雨あがりの高円寺

台風セットの買出しに街へ出る。大量のお菓子とカップラーメンと漫画、これが台風セットだ。このセットさえあれば数日家に閉じ込められても安心だ。なまぬるい風が吹き、街中がもわん、とした空気に包まれている。落ち葉だらけでぬちゃぬちゃの舗道。分厚い雲に覆われた暗鬱な空の色。ああ、本当に台風なのだなぁ。子供の頃はよく停電したよなぁ。ろうそくの灯りだけで入るお風呂が、怖いようで楽しいようで激しくドキドキしたっけ。などと子供の頃を思い出しつつ、なんか台風過ぎ去っちゃった気もするよなぁ、雲の切れ間からちょろちょろお日様顔出してるしなぁ、でも台風セット買っちゃったしなぁ、などと引き篭もる気満々のマスターなのでした。

雨の西麻布

へライブを見に行った帰り、雨の高円寺で白人のお兄ちゃんに声を掛けられた。えらい早口で何やら一生懸命まくしたてている。道に迷って困っているのだなと耳を傾けてみれば、なんとか聞き取れたのが『ドゥーユーライクダンス？』『タクシー』『ドリンク』『ウィズミー』どうやらナンパらしい。アー、アナタはミーとタクシーにライドオンしてお酒をドリンクしたりダンシンしたりできるサムホエアにレッツゴーしましょうと誘ってるワケですかい、アハン？とカタコト英語で尋ねてみると、オゥイエーースときたもんだ。更に早口で何やらまくしたて続ける彼。相手の気分を害さないようユーモア交じりに丁重にお断りするにははて英語で何と言ったら良いものかと頭を悩ませていると、『なんちゃらかんちゃらハズバンド？』と聞かれたので、左手の指輪を見せて『ハズバンド！』、自分の胸を指して『チチバンド！』と叫んだら、ハーハハハ、グッナイ、と乾いた笑いを残して彼は去って行った。どうやら通じたようだ、わしのジャパニーズジョークが。まだまだわしも捨てたもんじゃないな、ふぉっふぉっふぉ、とうきうきスキップで帰宅したマスターなのでした。

雨の表参道

ちょいと一人で一服、という時は、喫煙人口率が高く遠慮なく吸えるドトールをよく利用する。いずこもすっかり分煙化されている今となっては関係ないのだが、やはりなんとなくドトールを選んでしまう。ほひぃ、やっと落ち着いて一服できるぞぅ、と思いきや、隣席のおばちゃまグループが大声で株の話で盛り上がってらっしゃるのが気になって仕方ない。ああ、教えてあげたい。約定は『やくてい』でなくて『やくじょう』と読むのですよ。逆日歩は『ぎゃくにちぶ』ではないですよ。会話に石を投げ込む勇気なぞないが、でも気になる。結局そわそわ落ち着かぬまま珈琲をすすっている。どうでもいいけどタイトルが昭和ムード歌謡ちっくになってしまった事は右から左へ受け流してほしいマスターなのでした。

中毒だもの 2

日本全国のぷちぷち中毒患者の皆様に朗報だ。『∞(無限)プチプチ』が9月下旬に発売される。あの『ぷちっ』という破裂音がサンプリングで見事にリアルに再現されている上、100回に1回の割合でおなら音やウッフンアッハン声が出る仕様になっているらしい。公式ページはコチラ。開発の模様はコチラ。昨日に引き続きNEWSと呼ぶには微妙に古いニュースなのだが縁起もんで取り上げてしまうマスターなのでした。

中毒だもの

ちょっと前のニュースで『携帯型ニコチン吸入器』というのを見た。ニコチン入りカートリッジをセットし、ホースの先から出てくる霧状のニコチンを吸う、という仕様らしい。酸素の代わりにニコチンが出てくる吸入器のようなものだ。製造元がガスマスクを作っているメーカー、というのも笑えるような笑えないような話だ。酸素バーがあるんだから、ニコチンバーもそのうち出来たりするんだろうか。カウンターにずらっと並んだ吸入器。『いらっしゃいませ』『ターキーロックで、それからニコチンはダブルね』『マスター、こっちもニコチンお代わり』片手にグラス、片手に吸入ホースを握り締めた客達。ゴキュゴキュゴキュ、スーハースーハー、ゴキュスー、ゴキュハー。『ったく、これが吸わずにやってられるかってんだ、あのタコ課長めが、くそっ』などと扉を開けるなり駆け付け三吸、ホースを三本くわえていきなりスーハーし始めるサラリーマンもいたりする。結構繁盛するかもしれない。発売されたらとりあえずこっそり買ってみよう、ほいでニコチンM'sバー開店案を煮詰めよう、などと思っているマスターなのでした。