宮崎県で多大な被害を出した口蹄疫も6月18日に宮崎市内の肉用牛肥育農場で発生した291例目以降、本日(6月27日)まで新たな発生がない。従って、まるで火事のように広がっていった口蹄疫もその勢いが治まったと見て良いのではないか。恐らくは、児湯郡川南町を中心に行われた口蹄疫ワクチンの接種の効果によるものと思われる。
口蹄疫ワクチンの接種は、5月22日から5月27日までに移動制限区域内の全ての牛と豚に対して行われ、その効果が6月5日頃から現れたようであった。すなわち、この頃から農水省と宮崎県のプレスリリースで報告される疑似患畜の発生件数がかなり減ったのである。この時は、口蹄疫の勢いを抑えることができたようだと喜んだ。しかし、6月9日に都城市の肉用牛肥育農場で口蹄疫疑似患畜が発生し(280例目)、この時は大いに落胆した。都城市を中心とする一帯は、宮崎県で最大の畜産地域であり、さらに県境を越えた鹿児島県北部も合わせると九州のみならず日本最大の畜産地帯の一つである。この地帯が口蹄疫の被害に見舞われると南九州の畜産は壊滅する、そんな恐怖が頭をよぎった。ただ、発生した農場の位置はこの畜産地帯の最北部で中心部よりかなり離れており、しかも、この事例の連絡を受けた後の宮崎県の対応が非常に迅速であった。その結果、本日まで都城市近辺で新たな疑似患畜例は発生していない。現在、都城市地域での清浄性確認検査が実施中である。
報道によると疑似患畜とされた農場では全て防疫措置が終了したとある。ただし、移動制限区域内で口蹄疫ワクチンを接種された牛や豚の処分、及び搬出制限区域の農場内の牛や豚の出荷については未だ多くが残っており、まだ、手放しでは喜べない。しかし、最も危険であった山は越えたと見て良いと思う。これも、宮崎県内や全国から応援に駆け付けた獣医師、国や自治体の職員、農協や農業共済の職員、警察、自衛隊など様々な方々の大変なご努力の賜物であり、関係者の正に命をかけた防疫活動に心からの敬意と感謝の意を表したい。
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