2010年8月27日に熊本刑務所で行った「野の花コンサート」の感想をご紹介します。
私自身、今読んでも、涙がでます。
人生はどんな試練があっても、いつからでもまたやり直せると思います。
感想文は、誰が書かれたのかはわかりませんが、とても美しい字で丁寧に書かれ、達筆なものもありました。
●今日、情操教育・野の花コンサートを見て、私自身とても心が癒された気がしました。
私は初め、”情操教育”の意味がわからず、まず辞典を引き調べました。すると辞典には「美しいもの・純粋なもの・崇高なものを見たり、聞いたりして、すなおに感動する豊かな心」と書いてありました。
辞典を引き意味を知って、やっと「あぁ、なるほどな」とこのコンサートの主旨を理解する事ができました。
正直、私自身、今日の野の花コンサートは、「暑いしダルくて見たくない」という気持ちが大きかったのですが、この暑い中、汗をかきながら、一生懸命歌ったり演奏して下さる姿を見ているうちに、段々と私の中の気持ちが変わってきました。歌う歌の選曲も、色々私たちの事を考えてくれてる様子で、年配の方の為には演歌、若い人にも楽しめるようにここ最近のヒットした曲を選んで歌ってくれて、本当に私達が少しでも楽しめるようにしてくれている心配りが感じられました。
私達のような犯罪者の為に、1時間程の時間でしたが、素晴らしい歌と演奏で私の心のストレスを発散し、癒してくれました。
次の機会があるのならば、次は間違いなく初めから楽しみにして「野の花コンサート」を待つことが出来ると思います。
そして、もし、この感想文の声が届くのであれば、今日のコンサートに出演して下さった3人の方々に「ありがとう」の気持ちを伝えたいです。
また、今日のこの感謝の気持ちをこれからも忘れずに、これからの受刑生活やその先の社会生活を送り続けたいと思います。今日、コンサートに来てくださった皆様、本当に楽しい時間をありがとうございました。
●野の花コンサートを拝聴して感じたことは、誰にでもある、それぞれの故郷の風景を想い出させてくれて、かつ私たち受刑者に「頑張れ、やがて春がきます」とエールを送ってくれているような1時間だったと思います。私の故郷は**ですが、今では幼かった頃の景色は面影も残っていません。しかし、故郷というのはずっとオフクロや兄弟達、そして一緒に遊んだ友達の顔がありますが、本日のコンサートの歌を聴いて、それらを思い出していました。
故郷から遠く離れ、熊本で収容生活をしている私にとりまして、望郷の念にかられる想いがしました。
冬になれば春は近い 雨が上がれば虹も出る・・・ということも勇気付けてくれる言葉でした。そして、太陽や大空はこの熊本と**もつながっているのだと思えました。いづれも心に元気をくれる言葉だったように思います。
この猛暑の中、遠路はるばる私達受刑者を想い、出向いて下さった出演者の方々の素晴らしい歌声やフルート、エレクトーン演奏にも感動致しました。感謝・感謝です。この感謝の気持ちを忘れることなく、これからの受刑生活にも役立てて、無事故で過ごせるようするつもりです。最後に今回のコンサートを企画してくださった職員の方々にも感謝致します。次回のこのような企画も楽しみに待っていますので、よろしくお願い致します。
●今回、野の花コンサートで一番心に残ったことは、うつくしいピアノとフルートの音にあわせて「虹」という詩の朗読を聴いたことです。その一節に冬のあとには春が来ると言うくだりがありましたが、それを聴いた時、「西風に寄せる頌歌」の一節「冬来りなば春遠からじ」を思い出したのは、私だけではないのではないでしょうか。
刑期の長い短いはありますが、誰もがこの厳しい刑務所生活を冬におきかえて、出所という春に向け、一人一人が頑張っていることを考えたら、なぜかこの詩が一番心に残りました。
また歌では矢張り「ふるさと」を聴いた時に、子供の時に過ごしたふるさとの山や川を歌を効き乍ら思い出しました。子供のころはこの歌を聴いても歌っても、どういうこともなかったのですが、年を重ねる度に心にジーンと来て、胸が熱くなるのは、私の中に日本人の地が流れているからでしょうか。何か忘れていた大切なものを久しぶりに思い出させてくれた、そんな気持ちになりました。
何かの本に感動して涙を流すのは心の中に、まだピュアな部分が残っている証拠とありましたが、私の中にもまだそういうものがあると気付かせてくれた時間でもありました。本当にありがとうございました。最後にこの暑い中、私達のために遠い所、態々足を運んで下さり、心からお礼を申し上げます。
●情操教育の「野の花コンサート」を受講して歌の内容・歌詞によって、**にいるおふくろの事を思い出すと共に、熊本刑務所に来て、死に立ち合えなかった親父の事を思い出し、身につまされる思いがし、心の中で合掌をする自分自身にビックリすると共に、自分だけが塀の中で苦労していると云う思いを考え直し、一番苦しく苦労しているのは**にいる母であり、家族である身内と実感すると共に、一日も早い社会復帰を誓う気持ちが一層強くなりました。
そして、歌を歌われた方が作曲された「21世紀の子供」という題の歌のように戦い事のない平和な世界、世の中が一日も早く訪れることを願うように思い、幸せで笑顔のある家庭を一日も早く作り、安心して生活ができる家庭を目指して頑張ろうと云う気落ちでいっぱいになりました。
最後に、この残暑のきびしい中、自分達の為に「野の花コンサート」をひらいて頂いた皆様に、感謝の気持ちと感動をありがとうといって、終わりたいと思っています。
本当に暑い中ありがとうございました。
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