西へ約200m、肉用牛の繁殖農場,和牛65頭
5例目:4月22日届出,宮崎県児湯郡川南町、4例目の農場から西へ約100m、肉用牛の一貫経営農場、繁殖牛44頭、育成牛1頭、肥育牛6頭、子牛24頭の計75頭
6例目:4月22日宮崎県立ち入り、宮崎県児湯郡都農町、1例目の農場から北西へ600m、1例目の農場と飼料会社が同じ、水牛・豚飼養農場、水牛44頭、豚2頭
7例目:4月24日届出、宮崎県児湯郡川南町、2例目の農場から北東に約100m、肉用牛肥育農場、肥育牛725頭
8例目:4月27日届出、宮崎県児湯郡川南町、2例目の農場から北東へ約2km、肉用牛肥育農場、肥育牛1,019頭
9例目:4月27日届出、宮崎県えびの市、1例目の農場から南西へ約70km、肉用牛肥育農場、肥育牛275頭
10例目:4月27日届出、宮崎県児湯郡川南町、1例目の農場から南東へ約6km、2~5例目の農場から南東へ約3km、宮崎県畜産試験場川南支場、豚486頭
11例目:4月28日届出、宮崎県児湯郡川南町、2例目の農場から北東へ約400m、酪農農家、乳用牛50頭
12例目:4月29日届出、宮崎県児湯郡川南町、2例目の農場から南へ約1km、一貫養豚場、母豚493頭、種雄豚14頭、育成豚82頭、子豚840頭の計1,429頭
13例:4月30日届出、宮崎県児湯郡川南町、10例目の農場から北へ約200m、一貫養豚場、繁殖母豚371頭、育成豚41頭、子豚897頭、種雄豚28頭、交雑種繁殖候補豚1,063頭、肥育豚1,482頭の計3,882頭
これら農場の飼育動物は、いずれも殺処分されたか、これから殺処分される。これらの被害は甚大である。特に注目すべきは、9例目で宮崎県えびの市で発生したことと、12例目と13例目が一貫養豚場であったことだ。
発生農場は、9例目を除くといずれも宮崎県児湯郡に集中しているが、そこから70kmも離れたえびの市で発生した。このことは、口蹄疫ウイルスに感染した牛や豚が、1例目が確認される前にすでに各地に移動している可能性を強く示唆している。
また、肥育農牛の農場や酪農場と養豚場とは直接の接点はない。しかし、養豚場でも発生したということは、屠畜場への運搬車や飼料会社のトラック等が口蹄疫ウイルスで汚染され、感染を拡大している恐れもある。
感染経路については、これから解明されるであろう。兎に角、今回の口蹄疫の被害が一刻でも早く治まることを願ってやまない。