昨年末から今年の正月にアレクサンドル・デュマの名作三銃士を読みました。NHKが人形劇の三銃士を放送しているのに刺激されたためです。
話のストリーは大まかには知っていました。青年剣士ダルタニァンが、三人の銃士と一緒になって時の権力者に対抗するという話で、昔昔何かの機会に絵本か何かで読んだような微かな記憶があります。しかし、今回、デュマの小説(当然和訳ですが)を読んでその面白さが解りました。まず、時は17世紀国王ルイ13世の御世、主人公の剣士ダルタニァンは大望を抱いてガスコンニューから都パリに上った若者、その若者を助けるのが国王直属部隊の銃士隊の隊士でありながら一癖、二癖、三癖もある3人の銃士アトス、ポルトス、アラミス、ダルタニァンと3銃士が力を合わせてお守りするのが王妃アンヌ・ドートリッシュ、そして4人が立ち向う真の敵は当時権勢を誇った宰相の枢機卿リシュリューと、大きなスケールで話が展開します。因みに、主人公ダルタニァンの故郷ガスコンニューは、小生の好きな戯曲シラノ・ド・ベルジュラックの主人公シラノの出身地でもあります。
ただ、この小説を読み終わってみると、以外ですがダルタニァンが主人公と設定してはいるものの、そのキャラクターはあまり面白くはなく、むしろ敵である妖女ミラディーや脇役であるはず銃士アトスの方がはるかに面白い人物として描かれていると思います。デュマがどういう意図を持っていたかは解りませんが、ミラディーやアトスがダルタニァンより話をはるかに面白くしているという印象は、他の読者も持たれるではないか、と思います。この小説をそういう風にとるのは、小生の年齢のためかも知れません。ひょっとして少年時代に読めばダルタニァンがやはり主人公と納得したのかも知れません。ただし、その時はミラディーやアトスの存在感が解らなかったと思いますが。
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